165 / 274
◇どんだけ
しおりを挟む「イメージ通りかも」
オレの部屋に入った先輩は、クスクス笑いながら、そう言った。
「そうですか?」
「うん」
「良いイメージ?」
「うん。良いイメージだよ」
「なら良かったですけど」
言いながら、さっき、貸すからと約束した部屋着を取ってきて、先輩に渡す。
「これ、どうぞ。先にシャワー浴びちゃってくださいね」
「うん」
先輩が荷物を開けて、シャワーの準備をするのを待ってから、バスルームに案内した。バスタオルを棚から取って、はい、と渡す。
「オレ、布団とか用意しとくんで、ごゆっくり。あ、バスタブつかります?」
「ううん、シャワーでいいよ。ありがと」
「はい。じゃあいってらっしゃい」
先輩をバスルームに残して、ドアを閉める。
寝室に向かいながら。
――――……なんか。先輩がオレんちに居るとか。
……さりげない顔して、平静を努めてやりとりをしているけれど。
なんだか、本当にすごいコトな気がする。
先週の金曜の出張まで、2人でプライベートを一緒に過ごすとか、考えた事も無かったし。
「――――……」
布団をクローゼットの奥から出して、オレのベッドの横に置いて、更にシーツと布団と枕も出して、重ねていく。
後で、ここで、先輩と寝るのか。
――――……つか、結構……アレだよな。
忍耐力を鍛える試練、みたいな気もするけど。
……仕方無いか。先輩が困る事はしないって、オレ言ったしな。
まあそういう事無しでも。一緒に居られるって思うだけで、こんなに嬉しいというか、気分がすげえ上向くと言うか。
冷たく対応されてた時から、今となっては、嫌いになれない自分に余計、ムカついてた気がするけど。
――――……普通に笑ってくれて話してくれるようになったら、途端にこんなに好きってなるって。なんかもう。
もとからどんだけ好きだったんだろうって話……。
話すようになってすぐ、2泊3日とか一緒に過ごしたからこうなったんだろうか。もし、あそこの2泊が無かったら、こんな風にはなってねーのかな。
「――――……」
布団を整えながら、ふとそんな事を思って少し考えたけど。
よく考えたら、入社してからすぐ今みたいに話してくれてたら、2年前からとっくに迫ってた気がするし。
こないだの金曜にもし泊りが無かったとしても、話せるようになっていたら、飲みに誘ったりして、仲良くなって。……そしたら、やっぱり迫ってただろうし。
てことは、多分、どーやって時間を過ごしたとしても、きっとどこかで、今の状態になってた気がする。
出会い方とか、過ごし方とか。ただのノリとかタイミングが合ったとかそういう事じゃなくて。
きっとどこかでいつか、先輩の事、こういう意味で好きになって、今みたいに、求めただろうなあとか。
改めて、そんな風に考えてみたら。
ちょっと笑えてきてしまった。
…………どんだけ、陽斗さんの事、好きなんだ、オレ。
56
★お読みいただきありがとうございました♡★楽しんで頂けてましたら、ブクマ&感想、おまちしてます♡(好き♡とか短くても嬉しいです♡)
他にもいろいろ作品ありますのでぜひ♡
【恋なんかじゃない】
【ドS勇者vsオレ】
【Fairytale】
【Staywithme】
【やさしいケダモノ】
【溺愛ビギナー】
【水色の宝石】
【オオカミ王子は エサのうさぎが 可愛くて しょうがないらしい】
【Promise】
【ありふれた恋の音】
他にもいろいろ作品ありますのでぜひ♡
【恋なんかじゃない】
【ドS勇者vsオレ】
【Fairytale】
【Staywithme】
【やさしいケダモノ】
【溺愛ビギナー】
【水色の宝石】
【オオカミ王子は エサのうさぎが 可愛くて しょうがないらしい】
【Promise】
【ありふれた恋の音】
お気に入りに追加
1,285
あなたにおすすめの小説






【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる