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第2章
「湯気出そう」
しおりを挟む「……高校の時とか我慢してたから、今そんなにすごいの?」
「――――……」
キスの間でしたオレの質問に、啓介が、目をぱちくりさせながら。
「………オレ、そんなにすごい?」
苦笑いで聞いてくる。
「え。すごい自覚無いの?」
「――――……そんな言われるほどすごいん?」
「……そう聞かれると、他の奴を知らないから、何とも言えないんだけど」
2人で見つめ合って、首を傾げて。少し笑い合う。
「……でも、オレはきっと、するほうになった時、啓介みたいにしつこくないと思う…」
「オレ、そんなしつこい?」
「……しつこい自覚はあるよね??」
「まあ。あるんかなあ」
「――――……つか待って、何の会話だ」
何だか急におかしくなって、笑い出してしまった。
「まじめな顔して、何話してるんだろ、オレ達」
「まあ、せやけど……」
啓介も苦笑いで。
「……でもあんまりしつこいとか、めっちゃ思われてンのも嫌やなあ?」
「――――……」
「しつこくて嫌なん? やめた方がええ?」
「――――……」
ちょっと心配そうに、そんな風に聞かれてしまう。
「前は、雅己が自分ちに帰る日もあったし、毎日やなかったし。……まあ、ちょっと考えとって?」
言いながら、啓介がオレから離れて、食器棚からカップを取り出してくる。
「……考えとくって何?」
「どんくらい迄なら嫌やないか?とかかな」
啓介がそんな風に言って、クスクス笑いながら、カップをカウンターに置く。
紅茶を入れてる手元を見ながら、んー、と考える。
どれくらいなら嫌じゃないか??
……それは、何? 毎日かってこと? オレが拒否ったらやめてくれるって言ってたけど、てことは拒否らなければ、毎日なのかな?
ていうか、毎日するの? できるの??
……普通そういう事って、どれくらいするの??
よく分からない。
オレ、自分でするとかだって、そんな毎日とかした事無いし。
……え。嫌がらなかった時以外毎日?として。 毎日一回……?
いやでも、啓介一回でも、オレその間に一回だった事ないし。
……いやいやいやいや、オレいま、勉強途中の、楽しいティータイムに、1人で、頭んなかで何考えてんの。
啓介が一回の間にオレが一回じゃないとか……ひー、まじで何ー!!
ぷしゅーーーー。なんかそんな音が出そうな位。
湯気が出そう。顔から。あっつ……。
頬を両手で挟んで、擦ってると。
ぐい、と啓介に引き寄せられた。
顔、見られて。クスクス笑われる。
「なんなん?――――……可愛すぎなんやけど……」
紅茶にお湯を入れ終えたみたいで。
ちょっと空いた時間。
「何をどう考えたん?」
「……考えてる内に恥ずかしくなって、無理になった」
「あ、そ」
クスクス笑って、啓介が頬にキスしてくる。
「まあえーわ。オレが雅己をその気にさせられれば、ええやろ?」
「――――……」
「嫌な時は断ってええよって事にしたもんな」
「……うん。それでいいや。もう考えるの、恥ずい」
「ん」
「それに…… よく考えたら――――…… 基本的には、嫌じゃないから……ここに居るんだし」
啓介を見上げて、そう言ったら。
啓介は、じっとオレを見つめてから。ふ、と笑んだ。
「――――……めっちゃ好き、雅己」
ちゅー、とキスされて。
頬をすりすり、と撫でられて。
ふ、と笑ってしまう。
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