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第2章

「伝えない」※

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 くる、と啓介に背を向けて、とりあえずガードの為にも下着を履く。
 後ろでくすくす笑ってた啓介は、オレが下着を履いた瞬間。

「ちょお、じっとしてて」
「……は? なんで」

「背中のラインめっちゃ綺麗――――……舐めたい」
「は? やだよ、なに……ひゃっ……!」

 背筋の真ん中に、ぞわぞわっとした感覚。
 うわ、ほんとに、舐めた。

 感覚強すぎて、背筋がぴん、として、硬直。

「いや、だ、それ――――……」

 つ、と上まで舐められて、首筋に舌が這って、びくんと震える。
 顎が捕らえられて、後ろ向かされて。そのまま深くキスされる。

「……っん、ぅ……っ……は……っ」

 やだやだ。背筋舐められた感覚、まだ全身に残ってるのに。

 息できないわ、ゾクゾクしすぎて辛いわ、
 結局ぐったりする位、キスされて。
 
「――――……下触ろうか?」
「……っ……」

 もうなんか――――…… さっきまでさんざんされてたのに。
 なんで反応するんだ…… ていうか、反応するわ、こんなの!

 もう、啓介の、 バカ。アホ! 変態!! 変態!!!!


「……口でしよか?」
「――――……っ……」

「嫌言わへんなら、してまうよ」
「……っ……」

 嫌だけど。
 ……おさまんないし。

 ………でも嫌だけど。


「――――……ん、わーた」

 返事をしないのを了解と取った啓介に、壁に背をつかされて。
 クス、と笑った啓介が、膝をついた。

「――――……っ……」

 熱い口内に包まれて。
 くらくらするような快感の中で、呆気なく、達してしまった。

 とんでもない事に、それを飲んだ啓介に、どん引きして一気に血の気が引いたオレは。


 もう絶対やだ、絶対、お前、嫌い、もう触んないで、と、
 めちゃくちゃ、キレて。

 結構な時間、風呂場ですったもんだ。
 
 ――――…… ていうか、一方的にオレが怒ってて、啓介は笑ってたけど。

 せっかくシャワー浴びたのに、めちゃくちゃ汗ばんでしまったオレは、もう一度、シャワーを浴びる事にして。

 それはそれはもう、めっちゃくちゃ、怒りながら。

 啓介に新しいバスタオルを用意させて。

 絶対リビングで待ってる事を約束させたから、2回目は、ちゃんと服を着て、リビングにたどり着けたけど。


 ………疲れた。もう。ほんとに。

 リビングでオレを迎えた、超楽しそうな啓介をすっごく睨んでしまう。でも、よしよし、と撫でられて、怒らんで、とキスされると。

 ……なんか怒ってるのも面倒になるというか。
 優しく笑まれると、許してしまうというか。


 ……何かもうオレ、完全に、思うままで、もーダメかもしれない……。
 

 と、密かに思いながら。




 これは調子に乗るから絶対伝えないもんね。

 と、誓った。




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