【愛じゃねえの?】~社会人*嫌いだったはずの先輩に恋する理由。攻めの後輩視点

悠里

文字の大きさ
上 下
193 / 274

◇また今度。※

しおりを挟む

「……あおい……」

 一度呼んだら。
 うわごとみたいに、名を繰り返して呼ばれる。


 ヤバい。
 死ぬほど可愛い。


「んっ……ン、ふ……っ」

 京都以来だけど。――――……男のモノ、触るとか。
 それでこんなに、興奮するとか。……あぁ、オレ。マジでヤバいな。

「陽斗さん……イきたい?」
「……っ」

 小さく頷いて、肩に、額を押し付けてくる。

「口が良い? 手が良い? ――――……オレのと、合わせる?」
「――――……っ」

 先輩は顔をあげて、オレをじっと見て。
 何て答えるかなと思ったら。「無理」と言った。

 ――――……無理って。
 ふ、と笑んでしまう。


「何、無理って? 嫌?」

 そう聞くと。む、と口を閉じて。
 それから。

「……っ選ぶ、とか……」


 ――――……ああもう可愛すぎる。
 思わず、よしよし撫でてしまう。

「じゃあちょっと――――……そのまま、感じててね」


 言って、下がって。 
 手の刺激でもう十分昂ってたそれに、キスした瞬間、びく、と震えて腰を引こうとした先輩。逃がさないで押さえつける。  

「――――……っや……」
 
 ゆっくり、舌を這わせてから、口の中に取り込む。
 あがった声は、そこで止まって、そのまま静か。
 ――――……多分、また唇、噛みしめてるんだろうな……と思いながら、続ける。


「……っふっ…………ん、あ、おい……」

 息も止めてそう。
 たまに、抑えた声が漏れる。
 
 その中で名前、呼ばれるとか。
 可愛くて、しょうがない。


「……っ……」


 少し顔を上げて、先輩に目を向けたら。
 口を手で塞いで、完全に顔を逸らして、強張ってる。

 可愛くて。
 もういかせてあげようと、刺激、強くすると。
 

「や……だ……っ……」

 焦ったみたいに、今度はこっちを見るけど。
 目が合った瞬間、かあっと真っ赤になって。ぎゅ、と目をつむった。


「……や、だ……はなし――――……」

 先輩は再び口、手で押さえて。
 オレに開かされた脚が、びく、と大きく震えて、強張った。


「――――……あ…………」

 はあ、と息を吐いて。
 すると、先輩、すぐに起き上がって。


「――――……っ」

 口元拭ってるオレの顔に触れて。じっと顔を見つめてくる。
 めちゃくちゃ涙目で。

「…………っっ」

 何か言いたいらしいけど、何やら言葉も出ないらしい。


「オレ、したくてしてるんですけど……」

 苦笑いが浮かんでしまう。

「そんな訳……」
「したくないこと、しませんてば」

「…………っ」

 目、潤みまくりで、泣いてる……。
 なんかもう、可愛すぎる。
 

「つーか、先輩のしてて、オレ、興奮するんだし。嫌な訳ないでしょ」

 そう言うと。先輩は、ふ、とオレの下半身に目を向けて。


「――――……じゃあ、オレも、する」
「え?」

「なんか、三上ばっかり」
「するって?」

「三上ばっかり、ずるい」

 ずるい??


「口で、するから」

 ――――……えーと。


「嘘でしょ?」

 え、オレはしたくてやったけど。
 先輩の口にこれ、入れるとか……無理過ぎるんだけど。


「何で嘘なの。貸して」
「え、貸してって――――……無理だってば」

 ズボン、少し下ろされて、先輩の前に――――……。

「ちょっと待って、マジで無理」
「ずるいだろ、オレばっかり、恥ずかしいしっ」

「そういう問題じゃないし」
「…………っ」

 むむむむー、と涙目。

「するからなっ」

 言って、意を決したような顔で、オレの肩をちょっと押して、

 口を寄せ――――……。 

「――――……っ」

 ぐい、とオレは、先輩を押し戻した。

「っまた、今度にしてください」
「……今度って、いつ――――……」

「とにかく、今日は無理」
「……っずる――――……」

 ずるい、と言おうとしてるらしい、先輩の唇を塞いで、深くキスする。


「……ん、っ……! んー!!」

 なんか、すごく、文句言ってる。が。

 つか無理。
 ――――……先輩の口に入れるとか、考えただけでも、無理。

 んな事されたら、今日、寝かせてあげない気がする。

 無理無理。
 明日仕事。


「――――……もっとゆっくり最後までできる時に、して?」

 絡めた舌を解いて、そう囁いた。
 また赤くなった、先輩にまた深くキスする。


「手で、触ってよ」

 また囁くと。よく分かんないけど、一応納得してくれたみたいで。
 恐る恐るといった感じで、手が触れてくる。


 触る位で、そんな可愛い感じのくせに、どーして口でするとか言い出すんだ。もー。ほんとに……。



 あー、もー、無理。













◇ ◇ ◇ ◇


(2022/3/26)







ちょっとお知らせ。見たい方だけ♡

近況ボードで書きましたが。
この2人がコンテストで優秀賞、頂きました(*´ω`)
いつも読んで下さって。ありがとうございます♡

しおりを挟む
★お読みいただきありがとうございました♡★楽しんで頂けてましたら、ブクマ&感想、おまちしてます♡(好き♡とか短くても嬉しいです♡)
他にもいろいろ作品ありますのでぜひ♡

【恋なんかじゃない】
【ドS勇者vsオレ】
【Fairytale】
【Staywithme】
【やさしいケダモノ】
【溺愛ビギナー】
【水色の宝石】
【オオカミ王子は エサのうさぎが 可愛くて しょうがないらしい】
【Promise】
【ありふれた恋の音】
感想 119

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...