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side*陽斗 3※

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 なんか。
 ――――……やばそう。


 昨日もだったけど。三上って、やり方、うまくて。
 ――――……する事全部、気持ち良くて。


「……それ、使ったら――――……」
「ん?」

「……おかしくなりそうだから……やだ…」
「――――……嫌ならやんないですけど……」

 ちょっと残念そうな三上に、オレは首を振りながら、嫌だ、と言った。
 すると三上は、分かりましたと言って、それを横に置いた。

「最後だけにしますね。ちょっと残念だけど」

 残念そうに、そんな風に言われて。
 言い訳を言いたくなってしまって。
 
「…………だって……ただでさえ、気持ちいい、のに――――…… そんなの、したら……困るし」


 そう言ったら。
 オレを見てた三上が、ぴたっと完全に、固まった。


「――――……………………」
「…………? みかみ……?」

 しばらく無言の三上。
 ひたすら待ってると。


「……オレ何回も言ってるんですけど……」


 はあ、とため息を付かれてしまう。


「……もうちょっと考えてくれます?」

 顎を捕られて、視線をまっすぐ合わされる。

「恥ずかしがるならそっちで行ってくれれば我慢するのに……何で急に、煽るのかな……」
「――――……」

 オレ、何か、言ったっけ、今……。
 何言ったっけ……??


「今、何言ったか、自分で分かってないんでしょ……」

 ……何で分かるんだ。


「ほんとに、もー…………」

 頬にちゅ、とキスして、三上はオレを見つめた。


「ただでさえ気持ちいいのにそんなのしたら困る、とか言いましたよね」
「――――……」

 ……言った。

「ただでさえ気持ちいい、とか――――……ほんと言わない方がいいよ」


 じっと見つめられる。


「……ごめん――――……聞くのやめる」
「……え?」

「死ぬほど気持ちよくしたいから。聞いてたら半端になりそう」
「え。……え」

 
 言われた言葉を理解するよりも早く、枕に背を沈められて。
 三上の唇に、深くキスされた。

 舌がいきなり深く絡んで、容赦がない、キス。
 ドクドクいってる胸がさらに弾む。


 少し離されて、熱っぽい瞳で見つめられて。


「……こっからもう、任せて」


 三上はそう言うと同時に、キスしてきて。今度は、離れない。



「……っ――――……」
  


 任せて……。
 ――――……任せて、だって。


 はー。なんか。
 ――――……胸が、痛い。



 手を伸ばして、三上の肩に、触れて。
 そこから、その首に腕を回して、ぐ、と更に引き寄せた。

 

 ……任せる、って、意味込めたんだけど。
 ――――……分かった、かな……。


 すぐ、より深くキスされて、クラクラしてくる。


「っ……ん、……」
「――――……陽斗さん……」


 ぼやけた頭のどこか遠くで、ぱち、と音がして。
 

「……? ……ん……」

 不思議に思ったけれど、キスに翻弄されまくって、ただ三上に抱き付いてると。 するりと、浴衣の腰ひもが解かれて。開かれた。

 うう。すっごい、恥ずかし――――……。

 思った瞬間。
 ぬる、とした感触が胸に走って、乳首に強い刺激。

「……ひぁ……っ……やっ――――……」

 悲鳴みたいな声が出てしまった唇を、また塞がれる。
 声が奪われたまま、しつこく、胸触られる。


「……んん、ぁ…………っ……ふっ ……」


 舌が絡んで、声は、まともに出せない。


「…………ンっ……」

 体が勝手に、びくびく、震える。
 キスしたまま、声が、漏れる。


 する、と首から落とした手で、三上の二の腕を、掴むけど。


 ――――……なんだか、力、入らない。
  


 キスされたまま、胸を刺激され続けて。
 何でそんなとこで、こんなに頭の中、白くなっちゃうんだろ……。








(2021/11/3)


次から蒼生に戻ります(*´ω`)

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