【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

悠里

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第1章

◇一緒に居たい理由*拓哉

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 多分、あの日一目惚れされて、そのままオレの事を好きなんだろうなとは、思ってた。

 でも、そんな関係に進みたいと思っているようには見えなかった。
 もとは女が好きな普通の男なのも分かっていたし。

 オレ自身も、何でか最初から可愛いと思ってはいたけど、
 本当に男とそんな関係に進めるとは思っていなかった。


 ただ、そうはいっても、日々まっすぐに「大好き視線」を向けられていると、可愛くて仕方ない感情がどんどん増していくのは確かで、少し困っていた。


 新人社員研修は基本的にすべての課題を、最初に決められたグループでやったので、同じグループだった織田とは、朝から終業時間まで常に一緒になった。

 席が隣なので、グループの中でも、特にやりとりが多い。
 2人組で作業時は、いつも、一緒。


 織田は、プログラムは完全に初心者。

 ちょっと難解なのが出てくると、唸り始める。
 でも一生懸命考える。頭は悪くない。質問は的確。どんどん覚えていく。

 分からない事は素直に質問して、素直に受けとめて、まっすぐ考える。

 ありがとう、という回数が多い。


 いつの間にやら、周りと仲良くなってる。
 同期だけでなく、教えてくれる先輩や、怖そうな上司も、例外なく。


 顔は――――……可愛い、と思う。
 女からみたら、カッコイイというんだろうけど。

 素直そうなでっかい瞳に、気持ちが全部のっかってくるみたいな感じ。
 嘘は、つけなそう。

 背は普通。体形も普通……細めかな。ウエスト周りも細い。
 スーツ、最初はカチコチに着てたけど、だんだん生き生きしてきたら、似合ってきて。

 ――――……とにかく、笑顔が、最強なんだと思う。

 ネガティブな事はほとんど言わないし、たまに泣き言を言い出しても、根が明るいからかさらっと流れて。
 他人からネガティブ発言が出ても、なんだかんだで、うまく前に向かわせる、というか。

 そういうのを意図せず、自然とやってるのは、かなりすごいと思う。

 1日中、頭が痛くなりそうな詰め込み研修を受けてる中で、あれだけキラキラ笑顔を保って、場を和ませるのは――――……ほんと、すごい。

 うちのグループはやたらスムーズで、何をやるにも優秀扱いをされた。

 それを、織田は、「高瀬がいてくれるからだ」とずっと言っていたけれど。

 ――――……「織田が居るから」な気がしていた。


 嫌々だった新入社員挨拶から始まり、長い研修も。
 思っていたよりもずっと、楽しくて。 

 キラキラと期待のこもった眼差しで見られてると、やらなければいけない気がしてすごく身が入り。


 おかげで、研修で行われる毎朝のテストの成績も、ダントツで。


 オレ的には、間違いなく「織田のおかげ」て、超優秀の判定をもらい続けた。






 

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