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第2章
◇ときめく*圭
しおりを挟む「織田、起きてこれる?」
「うん」
オレが頷くと、優しく笑う高瀬に、またときめく。
もう。
女子か……。
女子なのか、オレ。
でもななんかもう、「ときめく」という表現以外使いようの無い感情が……。
「シャワー浴びてきな? タオルとか服、置いてあるから」
頬に触れながら、高瀬が優しく言う。
……何でこんなに声まで良いのかな。
ほんとに。ここまで、魅力的すぎると、逆に迷惑……。
ほんとに。
……高瀬じゃなかったら、絶対、男と、こんな事になってないのに。
イケメンなんて、別に普通に周りに、いつでも居たし。
色んな魅力があってモテる奴らだって、今まで何人も見てきてるし。
今まで、一ミリたりとも、男に心が動いたことなんて、なかったのにな。
……でも、ダントツで高瀬が一番カッコいいんだけどな、うんうん。
………ってだから、これだよ。もう。
ああ、もう、なんでオレ、こんなに高瀬の事、好き過ぎて……。
「……また面白い顔して」
ぷ、と笑われて。ぎゅ、と抱き締められた。
「……え?」
面白い顔、してた??
不思議がっていると。
オレを抱きしめたまま、高瀬の体が揺れる。
「今何考えてたの?……ほんと、おもしろいなー織田」
笑いをこらえてる…というか、こらえきれずに、笑ってるけど。
そんな姿まで、超カッコイイし。
優しい瞳で、笑いながら、頭、撫でられると。
もう、何も、言う言葉はなくなる、し。
「――――……」
――――……高瀬とかなり一緒に居たけど……。
嫌いなトコ、ホント思いつかないんだよなぁ……。
カッコいいとこしか、無い。
いつかどこかで、そうじゃないとこ、見る時がくるのかなあ。
……無さそうだけど、なんて思ってしまうくらい。
会った時から、ずーっと、カッコイイままで。なんなんだろう、ほんとに。
振り仰いで、高瀬を見上げる。
「ン?」
微笑んで、見つめ返されて、思わず。
「……高瀬って、何でそんなにカッコいいの??」
そう言ったら。
「何だそれ――――……それ、考えてたの?」
「……うん」
「……ほんと面白いな」
クスクス笑いだした高瀬は、オレの髪をクシャクシャ撫でると、ベッドから立ち上がった。
「ご飯用意しとくから、シャワー浴びてきて」
「――――……うん、ありがとう」
「ん。待ってるから」
言いながら、ふ、と笑って、高瀬は部屋を出て行った。
……ぽふ。と枕に沈む。
ダメだ。
強烈すぎて。ついていけないよう……。
一目惚れする位カッコよくて、優しくて、なんでもできて、
オレを好きって、いっぱい言ってくれて……。
これからオレって、少しは、高瀬に、慣れていくのかなあ……?
友達で居る時からドキドキしてたのに、あんな風に触られて、キスされたりしてたら。
もう、ずっと、ときめき大爆発して、ずーっと、浮かれてそうで。
ちょっと落ち着けーと、自分に言い聞かせてから。
ゆっくり、起き上がった。
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