【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

文字の大きさ
上 下
188 / 236
第2章

◇女避け?*圭

しおりを挟む

「……高瀬のスーツはねー」
「ん?」

「オレだけじゃないと思うよ。妄想してんの」
「――――……ん??」

 クスクス笑う高瀬。

「絶対女の子もさ、抱き締められたいなーとか、ぜっっったい思ってると思う」
 力説してると、高瀬は笑いながら、オレの頬を摘まんだ。

「じゃあ、織田は、抱き締められたいって思ってるってこと?」
「――――……」

 あ。そうでした。
 今、オレの話だった。

 しかもオレよく考えたら今、女の子もって言った。女の子も……もって。
 もう、オレがそうだから、女の子もって事だよね。

 ああなんか、恥ずかしい。


「そっか……どういう時思うの?」
「ど……どういう時?」

「普通に横に座ってる時も思うの?」
「――――……えっと…… 座ってる時は、そうでもないかな……?」
「ふうん?」

「……立って、なんか。背中のラインとか……? 腕、とかみちゃった時……とか……」


 何だこれ。オレ今何言ってんの?
 は、ハズかしすぎる……。

 意識したら一気に恥ずかしくなって、顔が熱くなった瞬間。
 高瀬が、ぷ、と笑いながら近づいてきて、ちゅ、と唇にキスされた。


「じゃあ、今度立った時、抱き締めてあげるよ」
「――――……」

 え。嬉しい。
 ……じゃなくて。しっかりしろ、オレ。


「ぜ、絶対オレ、真っ赤になって、一瞬で皆に、バレるけど……」

 そう言ったら。
 高瀬はまたクスクス笑って。


「いいんじゃない? オレらがそうってなったら、迫ってくる奴も居なくなるだろうし。安心」
「本気?」

「まあ、……他の奴を避けるようにって考えると、本気だけどね」

 高瀬はんー、と考えながら、そんな事を言う。

「……オレにより、高瀬の方に行く人が絶対的に多いと思うから、それで、安心するのは、オレだけじゃない?」
「――――……織田を好きな奴。居ないと思ってるんなら、ほんと、バラして、女よけしたい」
「……??」

 その言い方ってなんだろう。

「織田を好きそうな子に、心当たり、無い?」
「……えー…………無い」

「……マジで、バラしたい」

 ぶに、と頬を摘ままれる。

「あとさー。男。にも気を付けて。分かった? 織田、可愛いから、いつ惚れられるか分かんないからな」
「――――……無いと……思うんですけど」

「ある。ほんと気を付けて」
「――――……」


 ……意味が分かりません。
 ていうか、どう考えたって、女よけして欲しいのは、高瀬さんですが。

 言いたいけど。
 なんか、むー、と眉を寄せて、オレの頬を挟んで、じっと見つめてくる高瀬に言えず。

「……気を、付ける。一応……」

 そう言ってみたら。

「一応じゃダメだよ」

 とさらに突っ込まれる。


「ほんとに気を付けて」
「……はい」

 答えながら、ぷ、と吹き出してしまった。

「だからほんと、織田は、マジメに聞いてないだろ」

 高瀬が、ほんとにまったくもう、みたいな顔をして、文句言ってるから、余計おかしくなってくる。

「オレより、高瀬気を付けてよ。すっごい綺麗な子とか、すっごい可愛い子が、ご飯行きましょうよーって言ってきたらどうするの」
「――――……行くと思う??」
「……う…ん。どうだろ。ものすごい可愛かったら……とか。あと、ほら、二人じゃなくて、皆で行きましょうよーっとか、断れない感じだったら……とか?」

「……100歩譲って、皆でっていうかのが断れない感じだったとして、行ったとして。――――……ってそもそも、織田がその中に居ない、皆でっていう関係が今、あんまり無いけどな」

 ……まあ確かに。会社関係だと、オレらはいつでもセットで居る気がするけど。

「まあもしあったとして、行っても、個人的に誰かとどーかなんて、絶対なんない」
「――――……」

「そこはオレの意志なんだから行かないって決めたら行かない」

 そうなのか。絶対無いのか。
 と、言葉だけだとしても、嬉しくなっていると。

「……でもさ、織田はさ、連れ込まれちゃったら困るし。だからほんとにお前は気をつけて」
「――――……」


 これ、高瀬って、何回か言ってくるけど、本気なのかな。
 ――――……ふざけて言ってるんじゃなくて、本気??


 うーん。高瀬の、ここの部分だけ、毎回だけど、全くよく分からない。


「絶対また本気にしてないだろ」


 あ。バレてる。






しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

処理中です...