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◆番外編◆
「好きって言葉」
しおりを挟む「お待たせ彰。遅くなってごめんね」
「え、そう?」
時計を見ると、確かに十分位はオーバーだけど。
「全然大丈夫。ていうか、忙しそうだったね。お疲れ、仁」
そう言うと、仁は嬉しそうに笑って、オレの隣に立った。
「ていうかさ、優奈ちゃんと話してたでしょ」
「あ、見えた?」
「うん、急いで上がろうと思ってた時、外見たら、見えた」
「そっか。うん。仁くんのお兄さんですよねーって近づいてきたよ」
「よく覚えてたね」
「前に来た時、少し話したからかなぁ……あ、仁、どこ食べに行く?」
「駅前に行く? 彰、戻ることになっちゃうけど」
「んー、ラーメンとかでいいなら、家帰る途中のとこに寄る?」
「それでもいいよ。そーする?」
「うん」
家方面に向けて歩き出しながら、仁がオレを覗き込む。
「何話してたの?」
「ん? んーと……仁に、彼女ができたのかって」
「……? 彼女?」
不思議そうな仁の顔に、ふ、と笑んで、オレも仁を見つめ返した。
「仁が一時すごく落ち込んでて、その後浮上したから……彼女ができたんじゃないかって、噂なんだって」
「噂なの? 聞かれたことないけど。ていうか、落ち込んでたこともバレてんのか……」
「仕事はちゃとしてたけどって言ってたよ」
クスクス笑ってしまう。
「バレバレなの、恥ずかしいな……何でオレに聞かないで彰に聞くんだろ」
「直接聞いて、彼女出来ました、とか言われたくないんじゃない? そんな気がしたよ?」
「……そう??」
「アイドル的な存在なんですかねぇ、仁くんは」
クスクス笑いながらオレが言うと、仁も、クスクス笑いながら。
「何その言い方。別にオレ、アイドルなんかじゃないよ」
「そうかなあ? お客さんたちにとっても、アイドルじゃないの?」
「んー……よく話しかけられるけど、ちょっと、あれはなぁ……まっすぐ厨房に戻れない時があってさ」
「うん。なんかこないだ見てた時も、確かにそんなだったね」
「用無いのに話しかけられて、きゃあきゃあ……女子高生なんて、そういう生き物なのかも」
……ていうか、カッコよくなかったら、女子高生も、しないからね?
仁がカッコいいからしてるんだと思うんだけど。
「……ほんとさ。モテる奴を好きだと、少し心配になるのはしょうがないよね」
やれやれ、と思いながら、オレが思わずつぶやくと。
仁から返事が返ってこない。
あれ? と思って、隣の仁を見上げると。
「――」
何だかものすごく見つめられていて。
「何?」
聞くと、仁は、何じゃないよ、と苦笑い。
「……さらっと、好きとか、言ってるし。……もー。襲うよ?」
「な……」
言われたことを理解すると同時に、かぁっと赤くなってしまう。
「――ていうかさ。もう……好き……とかは、知ってるじゃん」
「知ってるけど、なんかこうさ。普通の会話の時に、さらっと言われると、なんかね。すごい嬉しいの。分かる?」
「……分かるけど。こんなとこでさ」
「うん」
「おそうとか、言わないで」
ものすごく小さな声でオレが言うと、仁はクスクス笑って、頷いた。
「でもほんとに思ってるんだけどね」
「……もっとまずいでしょ」
「そう?」
うん、と、オレが思い切り頷くと、仁はふ、と笑んで、肩を竦めさせる。
「あ、そだ。書類、貰ってきたよ」
「あ、そか。ありがと」
「うん。講師としての契約書だって」
「そっか。春休みはサポートだったもんね」
「うん」
ふと、塾でのことを急に思い出した。
「そうだー、仁に言っときたいんだけどさ」
「うん?」
「さゆり先生にね、今日、恋人出来たか聞かれたんだよ」
「うん……って、何で?」
頷いてから、ん?と、仁も首を傾げる。
「ウキウキしててニコニコしてて……でもたまに、色っぽいため息ついてるから、だって……」
オレが嫌々そう言うと、仁はプッと笑い出した。
「何それ。彰は今、塾でそうなの?」
「違うよ、オレそんなに顔に出してないんだよ。さゆり先生がスッゴイ鋭いの」
「あぁ。なるほどー。そういうことかぁ」
すごい鋭い。
というか……さゆり先生が鋭いのか、オレが、駄々洩れすぎているのどっちなんだろう。
「塾では、きわどいこと、いっさい無しね? どこで生徒とかに見られるかも分かんないし」
「――――」
仁は返事をしない。
「仁くん?」
何気なく、そんな風に呼んでみた。
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一気に読んでしまいました。
年下攻めの好きな私にはグッときました。
彰のネガっぷりは奏斗に近いようでいて、
好きになっちゃいけないとか、
やっぱり義兄弟だからで逃げるのとか
なかなか進展せず切なくてじれじれしました。
最後にはハッピーエンドと判っていても、
何でここでこうなると心配しつつ。
くっついてからの甘々な感じもすごく良かったです。
okihiku-yukihiyoさま♡
いろいろ読んでくださって、本当にありがとうございます~(^o^)🩷
そう言われてみると、私、年下攻めが好きなのかも……多いかもしれませんね(*´艸`*)💕
気に入っていただけて嬉しいです🩵
確かに彰も奏斗も後ろ向きなとこが……笑 理由はそれぞれ違いますが考え方が💦笑
どっちもそういえば、攻めくんが頑張ってる! これも好きなのかも……と今思いました(*´艸`*)
ありがとうございます♡ ここからはもう、ほのぼのな世界です…✨
わぁい仁と彰だ久しぶり~(´∀`*)ウフフ
二人して同じこと思ってたんだな(/ω\)そんな心配無用なのに~(´∀`*)ウフフ
しかしダサい恰好てどんなん(≧▽≦)(・・?
kuronekoさま♡
お久しぶりです(すみません~)
なかよしな二人、久しぶりにで楽しいです(*´艸`*)。
ダサいかっこ……。うぷぷ(*´艸`*)笑 すごい色とか柄の服をきちゃうとか……?笑
本当に良かったです。
中々くっつかなくてあれ?このままくっつかないの、、?え?ハッピーエンドって書いてた気がするけど、、泣って思いながら読んでました笑
でも最後にたくさん仁が彰に好きって言われてて良かったねって思いました笑
本当にこの作品に出会えて良かったです。
みんさま♡
ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ
私、ハッピーエンドしか書きませんので、そこはご安心ください(*´ω`*)
彰はあそこまでいかないときめられなかった、 という感じです(*´艸`*) でももう覚悟、決めたので♡
出会ってくださって良かったです。そんな風に言ってくださって、ありがとうございます…嬉しいです( ノД`)💕💕✨