【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

文字の大きさ
上 下
185 / 236
第2章

◇遠い未来*圭

しおりを挟む
 なんかめちゃくちゃ仲良しにくっつきながら、ながーい事食べてて。
 ようやく片付け終わったらもう、結構な時間になっていた。

 まあまあ良い感じでお酒も飲んだし、結構眠くなってきてて。
 ふわふわ欠伸してたら、高瀬に笑われた。

「眠い?」
「……うん。ちょっと」
「じゃあもう今日はベッドにいこっか」
「ん。歯、みがいてくる……」
「オレも行く」

 二人で洗面台の前で並んで、オレが自分の歯ブラシを持って水に濡らすと、高瀬が歯磨き粉を乗っけてくれた。

「ありがと」

 言いながら、歯ブラシをくわえる。
 しゃこしゃこ磨きながら、隣の、カッコ良すぎる人を、じっと見上げる。

 オレ達って、このままずっと仲良かったら。
 おじいちゃんになっても、こうやって一緒に歯を磨いてるのかな。なんて。

 そんな事を思ったら、ちょっと可笑しくなって。
 ふ、と笑んだら。

 高瀬も、オレを見て、クスッと笑った。

 歯ブラシを持ってない左手が伸びてきて、頭に置かれて、よしよしされる。

「――――……」

 オレ、一応社会人だし。大人のはずだし。男だし。
 ナデナデされる立場じゃないと思うんだけど、と、ちらっとそんな事が浮かぶのだけれど。

 全然嫌じゃなくて嬉しいって。
 オレ、絶対ヤバいな。と思いながらも。
 
 嬉しいものは嬉しいから、しょうがない。


 ていうか。
 ……一目惚れの相手だからね。
 ……でもって、知れば知るほど、大好きになってる、相手。

 優しく触れられて、嫌なんて、思う訳がないんだよね……。


 歯を磨き終えて口を漱いで。タオルで拭いてる間に、高瀬も漱ぐ。
 高瀬も口を拭いてから、ふ、と笑んだと思ったら。

 引き寄せられて、キスされる。


「――――……なんで 笑ったの? さっき」
「……あ、歯磨きしながら?」
「ん」

 見つめられて、高瀬がまたクスッと笑う。

「んー……ちょっと考えただけだよ?」
「ん」

「このままずっと居たら、おじいちゃんになっても、一緒に歯を磨いてるのかな~とか、ちょっと想像したら、笑っちゃっただけ」

 そう言うと。
 ふーん、と高瀬は微笑んで。


「いーんじゃないか?」
「ん?」

「おじいちゃんになっても、仲良く並んで歯磨きしてるのも」
「――――……」

 高瀬、ちょっと面白そうに。冗談めかしてではあるのだけれど。
 でも、なんか、すごく優しく。笑ってくれているので。


「うん。そだね」

 何か。そんな先の事、全然分からないんだけど。


 それくらい長い先まで、一緒に居れたら良いなと思えてる今が。
 めちゃくちゃ、幸せな気がする。


「高瀬、一緒に寝よ」
「ん。寝よ」

 ふ、と笑んで、頷いてくれる。


 
 そのまま一緒にベッドに入って。
 すっぽり高瀬の腕の中。

 暖かくて。
 あっというまに眠気に襲われる。


「高瀬……」
「ん?」

「……今日、いっぱいありがと……」
「――――……ん。 織田も。ありがと」

 ん、と笑って。
 ふ、と瞳を伏せた。


「また明日ね……」

 言ったら、ちゅ、とキスされて。なんか、きゅ、と手を握られて。繋いでるみたいな感じで、高瀬が寝に入ろうとしてる。


「――――……」

 くっついてる体も。繋いでる手も、
 なんかあったかくて。

 ダメだこれ。幸せ過ぎて。ドキドキしすぎで、死んじゃうかもしれない。


 なんて、思いながら。
 


 次第に、眠気の方が勝っていって。
 ――――……眠りに、落ちた。
 






 
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

処理中です...