131 / 249
第2章
「意識してる」※
しおりを挟む唇が触れた瞬間、深くキスし返されて。
今度は近くにあったソファに連れてこられて座らされて、背中を押し付けられた。
「……ん、ン――――……」
少しだけ離れた唇の間で、啓介が、笑う。
「……もーほんま、可愛ぇな……」
……なんだかなぁ。もう。
――――……啓介の思うまま、すぎて
ほんとにいつもいつも、やっぱり、ちょっとは嫌なんだけど。
――――……啓介とのキスが好きで。
もーいいや。と思ってしまって。
いっぱいキスされてる間に、頭ん中。白くなっていく。
キスが、甘い。
……って感じるなんて。おかしいんだろうか。
でも、啓介のキスは、甘い。
そう思う。
優しいけど。激しいし、熱い。
甘くて、舌が溶けそう。最近、いつも、そう思う。
長いキスで、すっかり力が抜けて。
ぼーと、啓介を見上げる。 啓介が、手を伸ばして、下に触れてくる。
「……っ!!」
ぴ、と背筋が反って。 一瞬で強張ると。
くす、と啓介は笑う。
「……すぐ感じるなあ?」
「……言うなよっ」
「……たまにはここでしてみよ。……嫌?」
「……何で聞くんだよ。……ここでする気ないなら、そこ触んなよっ……」
もう……ほんと、バカ!!
「……せやな……――――……ていうかそれって」
「――――……っ……」
「する気ならもっと触ってって、言うてる?」
「……っっっ!」
声にならない文句を宿して睨みつけたら。
「――――……ん、わかった」
クスクス笑いながら、勝手に納得して頷いて。
買ったゴムとローションがあそこに……とか言いながら、啓介が部屋の隅にあった茶色の紙袋の所に行ってすぐ戻ってきた。
一緒に買い物に行った薬局で、ウキウキしながら買ってたやつか……。
特にゴムは、ローションたっぷりがどーとか、何の匂いだとか、薄いのがええかーとか、なんか色々、箱を見ながら実況するので、恥ずかしいから黙って買えよと、離れた。
……だって、男2人で、ウキウキ選んでるの、誰かに見られたら、やっぱり変じゃん。……意識してるからなのかな。
友達同士も、そんなもの一緒に買ったりすんのか? 意識してなければ、吟味しあうもの??
……とにかく意識してるからか、それ使われるのオレだと思うからか。ていうか、もー、オレ、何考えてんだっつー話だし。
……そんなの一緒に選ぶとか絶対無理、という事で、脱出した。会計も啓介が済ませたから、一体何を買ったのか、見てない。
「これ使お」
楽しそうに、見せてくる。
箱だけ何となく見えるけと、じっくり見る気はない。
何がそんなに楽しいんだか全然わかんね。なんか、恥ずかしいしか、ない。
69
****
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる