【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

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第2章

◇高瀬の指*圭

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「ただいまー」
 高瀬と一緒に、高瀬の部屋に帰ってきた。
 高瀬の学生時代の友達に会えて、なんだかめちゃめちゃ話してもらっちゃったし。

「今週忙しかったけどさ」
「ん?」

「最後の飲み会が楽しいと、いいよね。今週楽しかったってなるよね」

 そう言って高瀬を見上げると、ふ、と優しい表情でオレを見て。かと思ったら、腕を引かれて、軽く、キスされた。

「わ……」

 不意打ちだ。

「……高瀬といっぱい、キスしてる、けど」
「うん?」

「……急にされると、ドキドキが半端ない。これ、慣れそうにないのだけど……」

 しみじみ言ってしまうと、高瀬はクスクス笑いながら、オレの頭をくしゃくしゃ撫でて、至近距離からオレを見つめた。

「シャワー浴びて、ゆっくりしよ」
「あ、うん! そだね。高瀬、先入る?」

「一緒に……と思ったけど、今日はやめとこっか」
「……どして?」

 いつも一緒に入る訳ではないし、一緒にっていうのも、まだまだ恥ずかしいのだけど、わざわざやめとこうと言われるとちょっと気になって、聞いてみると。

「風呂ですんの疲れるだろ? のぼせるし」
「――――……」

「オレ、絶対一緒に入ったら、手出す自信があるから」
「なんの自信……」

 苦笑いを浮かべていると、高瀬の手が、オレの頬に触れた。

「ほんとはすぐにでも触りたいんだけど」
「――――……」

「でも、なんか焼き鳥とかの匂いするし。さっぱりしてからがいいだろ?」

 言われて、ぷ、と笑ってしまう。

「確かに、綺麗にしてから、くっつきたいよね……」

 オレの頬に触れてる高瀬の手に触れて、頬から外す。
 そのまま、なんとなく、離しがたくて、高瀬の指に触れる。

「……高瀬の手って、カッコいいよね」
「……そう?」

「……指、長くて。こういうとこさ」

 関節のところ、さすさすと触れながら。

「男っぽいし。……でもなんか、すごく、綺麗だし」

 手の平を親指でぷにぷに押しながら。

「なんか、ここらへんもかたいっていうか……なんか、理想的な手、って感じ……」
「……んー……」

 高瀬が、苦笑した気配。
 見上げると。

「……オレ、誘われてる?」
「え。いや、ちが、くて……」

 高瀬がじっと見つめてくるので、焦りながらそう言って、また手を見つめた。

「ほんと、カッコいい手、だなあって……」
「今思ったの?」
「ううん。最初から思ってた」
「最初?」
「うん。研修の時。テキストとか、パソコンとかさ、指さして教えてくれてたでしょ」
「……ああ」

「あの時から、手もカッコイイーって、ずっと思ってた」

 研修の時を思い出すと、なんか気持ちがめちゃくちゃときめくというか。
 恋したての時だったからか、ものすごい、キラキラしてたというか。
 今も引き続いてときめいてるけど。

 なんて恥ずかしいことを考えていたら。ふと。

 こんな綺麗な手が。
 ……オレの、いろんなとこ。……触って、くれちゃうんだよなぁ。

 とか、一瞬浮かんで。
 その次の瞬間には。

 突然ヤバい位に、顔に血が上った。 

「早くシャワー浴びといで? あんまり可愛いこと、言ってると、離してあげられなく……」

 高瀬が呆れたように笑って言いながらオレを見て、オレが真っ赤になってるのに気づくと、え、と、めちゃくちゃびっくりした表情をした。
 ……そ、そりゃそうだよね、オレ、自分だって、顔熱すぎてびっくりしてるもん。

「え、織田?」
「……っなんでもない、シャワー、あびてく……っ」

 捕まって、壁に、とん、と背をつかされる。

「……何で真っ赤??」
「…………っ……」
「どしたの?」
「……あの……恥ずかしいから、言いたく、ないような……」

 そう言うけど、逆効果だったみたいで。

「んなこと言われたら、余計聞きたいし」

 高瀬が、オレを壁に追い詰めたまま、自分のネクタイを緩めて、上からボタンを外した。
 高瀬の、綺麗な、喉仏とか鎖骨とか。
 カッコよくて、急に色っぽい雰囲気に早変わりで。

 ……だめだ、心臓が、パンクする……。やばいよー……。



 
 

(2023/3/30)
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