【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

文字の大きさ
上 下
222 / 236
第2章

◇やきもち?*圭

しおりを挟む

 寝室に入ると、高瀬が小さい電気をつける。
 ベッドに腰かけた高瀬に引き寄せられて、高瀬の上に向かい合わせで座らされる。少し下にある高瀬の顔。見上げられると、どきん、と胸が痛い。

「織田」

 高瀬の手が、頬に触れて、すぐに顔が近づいてくる。見つめ合ったまま、至近距離。そのまま、唇が重なる手前で、瞳を伏せた。

「……っ」

 高瀬の手、熱い。
 絡んでくる、舌も。

「……ん……ん、ン…………っ」

 ふ、と息が零れる。
 高瀬の舌に応えようと思うけど、ついていけなくて、全部高瀬にリードしてもらってる、感じ。

「……ふ……っ……」

 あっという間に、息が上がって、熱い。

 キスって。高瀬とするようになって、こんなに理性が奪われちゃうものなんだって、知った。
 ドキドキしすぎて、顔熱くて、息が苦しくて、でも気持ちよくて、涙がにじむ。

 オレがしてきたキスってなんだったんだろ……
 それなりに気持ちいいと思ってしてたような気がするんだけど。

「ん、ぅ……っ」

 ぢゅ、と音を立てて吸われて、びくん、と震える。
 なんだかすごく激しくて、高瀬の服を握り締めてると、唇を外して、高瀬がオレをじっと見つめた。

「何考えてんの……?」
「……っ……?」
「何か考えてたろ」
「たかせ、とするキスは……気持ちいいなぁって」
「ほんとにそれだけ?」
「んと……今までしてきたキスと、違うなって……」

 高瀬の指が、オレの下唇に触れて、そのまま、指が口の中に触れてくる。

「オレとキスして、別の奴とのキス、考えてた?」
「ん、ん……ちが……」

 そういうんじゃなくて。

「 ……んっ」

 指で舌に触れられて、ぎゅと瞳を閉じたら、そのまま、また深く唇が重なってきた。


「……ん、んん……っ」

 なんか激しい……。
 ……でもきもちい。

「……っん、ふ……ぁっ……」

 深くキスされたまま。高瀬の指が、シャツの裾から入ってきて、ウエストからあがって、胸をなぞる。
 くすぐったい、のに。ゾクゾクして、あ、なんかもう、すごくヤバい。

「……ッん」

 乳首に触れて、摘ままれると。オレのそこは、もう、触れられることに慣れてきてて、腰にゾクリとした快感が、走る。

「……んん、ん、ぅ……っ」

 舌で、口の中、余すところなくなめられて、胸、散々刺激されて。すでに、頭の中、真っ白で。
 ただ、ビクビク、震えながら、高瀬の服を握り締める。

 不意に唇が離れたと思ったら上の服を脱がされて、そのまま、背をベッドに沈めさせられた。
 高瀬が、上に覆いかぶさってきて、すぐに、また唇が塞がれる。

「……た、かせ……」

 唇の間で名を呼んで、ぎゅ、としがみつくと。
 高瀬は、ふ、と笑って、オレを見つめた。

「……オレ以外とのキス……」
「……?」
「思い出させないようにしたいとか……」
「……??」
「なんか、余裕ないかも……」
「……え。あ……」

 違う違う、そんな意味で思い出してたんじゃなくて。焦った瞬間。

「織田」
 顎を取られて、またキスされる。
 深いキスに、ぞくん、と震えて、高瀬の服をまた握り締める。

「……ん……ッ」

 ……やきもち……とかだったり、する??
 オレが他の人とのキス思い出すの、嫌、とか……?

 余裕ないって……。
 そんな理由で、この、めちゃくちゃ深いキスなのかと思ったら。
 
 胸が死にそうにドキドキしちゃうんですけど……っ。
 やばいやばい、オレ……。高瀬可愛いとか思ってる。



しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

処理中です...