【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

文字の大きさ
上 下
236 / 236
第2章

◇バブルバス*圭

しおりを挟む
◇ ◇ ◇ ◇



「わぁーめっちゃいいね、これ」

 帰ってきて、玄関で話してたオレ達は、とりあえずお風呂に入ることにした。
 今日はなんだかとっても健康的に遊んだし、色々疲れたし、結構汗もかいた気がするし、ゆっくりお湯に浸かろうってことになった時、高瀬が何かを思い出したように持ってきたのは、お風呂に入れるバブルバスだった。絵奈ちゃんから貰って、でも一人で使う訳が無く、そのまま持ってたものだって。

 それを入れてから、お湯を勢いよく出してモコモコにした。

 めちゃくちゃもこもこの泡でお風呂がいっぱいになってから、オレ達は一緒に洋服を脱いで、バスルームに。
 もちろん、飲む用のお水も持って。

 ざっとシャワーを浴びてから、バスタブに入ると、バスタブに背中をついて向かい合う感じに座った。脚は伸ばし合って、ちょっとお湯の中で触れてる感じなので、ちょっとドキドキするけど。

「なんかこの泡、思ってた以上にモコモコだよね」

 ふわふわの泡を手でフワフワ遊びながら、息で飛ばすと、シャボン玉がふわっと飛んだりする。

「すごーい。女の子、好きそう」
「……ていうか、こうして出してみたら、ますます思ったんだけどさ」
「うん?」
「――ほんと、これ、オレにくれて、一人で何しろってつもりだったんだろ、絵奈……」
「――えーと……そう、だねぇ……?」

 んー、と少し考えてから。
 こらえきれず、ぷぷ、と笑ってしまうと、ん? と高瀬がオレを見る。

「高瀬がね、一人で、この泡にモコモコされてる図を想像してみたら、大分面白かった」

 あはは、と笑いながら言うと、「……シュールだよな」と高瀬も笑う。

「あ、でもなんかオレは一人でも、楽しめそうな気もする」

 どうやって入るかなあ。一人だったら、と少し考えてもみるけれど。

 まず、泡を飛ばして遊んで。それから、体中、泡まみれにしてみて……でもって、それもまた、ぱたぱた振って飛ばして……あと、お湯をぐるぐるかきまぜて、限界まで泡を作りたい。どこまで、泡ができるのか。

 ――って、すらすらこういうのが出てくるのって、オレ、子供じゃないのにどうなの。
 と思った瞬間。高瀬が、ふ、と笑って、ちょっと口元を押さえた。

「え?」
「あ、悪い――」
「ん? なになに?」

 クックッと笑い続ける高瀬。

「何でそんなに笑ってるの?」
「いやなんか……泡、もっこもこにして――もこもこの怪獣とかになって、楽しそうにしてる織田が、なんか浮かんじゃって……ごめん、我慢できなかった」
「ちょっとー!!」

 なんだよそれー、なんかめっちゃアホみたいじゃん!

「ていうか、オレの想像のオレをさらに超えてくるのやめてください」
「あれ、考えなかった?」
「怪獣なんて、考えてないし!」

 まあ確かに、体中泡まみれにしたっていう時点で、高瀬の言った怪獣にはなってるかもしれないけど。と考えると、なんか、考えてること、バレてるみたいで、ちょっと、恥ずかしい。
 
 オレは攻撃、とばかりに、泡をすくって、高瀬の方に、ふーっっ! と吹いた。
 笑ってた高瀬の髪に、ふわふわの泡がのっかる。

「わー、高瀬、泡乗ってるの、可愛いかも」

 ふざけてやったのだけれど、予想外に可愛すぎる。
 可愛くないし、と高瀬が苦笑して、それから、高瀬も泡を両手に乗せると、ふう、とオレの方に吹いてきた。

 オレはちょっと期待して、泡がのっかるのを待っていたのだけれど、あれ、全然乗ってこない。ぽたぽた、目の前で落ちてく。

「ちょっと、だめですよ、高瀬さん、もっと、思いっきり吹いてくれないと、オレに乗らないじゃん~」
「乗せてほしいの?」

 高瀬は、クックッと笑いながら、また吹いてくる。
 頭上から降ってくる泡がなんかキラキラして、「なんか綺麗だねえ」と呟く。


「――オレ絶対、織田とじゃ無かったら、こんなことしてないけど……」
「ん」

 そんな気もする。

「織田とするのは、やっぱ――色々好きになるかも」

 目の前の。泡が乗ってても、ひたすらカッコいい人は。
 まっすぐにオレを見つめて、そんなことを言う。



 うう。またしても……ときめきすぎて、心臓が、きゅう、って痛い。














しおりを挟む
感想 72

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(72件)

okihiku-yukihiyo

かっこいい高瀬とかわいい織田、
お風呂でいちゃいちゃたまりません。。
俊兄との夕食&飲みも楽しみですし、
社員旅行も楽しみすぎます。

2024.12.22 悠里

okihiku-yukihiyoさま♡

わー、ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ🩷
この二人は、なんかほわほわといちゃいちゃで(´∀`*)ウフフ💕
楽しみにしてくださって嬉しいです。俊にいと約束しなくっちゃ🥰💞✨
旅行もどこにしようかな~(´∀`*)ウフフ🩷 温泉~✨

解除
iku
2024.11.30 iku

悠里先生〜💕

こちらにも🙏可愛い素敵なおふたりが💕

キュン◯👼🪽
大丈夫だったかな?🤭

愛し合うおふたりのお風呂っていいですねぇ🤤
泡で🫧イチャイチャ妄想をしておきま〜す🩷

2024.12.01 悠里

ikuさま♡

こちらにも🩷 こちらこそありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ
泡で楽しいお風呂……。
基本、圭はきゃっきゃってしてて、高瀬は、あーかわいいなあ、と、微笑んでる感じです(*´艸`*)

解除
綾
2024.07.28

2人の続きが読めて嬉しかったです。
他の人たちとの絡みも楽しみにしてます。

2024.08.17 悠里

綾さま♡

コメント、ありがとうございます~ヾ(*´∀`*)ノ
またぼちぼち続けていきたいので(*´ω`*) また読んで頂けたら嬉しいです💕✨

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~

TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ! 東京五輪応援します! 色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

からかわれていると思ってたら本気だった?!

雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生 《あらすじ》 ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。 ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。 葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。 弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。 葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。