189 / 273
side*陽斗 8 ※
しおりを挟む「……ん、………っ」
キス、深く、重なってきて。抱き締められて。
息が、感覚が、全部奪われてくみたい。
――――……三上が、好きだなぁ……。
心の中。なんか今、そんだけかもしれない。
「陽斗さん……」
名前を呼ばれて、何とか目を開けて、三上を見上げる。
見つめられて、ただ、じっと見つめ返すと。
「……続けて平気?」
「――――……」
頬に触れられて。優しい声。なんか甘い。ゾクと震える。
さっき、待てないって、言ったのに。
また聞いてくれるのか。
……苦笑い。
「……メって……」
「ん?」
「……ダメだって言ったら……やめんの……?」
「――――……」
そう聞いたら、数秒固まった三上は、クッと笑って。
「無理だね。やめない――――……じゃあ聞くなって事?」
三上が笑いながら言って。そのまま、首筋に舌が、這う。
ぴく、と震えると。
「……ほんと、可愛い」
囁かれたと思ったら、耳に舌が入ってきて。
急な刺激に、うわ、と思って離れようとしたけれど、いつのまにか回されていた手に阻まれて、少しも動けなくて。
「んっ……」
頭ん中に、直接水音が響いて、ゾクゾクしたものがいきなり体を駆け上がってるのに、その瞬間、乳首を摘ままれた。
「……ひぁ……っ」
こないだ、最中、散々触られて。そこがゾクゾクするのも、もう知ってる。
だめだ、これ……。始めて、そんな経ってないのに。
体、熱い。
一度も触れられても、ないのに、もう下半身、やばい。熱い。
三上に気付かれそうで、ばれないように、腰引こうとしたら。
耳から舌が外れて、ほっとしたのも束の間。頭を押さえていた手に、腰を抱き寄せられてしまった。
「……っ」
首筋を辿って、鎖骨、弱い所に舌が這って、歯で刺激される。
わー、もう、無理。
頭んなか、恥ずかしいのと、なんか、色んなので、ぐちゃぐちゃ。
三上の触れ方って。
そこ、やばいってとこに、すぐ触れてきて。
気持ち良い事しかしない、って。
何でオレの気持ちいいとこ、そんなに分かるんだ。
まだ、こんな風にするの――――……そんな回数、してない、のに。
「……ふ……っ――――……ぁ」
抑えようとしても。
声が、どうしても、漏れていく。
「……み、かみ……」
「――――……?」
呼んだら、三上がふと顔を上げて、オレを見つめた。
「ん? なに、陽斗さん」
目が合うと。
……愛しそうに、瞳が緩むから。なんか。それを見つめてると。
ずく、と、体の奥が、反応する。
「……なんか」
「ん?」
「……こないだより」
「うん」
「――――……気持ち、良いのが……」
「――――……うん?」
三上が首を傾げたのが、分かったけど。
「……やば、いんだけど……」
ちょっと、オレ、怖いと言うか。
……なんか1人ですぐいっちゃいそうで嫌なんだけど。
ほんとに言いたいのは、そっちだったけど、さすがに言えなくて、濁したら。三上は、オレをマジマジ見て。
それから、黙ったまま、自分の前髪を掻き上げて、そこで固まる。
「――――……めちゃくちゃに、抱かれたいの?」
見下ろされて、じっと見つめられて。
え。違うけど……と、びっくりして、三上を見つめてると。
「あーもう。……違うのは分かってるよ」
「――――……」
クスクス笑いながら、オレにキスして、
「だめだ、もう ――――……マジで、あんた、可愛いな……」
ちゅ、と頬にキスされる。
「……触るよ、陽斗さん」
「――――……っ」
手が、躊躇なく、ズボンの中に入ってきて。
下着の上から、なぞるように触れられる。
「……っ……」
「――――……なんか。めちゃくちゃ反応良いね」
嬉しそうに言って。そのまま、三上がまたオレの首筋に顔を埋める。
首筋吸われると、下が、ビクビク反応するのが分かる。
「――――……んん……っ……ッン……」
だから。
そんなに強く、されると。
ヤバいって、言いたかった、のに……。
涙が滲んできて。三上の服、握り締める。
(2022/3/20)
57
お気に入りに追加
1,251
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉
あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた!
弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?
赤ちゃんプレイの趣味が後輩にバレました
海野
BL
赤ちゃんプレイが性癖であるという秋月祐樹は周りには一切明かさないまま店でその欲求を晴らしていた。しかしある日、後輩に店から出る所を見られてしまう。泊まらせてくれたら誰にも言わないと言われ、渋々部屋に案内したがそこで赤ちゃんのように話しかけられ…?
ドS×ドM
桜月
BL
玩具をつかってドSがドMちゃんを攻めます。
バイブ・エネマグラ・ローター・アナルパール・尿道責め・放置プレイ・射精管理・拘束・目隠し・中出し・スパンキング・おもらし・失禁・コスプレ・S字結腸・フェラ・イマラチオなどです。
2人は両思いです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる