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第2章
◇トラブル発生*圭 1
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今日のお昼は高瀬と一緒に、天丼を食べに行った。
でっかい海老天がすごくて、海老天と自分の写真まで、高瀬に撮ってもらってしまった。
「美味しかったね。でも、おなかいっぱいすぎ……」
「織田の顔より海老天でかかったもんな」
クスクス笑う高瀬。
「夜は軽いものにしよっか? 高瀬何がいい?」
「何でもいいよ」
「考えとくね」
結局今日も高瀬の家に行く約束をしたので、夕飯の事まで考えながら、職場へのドアを開いたら。
「――――……何か、変だよ、高瀬」
「……んー、そうみたいだな……」
昼食に出るまでと、明らかに雰囲気か違う。普段基本的に座ってる人の方が多いフロアーなのに、何だか、やたら立ち上がってる人が多くて、あちこちで集まってる。
各チームがそれぞれがざわついてる事はたまにあるのだけれど、なんだかそれとは、雰囲気が違う。全体がざわついている感じ。
「なんだろ??」
オレが言うと、高瀬もんー、と周囲を見回している。
部長の所に各チームの責任者が集まってて、只事じゃない雰囲気。
「先輩、何があったんですか??」
太一先輩がもう戻ってきていたのでそう聞いたら、参ったなーという顔で教えてくれた。
「埼玉の方で担当したシステムにトラブルだって。かなり大規模な障害らしくて、本社に応援要請が来たの。 ただ皆それぞれ抱えてる案件があるから、各チームから何人かずつって事になるみたい」
「そんな事もあるんですね……」
「こんな騒ぐのは、めったにないかな…… 大体、担当部署とその周囲で片がつく事の方が多いから。こんな、本社の精鋭集めて埼玉まで行こうなんて、滅多にないかな。今回は謝罪にも回んないといけないから、営業の奴らも駆り出されるって」
「はー……大変なんですね……」
一緒に聞いてた高瀬と、視線を合わせて、何となく無言。
「だから誰が行くにしても、そいつの仕事が、残った奴に回るから、全員残業、だろうな…… とりあえず今誰が行って残りの仕事どうするかとか、協議中だから、しばらくは自分の仕事少しでも進めといて」
「はい」
2人で返事をして、パソコンに向かう。
プログラムのチームだけじゃなくて、奥の営業や経理ゾーンもバタバタしてて、広いフロアー全体がざわついてるなんて、入社して初めて。
そんな大きな障害対応なんて、たぶん自分には回ってこないと思うけれど、何だかすごくそわそわする。
太一先輩や渡先輩も呼ばれていって、各担当業務の確認など色々打ち合わせてる。
「――――……なんか、すごいね……」
「そうだな…… まあ、間違いなく残業だな」
「仕方ないね……」
高瀬とそんな話をしながら、ぼんやりと周囲を見ていたら。
各チームの責任者たちがまた部長のもとに集まっていく。太一先輩達が戻ってきた。
「うちのチーム、3人出そうかな。渡も行きそうだよな」
「今オレの案件とりあえず納期まだだしな……」
渡先輩、行くんだ。そっか。
そう思った瞬間。
「オレが行くなら、高瀬も行くか? めったに経験できないし。一から教えてはやれないけど、お前なら即戦力で役立つだろうし」
渡先輩が急に、高瀬にそう振った。
「オレが行って邪魔にならないですか?」
「邪魔にはなんねえと思う。このまま家帰って、とりあえず3日分くらい着替え持って、埼玉行くんだけど、都合は?」
「あ、泊まりなんですか?」
「そう。なんか、埼玉の会社の隣にビジネスホテルがあるらしくて、そこに部屋をとって休みながら、24時間フル稼働で交代でだって。片が付くまで超大変だと思うけど……」
うわー……マジで大変そう……。
高瀬は、黙って聞いていたけど。
「分かりました。行きます」
「ん、オッケイ。まあ、最悪だと思うけど、良い経験にもなると思うよ」
渡先輩の言葉に、高瀬は苦笑い。
