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第2章
「寝るって」
しおりを挟むしばらくどう言おうか悩んだけれど。
もう、これは。 ……そのまま、聞くしかないかなと、頑張って聞いてみる事にした。
「あ、のさ……啓介……」
「ん?」
「………寝るって、さ」
「うん」
「………寝るだけ……?」
「――――……」
オレのその質問に、啓介は、しばらく無言になって。
ぷ、と笑い出した。
「……毎日するかって、そーいう話?」
うわわ、お前、バカなの?
恥ずかしいから精一杯遠回しに聞いてんのに、何でそんな直接的なの?
「は。真っ赤。 ていうか――――…… オレ、結構な数、お前としてるし、今更、するかどうかとか口に出したかて全然平気でもええと思うんやけど……」
無理無理無理。
首を振ってると。
また可笑しくてたまらないといった顔で啓介は笑う。
「お前、ほんま、いつまでそんな可愛えのかなー……」
クスクス。ずっと笑ってる。
「……んー……オレは、いつでもお前に触りたいけどな。……最後までしなくても……なにかしら触りたいとは思う」
「………っ」
やっぱりこういう話するのって、すっごい恥ずかしいぞ……。
……触りたいって。
いつでも触りたいって……。
……かあっと、熱くなる。
熱くなる。って事は――――…… オレ、嫌じゃないんだよな。
なんだかな……。
「そこは――――…… 雅己と、相談、かな?」
「……相、談……?」
出てきた意外な言葉に、ぽけ、と啓介を見つめる。
いつも相談とかじゃなくて、迫られるまま、してる気がするから。
「やっぱ最後までするってなると、お前の体の負担の方が大きいやんか?」
「……」
……不思議な位、あんまり負担、無いんだけどね、オレ。
――――……疲れるけど。
気持ちいいだけだし。
……って、言えない、こんな事は。
「……啓介ってさ。いいよって、言ったら……毎日、すんの?」
「――――……オレ、おかしいくらい、お前の事、好きやからなー……」
「……飽きない?」
思わず聞いた質問に、啓介は、ん?と意外そうな顔。
「……飽きる訳ないやん」
「……何で?」
「……めっちゃ可愛ぇって思って、毎回してんのに。なんで飽きるん?」
むーん。
……なんで飽きるかっていわれると困るけど。
……なんで飽きないって言えるんだろ。
「……だって、普通は飽きるから……浮気したりするんじゃないの?」
「そんなん、相手の事ほんまに好きやないからやろ。お前裏切ってそんな事して、何が楽しいん。 やっと一緒になれたのに、何で飽きる話されなきゃいけないん?」
「――――……」
「飽きる訳ないやん。毎回毎回、可愛ぇし」
「――――……」
「毎日してたら飽きるとか思うてんの?」
「……まあ……少しは思うけど」
「大丈夫」
大丈夫なのか……。
ぷ、と笑ってしまう。
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