109 / 249
第2章
「伝えない」※
しおりを挟むくる、と啓介に背を向けて、とりあえずガードの為にも下着を履く。
後ろでくすくす笑ってた啓介は、オレが下着を履いた瞬間。
「ちょお、じっとしてて」
「……は? なんで」
「背中のラインめっちゃ綺麗――――……舐めたい」
「は? やだよ、なに……ひゃっ……!」
背筋の真ん中に、ぞわぞわっとした感覚。
うわ、ほんとに、舐めた。
感覚強すぎて、背筋がぴん、として、硬直。
「いや、だ、それ――――……」
つ、と上まで舐められて、首筋に舌が這って、びくんと震える。
顎が捕らえられて、後ろ向かされて。そのまま深くキスされる。
「……っん、ぅ……っ……は……っ」
やだやだ。背筋舐められた感覚、まだ全身に残ってるのに。
息できないわ、ゾクゾクしすぎて辛いわ、
結局ぐったりする位、キスされて。
「――――……下触ろうか?」
「……っ……」
もうなんか――――…… さっきまでさんざんされてたのに。
なんで反応するんだ…… ていうか、反応するわ、こんなの!
もう、啓介の、 バカ。アホ! 変態!! 変態!!!!
「……口でしよか?」
「――――……っ……」
「嫌言わへんなら、してまうよ」
「……っ……」
嫌だけど。
……おさまんないし。
………でも嫌だけど。
「――――……ん、わーた」
返事をしないのを了解と取った啓介に、壁に背をつかされて。
クス、と笑った啓介が、膝をついた。
「――――……っ……」
熱い口内に包まれて。
くらくらするような快感の中で、呆気なく、達してしまった。
とんでもない事に、それを飲んだ啓介に、どん引きして一気に血の気が引いたオレは。
もう絶対やだ、絶対、お前、嫌い、もう触んないで、と、
めちゃくちゃ、キレて。
結構な時間、風呂場ですったもんだ。
――――…… ていうか、一方的にオレが怒ってて、啓介は笑ってたけど。
せっかくシャワー浴びたのに、めちゃくちゃ汗ばんでしまったオレは、もう一度、シャワーを浴びる事にして。
それはそれはもう、めっちゃくちゃ、怒りながら。
啓介に新しいバスタオルを用意させて。
絶対リビングで待ってる事を約束させたから、2回目は、ちゃんと服を着て、リビングにたどり着けたけど。
………疲れた。もう。ほんとに。
リビングでオレを迎えた、超楽しそうな啓介をすっごく睨んでしまう。でも、よしよし、と撫でられて、怒らんで、とキスされると。
……なんか怒ってるのも面倒になるというか。
優しく笑まれると、許してしまうというか。
……何かもうオレ、完全に、思うままで、もーダメかもしれない……。
と、密かに思いながら。
これは調子に乗るから絶対伝えないもんね。
と、誓った。
70
お気に入りに追加
1,847
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
奴の執着から逃れられない件について
B介
BL
幼稚園から中学まで、ずっと同じクラスだった幼馴染。
しかし、全く仲良くなかったし、あまり話したこともない。
なのに、高校まで一緒!?まあ、今回はクラスが違うから、内心ホッとしていたら、放課後まさかの呼び出され...,
途中からTLになるので、どちらに設定にしようか迷いました。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる