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◇朝から。

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「……ん……」

 スマホのアラームが鳴った時。
 腕の中で先輩がモゾモゾ動いた。

 オレがアラームを止めると、止まった事を不思議に思ったみたいで、先輩は、え、と顔を上げた。

「あ。三上……」

 先輩は、オレの腕の中に居ると気づいて。
 きゅ、と唇を噛んだ。

 恥ずかしそう。
 ……かわいー。

「陽斗さん、おはようございます」
「うん……おはよ……」

 ぎゅ、と一度抱き締め直してから、ちゅ、と頬にキスした。

「――――……」

 先輩はマジマジとオレを見つめて。今キスされた自分の頬に手を持ってきて。

「ていうか、三上って、タラシすぎじゃないですか?」
「何で敬語……」

 可笑しくて笑うと、先輩も、ふ、と吹き出して。

「もうほんと……朝から、タラサないでよ」
「タラサないでって……だって先輩が可愛いから」

「可愛くないって。今寝ぼけてて、目覚まし勝手に止まったからびっくりしてただけじゃん……」
「だから可愛いんじゃん……」

「――――……」

 こいつに何言ってもダメだな、と悟ったような、面白い顔をしてオレを見てから、先輩はムクっと起き上がった。


「起きよ?」
「はい。――――……陽斗さん」
「ん?……?」

 オレは手を伸ばして先輩の髪の毛に触れる。

「……?」
「なんか、髪の毛、ポワポワしてて可愛いなあーと」

「寝起きなんだから、当たり前」

 ナデナデしてると、その手を掴まれた。
 そのまま引き下ろされる。

「もう、恥ずかしいって」

 言う先輩が、オレの手を掴んだままなので、まるで手を繋いでいるみたい。

「ん。――――……まあこれはこれで、手ぇ繋いでるみたいで良いですけど」
「え? ……あ」

 先輩は、ぎゅと掴んでた手に気付いて、ぱ、と離す。


「……三上」
「はい?」

 クスクス笑っていると、じろ、と睨まれた。


「あんまりハズイと、オレ倒れるからな」
「――――……倒れちゃうの?」

「血管とか、なんか色んなのが破裂して倒れる」
「何それ、陽斗さん」

 ……面白すぎる。

 そのまま腕を掴んで引き寄せて、ぎゅ、と抱き締めた。


「……それ位ドキドキしちゃうってことですか?」

 ワザと耳元で、囁くと。
 遂に耐えられなかったのか、かああっと耳まで赤くなったかと思うと。

「……っ」

 そのまま、ひしっとしがみつかれて。

「陽斗さん? 顔、見えないんですけど……」
「っわざとだよっ! もう……!」

 顔を見せないようにしがみついたんだろうけど、それは恥ずかしくないのかな?
 耐えきれなくて抱き締めたまま笑ってると、腕の中から不愉快そうな声。

「もう、三上、そんな笑うな。揺れててムカつく」
「――――……だって。可愛くて」

 スキンシップ、慣れてないなあ……。
 ――――……女の子にしてこなかったのかなぁ?
 照れてやってなかった、て感じかな。

 …………てか、オレもこんな甘々な事してンの、初かもしんないけど。


「……つか、朝から、恥ずかしすぎる」
「――――……慣れて下さい」

 クスクス笑いながら、オレがそう言うと。


「慣れる気、しない……」

 呟いてる先輩が。
 マジで可愛いんだけど。……マジで、朝から、どーしたら。







(2022/3/2)

皆様♡♡
嬉しいお知らせが!
今日ね、「愛じゃねえの?」の表紙を頂いたんです♡
まちばさん♡が描いてくださいました♡
まちばさんのイラスト、優しくて可愛くてカッコよくて大好きなんです♡
ここを更新した後、表紙、差し替えますね♡(^▽^)
ブログにも、どどーんと貼ろうと思ってます。おっきく見えるので♡
ぜひぜひ、表紙とブログ、更新出来たらご覧くださいませー(≧▽≦)♡
by悠里♡

 
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