「おー…… 頑張れよ、高瀬」
太一先輩も苦笑いしながら、ぽんぽんと背中を叩いてる。
でっかい海老天がすごくて、海老天と自分の写真まで、高瀬に撮ってもらってしまった。
「美味しかったね。でも、おなかいっぱいすぎ……」
「織田の顔より海老天でかかったもんな」
クスクス笑う高瀬。
「夜は軽いものにしよっか? 高瀬何がいい?」
「何でもいいよ」
「考えとくね」
結局今日も高瀬の家に行く約束をしたので、夕飯の事まで考えながら、職場へのドアを開いたら。
「――――……何か、変だよ、高瀬」
「……んー、そうみたいだな……」
昼食に出るまでと、明らかに雰囲気か違う。普段基本的に座ってる人の方が多いフロアーなのに、何だか、やたら立ち上がってる人が多くて、あちこちで集まってる。
各チームがそれぞれがざわついてる事はたまにあるのだけれど、なんだかそれとは、雰囲気が違う。全体がざわついている感じ。
「なんだろ??」
オレが言うと、高瀬もんー、と周囲を見回している。
部長の所に各チームの責任者が集まってて、只事じゃない雰囲気。
「先輩、何があったんですか??」
太一先輩がもう戻ってきていたのでそう聞いたら、参ったなーという顔で教えてくれた。
「埼玉の方で担当したシステムにトラブルだって。かなり大規模な障害らしくて、本社に応援要請が来たの。 ただ皆それぞれ抱えてる案件があるから、各チームから何人かずつって事になるみたい」
「そんな事もあるんですね……」
「こんな騒ぐのは、めったにないかな…… 大体、担当部署とその周囲で片がつく事の方が多いから。こんな、本社の精鋭集めて埼玉まで行こうなんて、滅多にないかな。今回は謝罪にも回んないといけないから、営業の奴らも駆り出されるって」
「はー……大変なんですね……」
一緒に聞いてた高瀬と、視線を合わせて、何となく無言。
「だから誰が行くにしても、そいつの仕事が、残った奴に回るから、全員残業、だろうな…… とりあえず今誰が行って残りの仕事どうするかとか、協議中だから、しばらくは自分の仕事少しでも進めといて」
「はい」
2人で返事をして、パソコンに向かう。
プログラムのチームだけじゃなくて、奥の営業や経理ゾーンもバタバタしてて、広いフロアー全体がざわついてるなんて、入社して初めて。
そんな大きな障害対応なんて、たぶん自分には回ってこないと思うけれど、何だかすごくそわそわする。
太一先輩や渡先輩も呼ばれていって、各担当業務の確認など色々打ち合わせてる。
「――――……なんか、すごいね……」
「そうだな…… まあ、間違いなく残業だな」
「仕方ないね……」
高瀬とそんな話をしながら、ぼんやりと周囲を見ていたら。
各チームの責任者たちがまた部長のもとに集まっていく。太一先輩達が戻ってきた。
「うちのチーム、3人出そうかな。渡も行きそうだよな」
「今オレの案件とりあえず納期まだだしな……」
渡先輩、行くんだ。そっか。
そう思った瞬間。
「オレが行くなら、高瀬も行くか? めったに経験できないし。一から教えてはやれないけど、お前なら即戦力で役立つだろうし」
渡先輩が急に、高瀬にそう振った。
「オレが行って邪魔にならないですか?」
「邪魔にはなんねえと思う。このまま家帰って、とりあえず3日分くらい着替え持って、埼玉行くんだけど、都合は?」
「あ、泊まりなんですか?」
「そう。なんか、埼玉の会社の隣にビジネスホテルがあるらしくて、そこに部屋をとって休みながら、24時間フル稼働で交代でだって。片が付くまで超大変だと思うけど……」
うわー……マジで大変そう……。
高瀬は、黙って聞いていたけど。
「分かりました。行きます」
「ん、オッケイ。まあ、最悪だと思うけど、良い経験にもなると思うよ」
渡先輩の言葉に、高瀬は苦笑い。
「おー…… 頑張れよ、高瀬」
太一先輩も苦笑いしながら、ぽんぽんと背中を叩いてる。
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