【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

悠里

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第1章

「やっぱり悩む……」

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 一緒に夕飯を作って食べ終わって。
 片付けてる間に、啓介を先にシャワーに送り出した。 

 しばらく経って。

「ただいまー」

 言いながら、ちょうど食器を片付け終えたオレを抱き締めてくる。
 ほこほこ、あったかい。

「片付けありがとな」
「うん。オレも入ってくる」

「雅己、何か飲む?入れとく」
「んー……ココア」

「りょーかい」

 啓介から離れて、シャワーを浴びに向かって、服を脱ぐと。


 ……うー。……分かってたけど、キスマーク、すごい。
 どんだけ、あとつけるかな……。

 オレのもん、て感じでめっちゃ好き。

 ……て、前、言ってたな……。アホ啓介。

 ……オレって。
 この先ずっと、啓介と居てもいいって……思ってる、のかな。

 ――――……啓介のまっすぐすぎる、言葉とか、感情とか。
 あまりにまっすぐ向かってくるから……なんか……逃げ場がないまま、巻き込まれてる感じで、まともに考えたりできてない気も、してたけど。

 付き合えばいいんだろ、から始まって。
 今は、そのまま、啓介と付き合ってる形になってるけど。

 落ち着いて考えると、オレの「恋愛」は、今でも対象が、女の子なんじゃないのかな、と思ったりも、する。

 でも、啓介のことは、大事で。
 友達で居た時から大好きで。
 突然告白されても、気持ち悪いとか思えなかった位には―――……大好きで。

 一緒にいる事になんの不都合もなくて、抱き締められたりキスされたりするのも、今は嫌じゃない。 気持ち良い事も、覚えさせられて。

 啓介のことは大好き、なんだけど。


 ――――……やっぱり、はっきり、分からない。
 
 カギなんか、渡されてしまうと、余計、ちゃんと答えを出さなきゃいけない気がして。急に答えを出そうとすると、余計に分からなくなる。


 どうすべき?

 分かるのは。
 居心地よすぎ。
 楽しい。
 安心する。

 だから、離れたくない。
 ていうのは、分かってる。んだけど。



 オレ。
 やっぱ。男だからな……。

 そこがどうしたって、ひっかかる。


 オレ達、多分。


 オレは、相手が啓介じゃなかったら。
 啓介は、相手がオレじゃなかったら。

 ……男同士で、こんな風にしてないと、思うんだよね。

 元々は、女の子と恋するものだと、オレ達、思ってたと思うし。

 仲が良すぎちゃったのかな。
 ――――……会った時からなんか好きで、ずっと一緒に居すぎちゃったのかもな、オレ。

 今はいいけどさ。


 いつかオレ、急に、女の子に好きな子出来たら、どーすんの。
 啓介だって、いつかふとした瞬間に、気づくかもしれない。


 女の子と付き合った方がいいって。


 どっちかがそうなった時。オレ達、どうするんだろう。



 ――――…… そこ考えてると、分かんなくなる。




 合鍵なんて、貰っていいのかな。
 このまま、突き進んで。……ほんとに、いいのかなあ。





 悩むー …………。


 悩みながらも、現実は、体にいっぱいキスマークついてて。
 ……ああ、もう。

  
 体と心の状態が合ってなくて、困る……。



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