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第2章
「どんな意味でも」
しおりを挟む――――……毎日してたら飽きちゃう?とか。
――――……毎日一緒だと嫌じゃない?とか。 そう言われてしまうと、もうなんかオレ、そう言ったとしか、思えない。
……恥ずかしすぎる。
もうこの話はおわりにしよ、とばかりに、ばくばく食事を食べ始める。
そんなオレにクスクス笑いながら。
「飽きるとかは大丈夫やと思うで。オレ、一生、出来るだけお前の近くに居ようって思うてるし」
「――――……」
「まあ。お前が嫌にならない限り、やけどな」
くす、と笑って。そんな風に言う。
「飽きるとかやなくて、いっこずつ、好きになってくもんなんやと思うし」
「――――……じゃあ。分かった。普通に、居る事にする」
「ん」
頷いて、啓介もまた、食事を再開。
「……なあ、雅己?」
「ん?」
「1回聞きたかったんやけど」
「うん」
もぐもぐもぐ。
「……オレの事、いつから、そういう意味で、好きになってくれたんか、分かる?」
「……っご、ほっ!!!」
「あーあー……」
変な方に吸い込んで、苦しんで咳き込んでるオレを、ため息交じりにそう言いながら、背中をさすってくれる。
「……だいじょぶか?」
やっと収まって、涙目を拭いてると、啓介はものすごい、苦笑い。
「……はー……苦しかった……」
……辛かった。
……そんで、なんだっけ。
「――――…… 啓介を、いつからって……」
「……うん。いつ?」
苦笑いしながら、オレを見る。
「まあ……カッコいい奴なーていうのは、転校してきた日から、思ってたよ?」
「――――……ふうん。そうなんや」
「うん。まあ。それは見た目な? ……ただ、それは……好きとかじゃねーから……んー。その後、一緒に居て楽しかったし。 啓介、オレを特別扱いしてくれるから…… それが嬉しかったのはあったし……」
「特別って……例えば何……?」
「……家に泊まりにおいでっていってくれたり。 夏休みとかも、泊まりっこしてたし。 ……他の奴とはしてなかったじゃん?」
「ああ……」
「――――……でも、あれも、やっぱり、友達だったし……高校ん時はずっと友達で……」
「……――――……」
啓介は、何が楽しいのやら、ニコニコしながら、オレを見てたけど。
オレがうーん?と考え始めると。
「わーた。じゃあ、ほんまに最近なんやな」
そかそか、と納得してるっぽい、啓介。
「――――……んー……まあ……ちゃんと、頭で思ったのは、そうかも」
オレの、微妙な言い回しに、啓介は、ん?と首を傾げた。
「どういう意味や?」
「――――……どこから、とかはよく分かんない。男同士で友達って思ってたし。だから、そんな風に考えた事は無かったし」
――――……意識して好きになったのがいつって言われたら……ついこないだ、かもしんない。受け入れようって、決めた時、がその時かもしんないけど。
「そこ、区切んないと嫌? ちゃんと区切るなら、最近だけど。……でも、全然そんな気持ちない奴と――――……寝ないし……好きって言われてから……でも、つい最近まで色々悩んでたし……うーん。分かんないかも……」
「――――……いや。もう、ええわ。 区切らんで」
ふ、と啓介が笑う。
「……オレの事、どんな意味でも、前から好きやったってのでええわ」
なんか、啓介はそんな事を言って、ほくほく嬉しそう。
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