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第2章

「うーん?」

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 あれから、キス、やっと離してもらえて。
 オレがぐったり疲れてたから、休んでる間に啓介が先にシャワーを浴びて、啓介がご飯を準備してくれる間にオレがシャワー、という事に決まった。
 別々に浴びるのは、オレが譲らなかったから。

 シャワーを浴び終えた啓介が、呼びに来てくれたので、めちゃくちゃだるかったけど、バスルームにやってきた。

 熱いシャワーを浴びて、ふと、気づくと。

「……っ……」

 いつのまについたか分からない場所にまで、キスマークがついてて、見ると恥ずかしすぎるので、もう、見ない事にして、手早く体を洗う。

 もーーーー……啓介って……。
 ……ほんとに、やらしい事すんの、好きだよな……。

 触り始める時の、あの楽しそうな顔、もう絶対拒否っても無駄なんだろうなと、段々諦めが入ってきてしまった。

 ……でもいつか、こんなには、しなくなるのかなあ。
 ていうか、こんなに毎日してたら、飽きないのかな??

 だって、いつも同じ反応の、いつも同じ顔と体のオレとだし?
 しかもオレ男だしなー。

 いつか女の子としたくなっても、オレ、文句言わないかも。
 しょうがないなって思っちゃいそうだよなー……。

 ――――……んー。でも。

 ……啓介が、オレを抱くみたいに、楽しそうに、誰かを抱くんだって思ったら……。
 ……あれ。なんか、すげえ、嫌かも。

 あれ、前は、本気で、女の子んとこに行けばいいのにって、思ってたような。あれあれ? 何、オレ。

 ………啓介が他の奴抱くの、嫌になってんの?

 前まであんなに、色んな子と付き合ってたんだし、これから何人増えたって、変わらないかも、とか、思いもするんだけど……。

 あれ? なんか。
 ――――……抱いてるとこ想像してしまったら、すげえ嫌かもしれない。

 んー……でもなー。
 ――――……つなぎとめるのって、難しいよなー。

 ……まだまだ人生長いし。

 うーん……。

「雅己ー? 大丈夫か?」
「えっ? ……なにが?」

 外から急に掛かった声にビックリして、返事をしたら。啓介が笑いながら言った。

「めっちゃ長いから。 倒れてへんよな?」
「あ、うん。今出る」

「ん、おいで」

 ……おいで?

 きゅ、とシャワーを止めて、バスルームのドアを開けると。
 啓介がバスタオルを持って、立ってて。

 何を言うより早く、ふわ、と包まれて、優しく拭かれる。
 髪の毛をざっと拭いて、そのまま体に降りてく。

「自分でやるから」

 バスタオルをもらおうとするけど、「ええからええから」と、拒否られる。
 結局全部拭かれてしまって。

 うーん、恥ずかしいんだけど……と、眉を寄せてると。

「キスマーク、ほんまめっちゃ残るなあ……」

 クスクス笑われて、誰のせいだよと文句を言おうとした瞬間。
 つつ、と、キスマークの後を辿って、指先で線を引かれた。

「ひゃ……っ!」

 自分でもびっくりするような声が上がって、体が震えて。
 そしたら、啓介まで、びっくりしたような顔をして。

「……何や、今の声。可愛ぇなーほんま」

 ちゅーちゅー頬にキスされるのを、押しのける。


「つか、くすぐったいからだっつーの!! いきなり触んなよっ」

 もう、ほんと、やだ、啓介。バカ。変態。





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