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第2章
◇いちいち可愛い*拓哉
しおりを挟む金曜、須永がいる飲み会から織田を無事回収した。
土曜、プラネタリウムを見に行ったら、織田のお兄さんと、その子達に会って、しばらく一緒に過ごした。で、その後、関係を伝えて、また会う約束をして……。日曜は、織田が住んでるマンションの解約について聞いたり、荷物を取りに行ったりして、おそろいのものを買おうなんて言って、タイピンを買って帰ってきた。
夕飯は家で食べて、それから、いつものように、織田を抱いて。
終わると同時に眠ったのを、そーっと抱き締めて、一緒に寝てる。
――――……仕事が出張で、泊りだったのもあって、先週から週末までアッという間だった気がする。
……金曜夜から二人で過ごしていた自分を思うと、不思議でならない。
元カノや、オレを知ってる友達が、織田と居るオレを見たら、きっと、別人だと思うだろうな……。
……可愛くて、しょうがない。
――――……まっすぐな瞳も、言葉も、なんだか、全部。
会った時から可愛いなんて感じてたけど。
……付き合い始めてから、ますます可愛く思えて、本当に自分でもおかしい位。
織田に言ったセリフで、あとからふっと突然気づいたことがあって……さっきから、色々思い返しているのだけれど。
「九十九パーセント好きなら、一パーセント嫌いでも、そんなのどうにでもなるだろ」
とか。普通にオレ、伝えたけど。
気付いたら、相当恥ずかしい気がしてきた。
九十九パー好きって。
嫌いなとこ、一パーセントあったとしてもって。
しかも、オレ、今はその一パーセントすら、嫌いじゃないからな。
おかしいくらい、織田のことが好きだってことで。
そんなセリフをオレは真顔で言ってたとか。
……あんまり深く考えないで、さらっと聞いてくれてるといいけど。
なんかすごく重い気がして。さすがにちょっと、織田も気になんないかな、とか。
……ってこんな心配を自分がしてるってだけで、相当驚く。
「……たかせ……んー……」
むにゃむにゃ言いながら、織田が目をこすり始めた。
「どした……?」
「起きてるの……?」
「ん、まだ起きてた」
「……シャワー、浴びに行く……?」
むにゃむにゃ、すげえ可愛いんだけど。
「――――……」
柄にもなさすぎて、ほんとにオレどうした?と自分で思いながらも。
思うまま動くと、自然とキスしていた。
「……ん」
重ねると、織田が目を開けてオレを見つめる。
目を開けたままキスしてたオレと視線が合うと、ふ、と嬉しそうに笑って、その手が首に回ってきた。
激しくない、舌が少し触れるだけのキスをしばらく繰り返して。
ふ、と織田が少し顎を引いた。
「……高瀬……」
ぎゅう、と抱きつかれて、すり、とその髪がオレの頬に触れる。
「……大好き」
――――……。
何というんだろうか、この、胸の奥が掴まれるみたいな気持ち。
「ああもう……」
「……ん、んっ……?」
さっきよりも深く舌を絡めながら、首筋や耳に触れる。
「……んんっ……ふ……」
ぴくん、と震えると。
可愛いって思う気持ちが余計に膨れ上がる。
が。これ以上してると、収まらない。
最後に、ちゅ、と舌を吸って、ゆっくり離す。
「……可愛すぎ」
「………………っ」
見つめて言った次の瞬間、かぁっと赤くなって、何も言葉が出てこない織田を、ぎゅ、と抱き締めた。
「シャワー、明日にする……何で聞いた?」
「……離れちゃうのかなーと思って」
……いちいち可愛いんだけど。
このまま、触れたい気持ちを、何とか抑えながら。
「……一緒に寝るから」
織田が寝やすいように、腕の中に引き入れて、ぽん、と頭に触れた。
「おやすみ……」
額にキスすると、うん、と、嬉しそうな笑み交じりの返事。
あぁ、ほんと可愛くて。オレ、ほんとにヤバいなあ……。
なんて思いながら、織田と一緒に眠りについた。
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