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◆Stay with me◆本編「大学生編」
「好き」
しおりを挟む「……キスしにくいから立って」
そんな風に言われて、腕をとられるままに立ったら、きつく抱き締められて。
めちゃくちゃ舌が絡む、深いキスをされた。
「……ん、ン……っ……」
深すぎて。息、出来ない。
仁との間に、少しの隙間もないみたいに抱き締められる。
頭の中は、ぼうっとして、もう浮いてるみたいな感覚。
「……じ、ん……」
唇が触れあったまま、仁を呼ぶ。
まだ、仁と、こんなキスしていいのかなと、頭の端っこにはあるのだけれど。
少しだけ唇を離して、オレを見つめた仁は。
本当に嬉しそうに笑っていた。
「……彰、オレの事、好き?」
「――――」
つい、さっきまで、絶対無理だって思ってたのに。
絶対――――仁とそんなことには、なれないって思ってたのに。
キスして抱き合ってるなんて、嘘みたいだけど。
だけど。
……ほんとに、好きだって、思ってしまう。
好きだと、完全に認めてしまったら。
信じられない位、好きな気がしてくる。
「――――」
仁の真直ぐな瞳を見つめたまま、うん、と頷くと。
仁は、ふ、と瞳を緩ませて。頬に触れた。
ちゅ、とキスされて、唇に触れたままで。
「好きって、ちゃんと言ってよ」
仁が囁く。
「……好き……だよ」
もう認めてしまったら、抗えなくなって。
……もう、離れたく、なくて。
「……仁……」
名前を呼んだら、くす、と笑って。
まっすぐ見つめてくる。
「……そのまま、好きって繰り返してて?」
と、仁が言う。
「え?……ん っ……」
また深い、キス。
そのまま、繰り返して……??
「……っ…… 好き……」
熱いキスの間で。すこし離れるたびに。
言われた通り、繰り返す。
――――好きって。
……言いたかったんだって、思い知った。
言えるのが――――嘘みたいに、嬉しい。
「……じんが…… ……好……」
何度目かに言おうとしたら――――。
めちゃくちゃ、深くキスされて、塞がれた。
「んっ ……っ?」
息、出来なくて、んん、と半分、喉の奥で、悲鳴。
「……ふ、っは……なに ……」
「やっぱり無し。なんか……おさまりがつかなくなりそう」
「……っ……」
熱っぽい、仁の表情。
昔キスされてた時の仁を、思い出す。
あの時から変わらずに、
好きで、居てくれたんだなと思って。
胸が、締め付けられるみたいで。
重なってくるキスを、受ける。
「……彰…… おさまんなくなって、いい?」
「――――」
「……もっとめちゃくちゃ、キスして……触って、いい?」
そんな風に言われて躊躇ってしまうのは、オレがいけないんだろうか。
でも……キスはできるけど。
それ以上、仁はほんとに、できるのかな……とか。 考えてしまう。
「……嫌? 彰」
「……嫌なんじゃ、なくて……」
「なくて、なに?」
抱き締められたまま、頬に手が触れる。言葉の先を促すみたいに唇に触れられる。
「……仁て……男……触った事ない、よね?」
「……ないよ」
「――――」
「っあのさあ。まさかと思うんだけど」
「――――」
「男に実際触ったら萎える、とか。言おうとしてる?」
「う――――」
めちゃくちゃのぞき込んでくる瞳から、思わず視線を逸らすと。
仁は、はーーーーー、と大きなため息をついて。
がっくりと、オレの肩に額を沈めた。
あ。やばい……かな。
うー……ごめん……。
「……マジで、ほんとに分かってないな、彰」
ぼそ、と呟かれて。
瞬間。ふわ、と体が浮いた。
「っ……?」
「――――じっとしてて」
仁の肩に乗せられるみたいな形で抱き上げられていて、
そのまま軽々運ばれて、仁の部屋のベッドに下ろされた。
……っ…… オレ、一応、普通の男、なんだけど。
軽々運ばれ過ぎて、恥ずかしさに、目がくらむ。
うろたえてる間に、押し乗られて。
じっと、見つめられる。
「……っ……」
ベッドの上で、上に仁が乗ってて。
見下ろされる、とか。
胸が。
……ドキドキして、痛すぎる。
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