【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

悠里

文字の大きさ
上 下
106 / 249
第2章

「今更」※

しおりを挟む
 やっと、終わった時にはもう、息、上がりすぎて。もう、きつすぎるし。
 終わったのに、更にめちゃくちゃキスされて、頭が白いまま。

「……ん、……ぅ、……っ……」
「――――……」

「……んん……」
「――――……キス好き?」

 頭真っ白なまま、一生懸命、応えてたら、くす、と笑った啓介に聞かれた。

「……ん…… でも――――……息、できない……」

 はあ、と息をつくと。
 啓介は最後にちゅ、とキスして、やっと、離してくれた。

「――――……来いや」
「え?」

 何かと思ってる間に、脇に手が入って、そのまま抱き寄せられて、啓介の体の上に乗せられた。腕枕と言うよりは、もう完全に乗っかっちゃってて、頭は啓介の顎の下。脚が巻き付いてきて、密着感が半端ない、抱き締められ方で。

「……ちょ……」
「――――……雅己」

「……これ、かなり恥ずかし……」
「――――……ええやん。顔見えへんし」

 啓介の顎が、頭をすりすりしてくる。

「……お前って……ほんとに……」

 はあ、とため息ついて、そこでもう黙る。

「――――……めっちゃ好き……」

 ちゅ、と頭にキスしてる啓介、もう、ほっとく。

 なんかもうこのまま寝ちゃいたい……疲れた。
 ――――……でも、ご飯食べたいなー……。

「――――……雅己、シャワー浴びよか?」
「んー……ていうか、さっき浴びたばっかなのに……」

「せやけど、めっちゃぐちゃぐちゃになっとったし。特にお前……」
「……っっっ 誰のせいだよっ……」

 もう、ほんとやだ、こいつ。

「んー、オレのせいやなー」

 言いながら、クスクス笑ってる。

「何で嬉しそうなの」
「せやかて、雅己ぐちゃぐちゃにすんのは、オレだけやし」

「……あーもう……ッ変態」

 ぐい、と啓介の胸を押しのけて起き上がって、下着はどこだろと探しだしたら、腕を掴まれて、引き戻された。

「……もー、離せっつの」
「……嫌や」

 むぎゅ、と抱き締められてしまう。

「……はーもう……お前、ほんとに……」
「……ん?」

「お前の事カッコいいとか言ってる奴にさ――――……今のお前、見せたい」

「……どんなオレ?」

 クスクス笑う啓介。

「――――……変態でしつこいお前……」
「……ふーん……?」

 啓介は、面白そうにオレを見て。
 それから、オレの頬に手を滑らせた。


「可愛くてしゃあないんやもんなー……」

「――――……っ」


 マジメな顔して、面と向かって、そんなこと、言うなよ!
 すっげー恥ずかしいから!!



 今更なのに。……何回も、可愛いなんて言われてるのに。


 頬挟まれて、真顔で、真正面で、こんな至近距離で言われた瞬間。
 かあっと、顔に熱が集まった。



 こ、これじゃ喜んでるみたいだし!
 つか、恥ずかしいだけだから!!



 はーなーせーー!

 啓介から離れようと藻掻くのだけれど。
 頬の手に益々引き寄せられて、優しくキスされてしまう。




 ――――……キスされてからは、頬からも手が外れたし。
 離れられるのに。

 何で離れられないのか、全然意味が分からない。







しおりを挟む
****
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)

感想 71

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...