上 下
248 / 274

◇ヤバいな。※

しおりを挟む


 キスは、たくさんしてきたけど。
 最後までするのは、あれ以来。
 極力痛くないようにしたいから、めちゃくちゃ慣らそうと思って、ローションをたっぷりつけてそこに触れた。

「――――……?」

 なんか、思ってたより、柔らかい気がする。
 あの時、最初に触れてた時は、もっと……?
 そんな風に一瞬考えていたら、先輩がオレを見上げて「なに……?」と聞いてくる。

「いや、なんか……思ってたより、柔らかいなぁって」
 別にごまかさなくてもいいだろうと思って、そう言ったら、一気に真っ赤になった。

「え?」
 なんだ??

「……っい、いいから、早く、して」
「……? 陽斗さん? え、何どうしたの?」

 いいからって言われても、そんな反応見て、スルーして進めないんだけど。オレ今そんな恥ずかしいこと言った?

「気のせいかもしんない。……ごめん、変なこと言った?」
「…………っっ」
 握った手の甲で口元を押さえて、真っ赤になってる先輩は、オレが見つめていると、涙まで浮かべた。

「……え、どうしたの、マジで。何?」
 腕を掴んで、その顔を覗き込む。

「……っ……」
「ん? 何?」

「……一応……少し……」
「……?」

「………………っ」
 めちゃくちゃ小声なので、先輩の口に耳を寄せると。

「洗った?」
「……っおっきい声で言うなよっ」
「って、ここオレ達しか居ないし、誰も聞かないし」

 苦笑を浮かべながら、首をかしげてしまう。
 洗ったって、何を?……って。

「――――……え、それって」
 突然思い当たったことに驚いて、先輩をまじまじ見つめてしまうと。

「も、無理……!」
 そう言って、くるっとうつ伏せになって、枕に沈み込んでしまった。

「え、もしかして、中、準備、してくれたの?」
「……っ……だって、するって、言ってたじゃんか。だから……石鹸、つけて、洗った方がいいのかなって……」

 それはそれは、恥ずかしそうに、埋まったまま、まるで文句を言うみたいな口調でそんな風に言うけど。

 風呂場で。オレとするために、準備してくれたのかと思うと。

「……もう、ほんと無理……ていうか、何、柔らかいって……恥ずかしすぎなんだけど……」

 そんな風にぶつぶつ言ってる先輩が、もう可愛くてならなくて。
 肩に触れて、こちらを向くように少し引く。

「陽斗さん、こっち、向いて」
「――――……っやだ」
「キスさせて」
「…………ッ」

 何秒か、葛藤してるっぽい間があったけれど。
 ゆっくり、枕から顔を上げて、オレを見上げてくる。
 まっすぐで綺麗な瞳は、今は、なんだか涙で滲んでて、眉を顰めてる。

「なんかすっごく……興奮すんだけど」
「…………っっ」
 余計に寄った眉と、まだ赤くなる頬。

「ほんと陽斗さんて……ヤバいよね……」
 言いながら、何か言いたげな唇を塞いで、深く、口づけた。

「……ッ……ン……っ……」

 舌を絡めて、口内をなめる。上顎に舌を這わすと、ん、と震えた。

「……は、……ぁ……」

 口の隙間から、声が漏れる。

「……ん、んん……っ……」

 すぐにキスに夢中になって、涙の滲んだ瞳が、とろん、と力をなくす。
 可愛くてしょうがなくて、めちゃくちゃ丁寧にキスしながら、もう一度ローションを足して、下に指を這わせた。

「んん……っ」
 びく、と背が反って、舌が外れそうになるけれど、また絡めとる。
 深くキスしながら、指を中に入れて、中を慣らしていく。

 前もローションを使ったから、割と容易く中に入れられたけど。
 今日は、中に入れると、きゅ、と締めつけてくる。

 ――――……あー……なんか。
 早く、入れたい。

 頭、おかしくなる位。
 のぼせてくる。


「……ッン、ぁ……っ……」

 中、前に感じたところを、探して動かしてると、びく、と大きく震える箇所を発見。繰り返して刺激してると、開いてた脚がビクビク震える。

「……んぁ、あッ……や……っ――――……ん、っふ……」

 焦ったみたいに喘ぐ唇をまた塞ぐと、甘えるみたいに、くぐもった声が漏れる。

 ――――……シャワー浴びに行って、オレと、するために、この人が自分でここに触れてたと思うと……しかもそれに気づかれた時の、あの顔。

 ああ、もうマジで、可愛いな……。

 二本に増やした指で、感じるところを刺激してあげると、一生懸命キスに応えながら、体が、震える。



しおりを挟む
感想 119

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

【Rain】-溺愛の攻め×ツンツン&素直じゃない受け-

悠里
BL
雨の日の静かな幸せ♡がRainのテーマです。ほっこりしたい時にぜひ♡ 本編は完結済み。 この2人のなれそめを書いた番外編を、不定期で続けています(^^) こちらは、ツンツンした素直じゃない、人間不信な類に、どうやって浩人が近づいていったか。出逢い編です♡ 書き始めたら楽しくなってしまい、本編より長くなりそうです(^-^; こんな高校時代を過ぎたら、Rainみたいになるのね♡と、楽しんで頂けたら。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

処理中です...