【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

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第2章

◇お友達*圭

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 プラネタリウムが入っているビルは、下に降りれば、ショッピングモールに繋がっているので、レストラン街のハンバーグの店にやって来た。

 奥のソファ席に俊兄と真宙が座って、真宙の横に高瀬。高瀬の前に来海。来海の隣がオレ。

「来海はこれ!」
「おー、来海、即決だね」

 メニューを見た瞬間迷わないで決める来海に、何だか笑ってしまうと、俊兄も笑いながら。

「そぅ、すごくないか? 一目で決めるんだよ、いつも」
「すごいねー、大物になりそう」

「高瀬くんに即決でプロポーズする位だもんな」

 俊兄が呆れたように来海を見ながら言う。
 オレがクスクス笑うと、高瀬も真宙に手を繋がれながら、笑ってる。


「だって拓ちゃんカッコいいんだもん」

 分かる。分かるよ、来海。
 お前、ほんと、見る目、ありすぎると思う。

 将来、イイ男、見つけるんだよ?

 うんうん、と頷きながら、よしよし、と撫でていると。
 俊兄は笑いながら子供用のメニューを真宙と見始める。

「真宙はお子様セットか?」
「うん」

「高瀬、メニューはい」
 来海の前からメニューをたたんで、高瀬に渡す。

「織田は? 決めた?」
「うん。そこのハンバーグランチにする」

「ん」

 受け取って、高瀬がメニューを開いた。

「いいなあ」

 来海が突然そんな風に言う。

「いいなあって?」
「拓ちゃんも、圭ちゃんもいいなあ」

「何が?」
 クスクス笑いながら、来海を見つめると。


「圭ちゃん、拓ちゃんとお友達なんでしょ?」
「うん?」

「来海も、圭ちゃんと拓ちゃんとお友達になりたい」
「お友達に?」

「だって結婚できないし……」

 むむむーー、と膨らんでる可愛いほっぺ。
 クスクス笑ってしまう。

 メニューを見てた高瀬と俊兄も、来海を見て、ぷ、と笑ってる。


「オレお友達っていうの?」
「まあ正確には、おじさんだよな?」

「え゛え゛っ!なんか嫌だ」

 と咄嗟に言ってしまったけど。

「まあ……姪なんだよねー。てことは、ほんとは、圭ちゃんじゃなくて、おじさんて呼ばれるとこ?」

 んー、と来海を見てると。

「圭ちゃんは、おじさんじゃないよ?」

 と来海。

「パパはおじさんだけど」

 そう言う意味じゃないんだけど。
 俊兄が、おーい、来海―、と言って、苦笑いしてる。


「オレはさ、パパの弟だから、来海にとっては、おじさんなんだよ?」
「……でもおじさんじゃないよ?」

「ふふ。 ありがと」

 可愛い。よしよし、と撫でてると。

「パパだってまだ若いだろ」
「ううん、パパはおじさん」

 はーやれやれ。と俊兄。

「俊兄、来海に勝てないね」

 クスクス笑って言うと、俊兄はますます苦笑い。


「お前も娘できたら分かるって。3才くらいから、勝てないぞ」
「……そうなんだね」

 ……娘、できたら、かあ。

 前のオレなら、子供3人欲しいし、娘、絶対ほしい、と。
 絶対俊兄に返してたとこなんだけど。

 ――――……もう言えないなあ。そのセリフ。

 今のオレは。
 まだ生まれてない子供より。今側に居てくれる高瀬と、離れたくない。
 ずっと居られるなら、居たい。

 そう、思っちゃってる。


「高瀬、もう決まった?」
「ああ。決まった」
「俊兄は?」

「圭のと同じの」
「パン? ライス?」
「ライス」
「高瀬もライス?」
「ん」

「来海、そこのボタン押してくれる?」
「うん」

 来海がボタンを押して、店員がやってくる。
 注文を済ませた所で、俊兄が立ち上がった。

「悪い、さっき行けば良かったんだけど……食事前に2人連れてトイレ行ってくる」
「うん。いってらっしゃい」

 俊兄が2人を連れて歩いて行く。振り返る2人にバイバイで見送って。
 オレは、高瀬を、見つめた。

「なんか、高瀬遠いね」
「真宙くんがオレこっちにって言ったからな」
「でもって来海は、高瀬の前が良いって言ったしね」

 クスクス笑いあって。

「……ありがとね、高瀬」
「そんな何回も礼言わなくていいよ」

「んー。でもなんか……付き合ってくれてさ」


 全然デートっぽくなくなっちゃったけど。
 ……楽しそうに笑っててくれて。


「織田さ」
「ん?」

「……覚えといてほしいんだけど」
「うん」


「オレ、織田が楽しそうなところなら、どこでも付き合うから」
「――――……何それ」

「嫌々じゃなくてさ。付き合いたくて一緒に居るから」

 ふ、と笑いながらそんな事言われると。


「……泣くよ、オレ」


 ほんとに泣きそうなのを隠しながら言うと、高瀬は「泣かないで」と言いながら、ふ、と笑った。






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