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第2章
「一番好き」
しおりを挟む「……ほんま、お前、かわえぇなー……」
唇の間で、言われて、何度もキスされる。
途中で、より抱き込まれて、密着させられて、口づけられる。
「……っん……」
啓介とするキスは。
好き、と、めちゃくちゃ言われてるみたいで。
間に見つめてくる瞳も。
触れて来る手も、優しすぎて。
ほんと。
もう、なすが儘になって、困る位。
「――――……午前中もうちょっと勉強するんだよね?」
「……せやな」
「じゃここまで、にしよ?」
最後、の意味を込めて、オレから啓介に一度キスして、離れた。
「これ以上してたら、勉強できなくなるし」
「――――……」
啓介はオレの言葉に、苦笑いを浮かべて。せやな、と呟いてる。
「……図書館でも行くか?」
「ん?」
「ちょお気分転換。2人で居ると触ってまうし」
触ってまうって……。
密かに苦笑しながら。
「いいよ。ちょっと歩きたいし」
ということで、紅茶を飲み終えたら準備をして、近所の図書館に来た。
歩いて15分。駅の近くにある事は知っていたけれど、来るのは初めて。
公民館などがある建物の地下が図書館になっていた。
中は広くて、静かで。結構人が居るわりに、机や椅子も多いので、空いて見える。
「なんか、雰囲気違うね。緊張する」
「緊張……」
ぷ、と啓介が笑う。
「静かに勉強しよ」
「うん」
向かい合って座って、勉強開始。
おお、なんかすごい捗るぞ。図書館万歳。
啓介にも邪魔されないし。なんて心の中で可笑しく思いながら進める。
そのまま、話もせず、結構な時間が経過。
ある程度きりが良い所までいった所で、ふと集中が途切れた。
でもまだ啓介は集中してるから。静かにしとこうと、頬杖をつきつつ、片手で、シャーペンをくるくる回し始めた。
……目の前の啓介を、視線だけあげて、ふと見つめる。
――――……カッコいい。よなあ。
下むいてる、その伏せた感じの角度も、なんか、すげーイイ気がする。
初めて見た時から、イケメンだなーなんて思ってたけど。
年とるにつれて、大人っぽくなって。ますます、「良い男」化してる。
啓介と居れば何でも大丈夫みたいな。安心感もあるし。
ほんと。オレと恋人とか。何でかなってまだ思うけど。
でも、啓介がオレを好きって言ってくれてるのはほんとだと思うし。
オレが啓介を好きなのも、ほんとだから。
認めてしまえば。
――――……なんかこんな涼しい顔してる奴が。
めちゃくちゃ甘々で、優しくて……キスばっか、してきて。
とか。
それをオレしか知らないのとか。
……ちょっと嬉しいなとか思ってしまう部分も、多々あって。
なんかオレ。めちゃくちゃ、啓介の事好きみたい。
まあ。……高校ん時から、一番、好きではあったから。
ちょっと種類が変わっただけで。
一番好き、なのに、変わりはないんだよなあ……。
高校で会ってから、オレの「一番好き」は、ずっと啓介だったかも。
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