183 / 236
第2章
「わくわく」*圭
しおりを挟むめちゃくちゃバスルームでイチャついたような気がする……。
かなりの時間を過ごしてから、リビングに来た。
「お腹、すいたー」
「ん。早く準備しよ」
買って来たもの温めてテーブルに並べて、お酒を出して、二人で隣で並んで座る。
「今日お疲れ、高瀬」
「織田もね」
グラス合わせて、一口。
おいしーね、と笑う。と。オレを見つめてた高瀬が近づいてきて。
「――――……」
ふ、と、手が頬に触れて、ちゅ、とキスされる。
思わず、目をパチパチさせてしまう。
――――……自然すぎ。カッコ良すぎ。もーこんなに自然に、カッコよくキスできる人、他に居ないと思う……。
きゅん、と。
心臓が、痛い。痛いというか。……締め付けられるみたいな。
今まで味わった事のない感覚で、本当に、不思議。
「あのね高瀬、明日は晴れるって」
「ん?」
急に天気の話をしたオレに、高瀬は、クスッと笑った。
「晴れたら何かしたい?」
「何も考えては無いんだけど……晴れの日曜日、高瀬と何しようかなって……考えるのも、楽しいなーと」
「うん。そーだな」
ふ、と笑いながら、高瀬が頷いてくれる。
「高瀬、何かしたいことある?」
「んー……何だろ」
「うん」
聞きながら、ぱくぱくおつまみ、食べてると。
ぷ、と笑われる。
「織田居れば、別になんでもいいんだけど」
「何でも?」
「出かけてもいいし、家でも良いし」
「――――……」
「そりゃどこか行けば、それはそれで楽しいけど。横に居てくれれば、なんでもいいんだよな、オレ」
「――――……」
マジマジと。
そんなカッコ良すぎる&嬉しすぎる事を、平気で口にする高瀬を。
超近くで、マジマジと見つめた結果。
ぼぼっ!!と、赤面。
「……あれ」
高瀬は、面白そうにオレを見て、クスクス笑いながら、頬に触れた。
「…………っ」
今更隠れても無駄なので隠れはしないけど。
こんな年になって、ちょっと言われた位ですぐ真っ赤になるの、どーなんだと、自分に言いたい……。
「織田がすぐ真っ赤になんの――――……」
「ご、ごめん、 自分でもおかしいと思うんだけど」
高瀬の手をす、と避けて、自分の手で頬を抑えて俯いたら。
その手を掴まれて外されて、クスクス笑いながら、両頬をぷに、と摘ままれた。
「すぐ真っ赤んなんの可愛いから、ずっとそのままだといいなー」
言いながら、頬に、ちゅとキスされる。
「……っそ、の内、少しは、慣れたら――――……赤くなんないかも……」
「まあそれはそれで、別に良いんだけど。でもしばらくは、なりそうだよな」
すりすり頬を撫でられて。
そんな近くで、そんな風にされてると、余計、赤くなるってば。
「……かわいい」
クスクス笑いながら、高瀬がオレに言って、めちゃくちゃよしよしと撫でられる。
「――――……っっっ……」
もうだめだ。
顔見られないように。
高瀬の肩に額を付けて、ぴと、とくっついた。
「……隠れた?」
高瀬が、笑うと、くっついてる高瀬が揺れる。
「――――……隠れた……」
そう返して、そのまま隠れてると。また笑う高瀬。
ぎゅ、と抱き締められて。後頭部に置かれた手が、よしよし撫でてくる。
「――――……明日、引っ越しの事、話そ。契約してるとこ、聞いてくれる?」
そう言われて。
「うん」
素直に頷いた。
引っ越してくる、とは一度決めたけど。
――――……高瀬はそれでほんとに良いのかなとか心の奥で心配していた事も。なんか段々薄れてきてて。
……どこまで仲良しでいれるかなあって。
ワクワク、してくる感じまで、してきた気が、する。
78
★楽しんで頂けてましたら、感想頂けたら嬉しいです♡(好き♡とか短くても嬉しいです♡)
★ほかにも色々作品置いてます♡ 【恋なんかじゃない】
【ドS勇者vsオレ】
【愛じゃねえの?】
【Staywithme】
【やさしいケダモノ】
【溺愛ビギナー】
【水色の宝石】
【オオカミ王子は エサのうさぎが 可愛くて しょうがないらしい】
【Promise】
【ありふれた恋の音】
★ほかにも色々作品置いてます♡ 【恋なんかじゃない】
【ドS勇者vsオレ】
【愛じゃねえの?】
【Staywithme】
【やさしいケダモノ】
【溺愛ビギナー】
【水色の宝石】
【オオカミ王子は エサのうさぎが 可愛くて しょうがないらしい】
【Promise】
【ありふれた恋の音】
お気に入りに追加
1,500
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる