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第2章

「25時間」

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「……大丈夫って……変じゃない?」
「まあ、せやな……少し変かもしれんけど」

 クスクス笑ってしまうと、啓介も、おかしそう。

「――――……じゃあさ。……オレが疲れてる時とか……今日はやだって時は、無しでいい?」
「ん。えーよ」

 ……うん、じゃ、とりあえず、よかった。

「じゃあさ、あとさ、……ご飯も、学校の行き来も、学校も結構授業ほぼ一緒だし……友達もかぶってるしさ。寝るのも一緒とかいったら、24時間一緒にも居れちゃう、気がするんだけど」

「せやな」

「それで、良いの……??」
「――――……雅己は?」

「ん?」
「……雅己は、それだと嫌なん?」

 逆に聞かれた。

「……オレは別にそれでもいいんだけど」
「ええの?雅己」

「……うん。別に。嫌だったら、ここ来てないし」
「雅己がええのに、何でオレに聞くん?」

 何だか啓介がすごく不思議そうな顔で聞いてくる。

「……え、だって、啓介が嫌かもしんないじゃん?」
「……そんな訳ないやん」

 はー、とため息の啓介。

「オレがお前とずっと居たくて同居したい言うたんやし、ずっと好きやて言い続けてたんもオレやけど」
「――――……」

「これでオレが、お前とずっと居るのが嫌なんて言うたら、ほんまに意味わからんけど、そう思わん?」
「……でも、一緒には居たいけど、24時間ずっとは嫌かもしんないじゃん?」

 啓介は、フルフルと首を振ってから、オレの両頬を、ぶにっと手でつぶした。

「アホか。 24時間中25時間でも一緒に居たいけど?」
「――――…………ん?? 無理じゃね?」

 口とんがったまま、そう言うと、啓介はおかしそうに笑いながら手を離した。

「だからそん位、一緒に居たいって事や」

 そのセリフに、んー、としばし考えて。


「じゃあ、もう、ずっと一緒に居るって感じでいいの?」
「ええに決まってるやん。 逆に嫌やて言うたら、どーするつもりやったん?」
「……んー、敢えてたまには、ご飯別にするとか。 別に遊びに行くとか?」
「なんでそーなるん……」

 ため息をついて、啓介がそう言った後。
 急に、ふ、と笑った。

「なに?」

 なんか、なに急に、にやにやしてんの?

「――――……なんや、こーして話してると」
「うん?」

「お前の方が、オレの事、好きみたいに聞こえるな?」
「――――……」

「毎日してたら飽きちゃう?とか。毎日一緒だと嫌じゃない?とか。 めっちゃ可愛く思えてきたんやけど」
「そ――――……そんな言い方してねえしっ」

「そう? 言うてる事、そーいう事やろ?」

 クスクス笑われて、かあっと赤くなった頬が、ますます熱くなる。


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