【愛じゃねえの?】~社会人*嫌いだったはずの先輩に恋する理由。攻めの後輩視点

悠里

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◇これから。

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 2人で向かい合って、朝食。
 幸せすぎ。とか思っていたら。

「三上、今日は歓迎会の打ち合わせだろ?」
「……そうですね」

 オレが一気にテンション下がったので、先輩は、苦笑い。

「……とりあえず今日は、どんな感じでいくか話し合ってきますよ」
「うん。楽しみにしてるから、オレ」

「陽斗さん、パーティ好きですか?」
「んー、まあ、あの余興付きのは有っても無くても良いかなーって感じだけど。三上がやるなら楽しみ」
「……じゃあ頑張ります」

 ちょっと……いや、かなり、浮上する自分に、現金すぎて呆れながら。

「明日は、陽斗さんは兄貴とだし、オレも祥太郎の店行くし。今日明日は夕飯は一緒に食べれませんね」
「そーだな……」

 特にそれ以上何も言わず、先輩はパンを頬張っている。

「――――……陽斗さんって、普段夕飯どうしてるんですか?」
「誰かと食べに行く事もあるけど……一番多いのは、帰り道の一本奥の道にある定食屋さん」
「定食屋なんてあるんですか?」
「うん。和食洋食あるんだけど、味も濃すぎないし、母親の料理みたいな店だよ。野菜も小鉢とかで色々食べれるし。メニューも色々変わるから飽きないし。そこで食べて帰る事が多い」
「へえ……そうなんですね」

「三上は?」
「1人だとあんま作んないけど、コンビニとかはやなので、祥太郎んとこ行ったり、同期とかと飲みに行ったり。牛丼は好きですけど」
「あ、そうなんだ」

 クスクス笑って、先輩はオレを見つめる。

「陽斗さんがうちに来てくれるなら、めっちゃうまいもの作りますよ」

 そう言うと、またオレを見て、顔を綻ばせる。

「――――……じゃあ今度、作ってもらう」
「うん。良いですよ、いつにします? 明後日は? ていうか、マジでいつでも、毎日でもいいですよ?」
「――――……」

 すごい勢いで約束しようとしたら、先輩にぷ、と笑われる。

「考えとくね」
「……はい」

 何だか可笑しそうに笑われてしまって、乗り出し過ぎたと、ちょっと反省して苦笑い。

「……陽斗さんて、土日とかは何してるんですか?」
「んー。何。何って言われると……大したことしてないかも。割と金曜は仕事遅くまでやってたり、あとは飲みとか約束でさ。とにかく帰りが遅くなる事が多いから、土曜の午前は寝てる事が多いかも……何となく午後から友達と予定入れて出かけたり、飲みに行ったりかなあ。家で仕事してる事も結構あるし」

「陽斗さん」
「ん?」

「もし、良かったら」
「うん」

「1カ月はなるべくオレと居てくれませんか?」
「――――……」

「陽斗さんと遊びに行きたい所、いっぱいあるので」
「遊びに行きたいの? オレと?」

「はい」

 頷くと、先輩は、クスクス笑う。


「そっかー、遊びにか……」

 少し黙って、コーヒーを飲んでから。


「いいよ」

 笑みながら、そう言って、オレを見つめる。


「何して遊ぶ?」
「色々。――――……色んな事したいから、プレゼンします」
「プレゼン?」
「行きたいとこ、選んでもらう」
「はは。何それ。……じゃあオレも、三上と行きたいとこ考えとくね」

 コーヒーを飲みながら、何気なくそんな風に言ってくれるのが、すっげー嬉しいし。


「遊ぶのも良いけど……疲れたら休んでいいから」

「休むのも陽斗さんと休むから」


 即答で返すと、先輩はすぐ苦笑いを浮かべる。


「――――……どんだけなの、三上」




 ちょっと困ったみたいな顔で、でも、ふわ、と笑うのも、すげー好きかも。






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