【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

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第2章

◇ぶっとぶ*圭

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 高瀬の運転する車で、帰途に就いた。

「もう今日は1日雨なんだねー……」
「そうだな」

「車出してくれてありがとね」
「ん」

 高瀬がする、いつもの優しい笑い方。

 ああ。なんか、とにかくすごく好き。
 ほくほくと、助手席から、変にならない位で見つめながら。

「高瀬が子供に優しくしてるとことかさ」
「ん?」
「会社の人達に見せたい」
「んー……? 何で?」
「ギャップにときめきそうだから。……あ。でも待って」
「ん?」
「だめだ、高瀬のファンが増えたら困るから、やっぱりオレだけでいいかも」
「……何それ」

 クスクス笑われてしまう。

「高瀬が優しいの知ってるけど、それでも、あんなに子供と楽しそうにしてくれるって、結構びっくりしたから。高瀬をクールって思ってる人達は余計すごいギャップだよね、と思ったんだけどね……」
「ん」

 高瀬はクス、と笑い返してくれる。

「ていうかさ、織田」
「うん?」

「周りがオレを見てどう思っても、オレには関係ないけど……」
「――――……」

「織田がオレを好きなら、それで良いし」
「――――……」

 ………………何なんだろうか、もう。
 もうほんと。

 ……恥ずかしすぎる。

「織田、なんか、モテるとかよく気にする、よーな気がするけど」
「……」

「んな事言ったら、織田だってモテるだろうし……まあ、オレも少しはやだけど。でも、織田、周りの人にどんなに好かれても、関係ないだろ?」
「――――……うん。オレ、高瀬しか見てない、し」

 オレのその答えに、高瀬は、ふ、と笑って。

「オレも同じ。――――……明後日から、お揃い、つけるんだし」
「――――……うん」

 そうだ。お揃いだった。
 嬉しいなーと、あっという間にご機嫌のオレは、窓の雨を眺めながら。

 ふと、さっきの電話を思い出す。

 1人になったら電話してって。
 ……俊兄、何かなあ? さっきお店だったから、うるさかっただけかもしれないけど。


「織田?」
「ん?」

「どした?」
「あー、うん。俊兄、何かなあって思って」

「ああ。あとで電話するってやつ?」
「うん。まあ。後ろがうるさいからって事だったかもしれないんだけどね」
「ん。じゃあ帰ったら電話する?」
「うん」

「じゃオレその間にシャワー浴びる。で、織田がシャワー浴びてる間に夕飯の用意するから」
「用意任せちゃってばかりな気がするんだけど……」
「いいよ」

 クスクス笑って、高瀬が言う。

「……ありがと」

 どーして高瀬は、こんなに優しいのかなー……。
 もー。
 大好きすぎるんですけど。

 はー。ほんとに。
 一生ずっと高瀬と、居たい。
 
 なんて。超ウキウキしていたのだけど。





「え。俊兄、今なんて?」

 家について、高瀬がお風呂、オレが電話をかけてすぐ。
 そのウキウキがぶっ飛んだ。



『だからな? もしかして、圭は高瀬君と、付き合ってたり、する?』

「――――……」


 ななななななななななな、なぜ?
 普通に別れた俊兄から、そんな発言が飛んでくるの?

「ちょっと待って、俊兄」

 オレは、バスルームの方に歩いて、ドアを開けた。
 高瀬はちょうど上を脱いでて。ん?と振り返る。こんな時なのに。その裸にどき、としながら。

「どした?」
 こそ、と囁く高瀬。オレは、音量を最大にして、高瀬と近づく。


「ごめん、俊兄、もっ回言って? 良く聞こえなくて」


『だからさ。圭は高瀬くんと、付き合ってたりするのかって、聞いてるんだけど……。聞こえた?』


 その言葉に。高瀬とオレは、至近距離で顔を見合わせた。



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