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第2章
「エロ魔人?」
しおりを挟む「……ん」
唇を少し開いたら、舌が入ってきて。ゾク、と背筋が震える。
でも、すごくすごく、ゆっくりな、キス。
オレからって、言ったから、あんまりしてこないのかなと思って。
自分からも、舌、触れさせると。啓介がくす、と笑った。
「……可愛えな、雅己……」
首筋を手でするりと触れられて、またゾクゾク。
「……ありがとな? もう……ええよ」
そう言って。
「……ん、っふ……」
深くキスされて、声が、漏れた。
「舌、出して?」
「――――……」
またやらしい顔して。
――――…… なんかオレ、その顔見ると、ゾクゾクしちゃうんだけど。
なんだろうこれ。
……病気かもしれない。
「……ん」
べ、と少しだけ舌を出すと。
ぺろ、と舐められて絡められて、奪われる。
――――…… 熱い舌に、翻弄される
何でこんな。
……めちゃくちゃ大好きって言ってるみたいなキスばっか、してくんのかなぁ……。
「……んっ……?……」
あれれ。
……いつの間にオレ、床に倒れてんの。
オレ、上に居たのに。
抱き込まれたまま、いつのまにやら、倒されていたらしい。
えっと――――……これはどこまで、やる気……。
「……っ!……」
手がシャツの下から入ってきて、素肌を撫でてくる。
「ん……ふっ……啓す――――……」
めちゃくちゃ、キスされる。
「……ここで、すんの?……」
そう聞くと、啓介は、くすっと笑って。
「……ちょっとだけ?」
「……ちょっとで……すまな――――……」
舌が絡む。もう。ほんとに、啓介って――――……。
「……ん……――――……ぅ……」
ああもー……。
「……け……すけの ……エロ魔人……」
首筋にキスしてる啓介にそう言ったら。
啓介が、喉の奥で、くっと笑ってるのが分かる。
「――――……わーた、やめる」
――――……ん?
よいしょ、と、腕を掴んで、オレを、引き起こす。
あれ?
やめんの?
「エロ魔人とか、あだ名んなんの嫌やし」
クスクス笑う啓介に、頬にキスされて、離される。
「――――……片付けてそろそろ寝るか」
「うん……」
なんだかな。
……離されて。よかったんだけど。
……んー……。
なんか。
頭ん中、白く、なりそうだったのを、途中で、ぽいぽーいと投げられたみたいで。なんか。
中途半端。
……とか、思ってるオレがおかしいのかなあ……。
エロ魔人って。
……嫌だったのかなあ? ていうかこんなの今迄もいっぱい言ってきてるような。……あ、でもちゃんと付き合ってからいうのは、嫌なのかな??
……って別に啓介、怒ってる訳じゃなさそうだけど。
「――――……雅己」
くす、と笑われる。
「……ん?」
「――――……続きしたい?」
「――――……」
「今すぐ、ベッド行く?」
「………行かないし」
なんか。見透かされたみたいで、ムカつくので、そう言い返した。
「――――……」
啓介は、ふ、と笑う。
ここ片づけて。明日の学校の準備して。
……歯とか磨いて。寝る準備して――――……。
と思ったけど。なんか。オレ。
数秒後。持った辞書とシャーペンを、テーブルの上に重ねて。立ちあがって、啓介に近付く。
「――――……エロ魔人言わねーから」
隣で、啓介を見上げて、そう言ったら、オレを見下ろして。
「……何やそれ……」
可笑しそうに笑う。
「ま、ええわ――――…… ん」
「……?」
少しだけ顎を上げた啓介に首を傾げると。
「も一度、お前からキスして?」
「――――……」
ん、と頷いて。ゆっくり、唇を重ねた。
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