【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

悠里

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第2章

「この先はずっと」

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「――――……ンん……っ」

 キスって、こんなに気持ちいいんだなあ……と。
 啓介とキスしてると、いつも頭の隅っこに、それがある。

 唇を重ねて。舌で触れて。それだけ、なのに。

「……んんっ……はっ……き、つ……」

 息、できない。
 深く重なって、舌が奥まで入ってきて。

 好きに、口内、愛撫されて。

 気持ちいい通り越して、今ちょっと、きつい――――……。

「……ん、ぅ……っ……」

 舌を吸われて、噛まれると、びく、と体が震えた。
 啓介の服にしがみついて。

 体も、めちゃくちゃ、密着してて抱き締められていて。
 
「……け、 すけ……っ」

 苦しいし。
 ――――……こんなの、おさまんなく、なる。

 少し唇を外して、名を呼んだオレを見下ろして。
 そのまま何も言わず、また唇を重ねてきた。

「――――ん……っ……」

 ――――……離す気、ない、な、これ……。

 すっかり、その気な啓介の、男っぽい、顔に。
 ゾクゾクするのはもう――――…… オレ……どうしようも、ない。

「……ベッド、行く?」
「――――……っ……食事……は?」
「もう食べたやろ?」
「……か、……片付け……」
「後でオレがしとく」
「――――……っ……オレ、今、立てない」

 足に、力、入らない。
 啓介は、くす、と笑いながら。立ち上がった。

「――――……抱き付いて?」
「――――……っ」

 ひょい、とうまく抱き上げられて、咄嗟に、啓介の首に抱き付いた。

 体重は……そこまで大きく変わらないと思うのに。
 そんなひょいひょい抱えられると、悔しすぎる。

「……オレさ……女の子じゃないんだからさ……」
「んー?」

「……ひょいひょい抱えんなよ」

 抱き付いたまま運ばれながら、啓介にぶつぶつ文句を言うけど。
 啓介はクスクス笑ってる。

 啓介の部屋に連れていかれて。そっと、ベッドに下ろされた。
 もう何度も――――……なのに、まだ、始める前は、ドキドキが半端ない。

 啓介が、ベッドのライトを カチ、とつけた。

「……お前が立てないて言うたんやろ?」

 座ってるオレの前に、膝立ちで近づいてきて。
 肩に触れた啓介に、ゆっくり後ろに倒される。

 大きな枕に背を沈める感じで斜めに座らされた、オレの脚に跨がる。

「……それに、抱えるのに男とか女とか、関係ないし」

 ちゅ、と首筋にキスされる。

「――――……お前、可愛ぇからやし」

 また、唇にキスされる。

「……あ……まだ途中やった」
「……ん……?」

「……さっきの話」
「……何だっけ?」

 聞くと、啓介、すごい苦笑いを浮かべてる。
 両頬、挟まれて。じっと見下ろされる。


「……オレ、この先はずっと、他にはいかんで、お前と居るからな……」


 ――――……あ、その話か。


「……うん。――――……オレも。居る……」

 頷くと。ちゅ、とまたキスされて。


「まじめに話しとったのに――――…… 可愛ぇんやもんな……お前……」

 ん?
 ……話中断して、こうなったの、オレのせい……?

 そんな事を思いながら、啓介をむ、と見つめると。

 何を思ってるんだか。
 クスクス笑いながら。また唇が重なって。深く、キスされる。





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