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番外編【バレンタイン🍫ミニ小説】2/4
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通知が行かないと思うので、通常の更新と順番に、最新話の所に更新してます。
バレンタインが終わったら、並べ替えますね♡
◇ ◇ ◇ ◇
【side*陽斗】
パソコンから顔を上げて、ふー、と息を吐いた。
外回りが忙しすぎて、結局三上に何も連絡できなくて。
会社に戻って報告書類作成中。佐々木さんは、21時半すぎた時点で先に帰した。
あと少し――――……。明日にしてもいいけど、今日できなかった仕事があるから、こっちはなるべく今日終わらせたいしな……。
夕飯は、コンビニでおにぎりを買ってきて、書類を作りながら食べたけど。
コーヒー飲みたいなー……。
もう少しかかりそうだし買いに行こう、と立ち上がって、休憩室に向かった。
エレベーターの中でスマホを開くと、三上から連絡が来ていた。
気を付けて帰って、か――――……。
顔が少し綻ぶ。
まだ会社って入れたら、心配しそうだな。家帰ってから、連絡しようかな。
なんて思いながら、エレベーターを降りる。
「陽斗?」
休憩室の階のエレベーターホールで、志樹と遭遇。
「あ、お疲れ。志樹もまだ居たんだ」
「ああ。今コーヒー飲んでて――――……ああ、そうか、外回りに駆り出されたんだよな? 書類作ってた?」
「うん。……ていうか、オレが駆り出されたの何で知ってんの?」
「今日、そっちの営業部に用事があって行ったんだよ」
「ああ、部長とかに聞いた?」
「いや。それも聞いたんだけど、それより前に、女子社員達がドアんとこで騒いでた」
「――――……どうゆうこと?」
「三上くんは頑なに受け取ってくんないし、渡瀬さんは1日居ないらしいし、って、騒いでたんだよ」
「――――……何の話?」
意味が分からなくて、可笑しそうに笑ってる志樹を見つめると。
志樹は、クスクス笑いながら。
「――――……今日バレンタインだけど。忘れてるだろ」
「え。……ああ、そっか、今日だっけ……。三上は受け取んないし、って何?」
「好きな人が居るから受け取れないって、断ってたらしいぞ。去年は全部受け取ってたらしいのに」
「――――……」
「……誰かから欲しかったのかもだけど、まあ今日はしょうがねえよな」
志樹がクスクス笑ってる。
「――――……あー…… うん」
しょうが、ない。
……ていうか、忘れてた。
バレンタイン、か……。
「じゃあコーヒー買って、戻るから。またね、志樹」
「ああ。無理すんなよ」
「うん。志樹もねー」
志樹と別れてコーヒーを買って、業務室に戻る。
机に戻って、パソコンを開いて――――……。
パスワードを入力して起動を待つ間。ぼんやりと、考える。
……好きな人て。……オレ、だよな?
――――……断って、くれてたって事か。
別に。三上がチョコ貰っても、何も思わないし、何も言わないけど。
――――……断って、くれてた。か。
好きな人が居るからって。
「――――……」
何だか、たまらなくなってきて、時計を見た。
22時半か――――……。
少し迷ったけど。
パソコンの電源を落として。
机を急いで片づけて、立ち上がる。
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◇ ◇ ◇ ◇
【side*陽斗】
パソコンから顔を上げて、ふー、と息を吐いた。
外回りが忙しすぎて、結局三上に何も連絡できなくて。
会社に戻って報告書類作成中。佐々木さんは、21時半すぎた時点で先に帰した。
あと少し――――……。明日にしてもいいけど、今日できなかった仕事があるから、こっちはなるべく今日終わらせたいしな……。
夕飯は、コンビニでおにぎりを買ってきて、書類を作りながら食べたけど。
コーヒー飲みたいなー……。
もう少しかかりそうだし買いに行こう、と立ち上がって、休憩室に向かった。
エレベーターの中でスマホを開くと、三上から連絡が来ていた。
気を付けて帰って、か――――……。
顔が少し綻ぶ。
まだ会社って入れたら、心配しそうだな。家帰ってから、連絡しようかな。
なんて思いながら、エレベーターを降りる。
「陽斗?」
休憩室の階のエレベーターホールで、志樹と遭遇。
「あ、お疲れ。志樹もまだ居たんだ」
「ああ。今コーヒー飲んでて――――……ああ、そうか、外回りに駆り出されたんだよな? 書類作ってた?」
「うん。……ていうか、オレが駆り出されたの何で知ってんの?」
「今日、そっちの営業部に用事があって行ったんだよ」
「ああ、部長とかに聞いた?」
「いや。それも聞いたんだけど、それより前に、女子社員達がドアんとこで騒いでた」
「――――……どうゆうこと?」
「三上くんは頑なに受け取ってくんないし、渡瀬さんは1日居ないらしいし、って、騒いでたんだよ」
「――――……何の話?」
意味が分からなくて、可笑しそうに笑ってる志樹を見つめると。
志樹は、クスクス笑いながら。
「――――……今日バレンタインだけど。忘れてるだろ」
「え。……ああ、そっか、今日だっけ……。三上は受け取んないし、って何?」
「好きな人が居るから受け取れないって、断ってたらしいぞ。去年は全部受け取ってたらしいのに」
「――――……」
「……誰かから欲しかったのかもだけど、まあ今日はしょうがねえよな」
志樹がクスクス笑ってる。
「――――……あー…… うん」
しょうが、ない。
……ていうか、忘れてた。
バレンタイン、か……。
「じゃあコーヒー買って、戻るから。またね、志樹」
「ああ。無理すんなよ」
「うん。志樹もねー」
志樹と別れてコーヒーを買って、業務室に戻る。
机に戻って、パソコンを開いて――――……。
パスワードを入力して起動を待つ間。ぼんやりと、考える。
……好きな人て。……オレ、だよな?
――――……断って、くれてたって事か。
別に。三上がチョコ貰っても、何も思わないし、何も言わないけど。
――――……断って、くれてた。か。
好きな人が居るからって。
「――――……」
何だか、たまらなくなってきて、時計を見た。
22時半か――――……。
少し迷ったけど。
パソコンの電源を落として。
机を急いで片づけて、立ち上がる。
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