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第2章

「二泊三日始まり!」

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 啓介が大阪に帰った翌週。
 オレ達は、高校の部活の皆と旅行にやってきた。

「やったーついたー!」

 湖も川も近くにあって、広いバスケのコートがある体育館とかもある。小さいけどスーパーも近くにあるし、すごくいい温泉旅館。

 最寄りの駅から旅館の送迎バスで三十分かかってやっとついたそこで、二泊三日を過ごすことになってる。
 自然いっぱい。料理も美味しいと評判だったし、あちこち観光もしないから皆でのんびり楽しめる。

「代表者の方、受付に来てくださいー」

 迎えに来てくれたバスの運転手さんに言われて、啓介が返事をしてる。
 申し込んでくれたのが啓介なので、啓介が代表者。

「啓介の荷物持ってくから!」
 そう言って、いってらっしゃーいと手を振ると、ふ、笑いながら啓介が一足先に旅館に入っていった。

 バスに乗せてもらった皆の荷物をどんどん出してもらい、各自自分の荷物を持っていく。

 二泊三日。

 先輩五人、同学年の大学一年が八人、高三が五人。計十八人。
 割と直近で誘ったのに、結構集まったなーって、思う。
 後輩たちは皆受験なので多くが断る中、三日間位楽しむ!という強者たちが参加。
 男女一緒に広い部屋。寝るときだけは、二部屋に男女で別れて雑魚寝ってことになってる。まあ、それ、高校ん時もやってるから、特に問題なし。

 既に、すっごい、楽しい。
 十八人も居るから他の人に迷惑になるってことで、超早起きの始発に近い電車で出発してここまで来て、正直少し眠いけど。

「雅己、啓介の荷物はこれ?」 
「あ、そう。持ちますよ」
「いいよ、オレ持ってく。お前よりは力あるし」
「オレも結構力ありますけど」
「いーから、自分のちゃんと持ってこい」

 たかし先輩、相変わらず優しい……。昔から優しかったなあ。
 そこに要がやってきた。

「あれ、啓介の持ってってくれたの?」
「あ、そう。孝先輩が」
「相変わらずだなあ」
「ね、優しいよねー」
「……雅己に優しいんだよねー」
 ぷ、と要が笑う。
「皆に優しいよね?」
「皆に優しいけど、多分、オレが持とうとしてても、持ってくれなかったと思うけど」
「え、オレそんなに非力に見える??」
「そうじゃないけど。あ、行こうぜ、オレら最後」
「あ、うん」

 女子たちも皆前を行ってしまって、オレと要が最後。
 旅館の入り口の所で、手続きを終えたらしい啓介が、こっちを見て、立ってるのも見えて、オレは要と歩き出した。

 歩きながら、旅館を見上げて、周りの景色を見ていると。

「すっげー、自然。朝までビル街歩いてたの嘘みたい」

 要が同じことを思ったみたいで、そんな風に言ってオレを見やる。

「ねーほんと。荷物置いたら、あっちの川に行ってみたいなー」
「どうだろ、先バスケかな?」
「オレ、寝そうだけど。バスケやったら。朝超早起き過ぎたよね」

 しかも昨日、啓介が離してくれなかったし……。
 二泊、無理だからとかなんとか言って……。

 むむむ。

「いいんじゃないの、眠ければ寝たって。高校の部活の合宿じゃないんだからさー、自由で。オレも眠い」
「は、そっか! そうだよね」

 そうだった、なんかメンバーがバスケの合宿やってたメンバーだから、なんか、そんな気分で居ちゃった。

 
 んー。楽しもうっと。
  
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