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第2章
◇いつから? *圭
しおりを挟むで、結局。
一人でシャワーを浴びることになった。
バスタオルとか用意しとくからもう入ってていいよ、と優しく言われて、言われるままバスルームに来た。
今週はほんと忙しかった。
でもって、最後の飲み会は……なんかめちゃくちゃ楽しかったなあ。
高瀬ってクールなのかと思ってて、あんまり友達とかと騒いでるイメージなかったんだけど、なんかいい意味で、あの仲間は、仲良しみたいだった。
思ってた通り、最初はクールだったみたいだけど、なんかその部分も含めて、あの人達は皆、高瀬のことが好きそうだった。
……なんか嬉しい。
まあよく考えれば、同期とかとも仲良いし。
まあでもやっぱりクールな感じは保ってるんだけど。皆一目置いてる感じだし。
はー。ほんと、カッコいいよな。高瀬って。
オレと、付き合ってくれてるとか。もうほんと奇跡というかまだ夢みたいな気もしちゃう。
一生分の運、高瀬とのこの関係に使っちゃってもいいなとも思うんだけど、やっぱり、ちよっとは残しといて、このままずーっと高瀬と仲良く元気に生きていけたらいいなとか。願いすぎたらだめかなあ。
でも、神様、お願い。ずっと居られますように。
……って、やっぱちょっと酔ってるかな? オレ。
苦笑いが浮かんで、そのままシャワーで顔にお湯を浴びた。
ちよっと顔を引き締めてから、バスルームから出る。下だけはいて、髪をタオルで拭いていると、高瀬がドアを少し開けて、「入っていい?」と声をかけてくる。
「うん、いーよ」
なんか今更ダメとか、無いんだけど。
「オレもすぐ、シャワー浴びてくるから。待ってて」
「うん。行ってらっしゃい」
「ん」
クス、と笑われる。
オレが頭を拭いて、ドライヤーをかけ始めた横で、全部脱いで、バスルームに入っていく後ろ姿を、見送った。
……今。超、後ろ姿、ガン見しちゃった……。
カッコよすぎる。めちゃくちやお尻の形とか、足とか、綺麗というか。
はっ!
……何言ってんだオレ。
かぁぁぁぁ、と顔が一気に熱くなる。
プルプル首を振りながら、ドライヤーでひたすら髪を乾かす。
……あーもう馬鹿。オレ。
適当に乾いたところで、ドライヤーを片付けて、タオルを洗濯機に入れてから、脱衣所を出て、キッチンに向かう。
コップに水を注いで、一気に喉に流し込む。
オレって、ほんと、高瀬、好きだなあ。
……後ろ姿だけなのに、あんなにガン見しちゃうってー。わーん。変態なのかー? 何だかなぁ。もう。
……そもそも、オレ、男は対象じゃなかったんだから。
高瀬は大大大好きだけど、男の体見て、ひとりで真っ赤になってるとか。
もう、昔の自分からしたら、もう、謎でしかないんだけど。
でもなぁ……高瀬の指。綺麗だなーてとこから、そっちに想像がいっちゃったり。お尻カッコいいとか。見ちゃったり。
んん。ちょっと、待って。
そういえば、高瀬を好きになってから……そういえば、女の子のそういうのとかも全然見なくなったような。
オレ、今、例えば女の子に迫られるとかあったら、そういう気分になるのかな? ふと気になったら、ますますどうなんだろーと、思い始めた。
そういえば、会社で、女の子は割と同じフロアにも居るし、食堂とかでも居るし。でも、オレ、ぜんっぜん、女の子、そういう意味では目に映してないな。というか、男もまったく映ってない。
あれれ。これいつから??
うーん、と考えてみる。
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