45 / 250
第1章
「やっぱり悩む……」
しおりを挟む一緒に夕飯を作って食べ終わって。
片付けてる間に、啓介を先にシャワーに送り出した。
しばらく経って。
「ただいまー」
言いながら、ちょうど食器を片付け終えたオレを抱き締めてくる。
ほこほこ、あったかい。
「片付けありがとな」
「うん。オレも入ってくる」
「雅己、何か飲む?入れとく」
「んー……ココア」
「りょーかい」
啓介から離れて、シャワーを浴びに向かって、服を脱ぐと。
……うー。……分かってたけど、キスマーク、すごい。
どんだけ、あとつけるかな……。
オレのもん、て感じでめっちゃ好き。
……て、前、言ってたな……。アホ啓介。
……オレって。
この先ずっと、啓介と居てもいいって……思ってる、のかな。
――――……啓介のまっすぐすぎる、言葉とか、感情とか。
あまりにまっすぐ向かってくるから……なんか……逃げ場がないまま、巻き込まれてる感じで、まともに考えたりできてない気も、してたけど。
付き合えばいいんだろ、から始まって。
今は、そのまま、啓介と付き合ってる形になってるけど。
落ち着いて考えると、オレの「恋愛」は、今でも対象が、女の子なんじゃないのかな、と思ったりも、する。
でも、啓介のことは、大事で。
友達で居た時から大好きで。
突然告白されても、気持ち悪いとか思えなかった位には―――……大好きで。
一緒にいる事になんの不都合もなくて、抱き締められたりキスされたりするのも、今は嫌じゃない。 気持ち良い事も、覚えさせられて。
啓介のことは大好き、なんだけど。
――――……やっぱり、はっきり、分からない。
カギなんか、渡されてしまうと、余計、ちゃんと答えを出さなきゃいけない気がして。急に答えを出そうとすると、余計に分からなくなる。
どうすべき?
分かるのは。
居心地よすぎ。
楽しい。
安心する。
だから、離れたくない。
ていうのは、分かってる。んだけど。
オレ。
やっぱ。男だからな……。
そこがどうしたって、ひっかかる。
オレ達、多分。
オレは、相手が啓介じゃなかったら。
啓介は、相手がオレじゃなかったら。
……男同士で、こんな風にしてないと、思うんだよね。
元々は、女の子と恋するものだと、オレ達、思ってたと思うし。
仲が良すぎちゃったのかな。
――――……会った時からなんか好きで、ずっと一緒に居すぎちゃったのかもな、オレ。
今はいいけどさ。
いつかオレ、急に、女の子に好きな子出来たら、どーすんの。
啓介だって、いつかふとした瞬間に、気づくかもしれない。
女の子と付き合った方がいいって。
どっちかがそうなった時。オレ達、どうするんだろう。
――――…… そこ考えてると、分かんなくなる。
合鍵なんて、貰っていいのかな。
このまま、突き進んで。……ほんとに、いいのかなあ。
悩むー …………。
悩みながらも、現実は、体にいっぱいキスマークついてて。
……ああ、もう。
体と心の状態が合ってなくて、困る……。
82
****
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)
お気に入りに追加
1,882
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
推しの恋を応援したかっただけなのに。
灰鷹
BL
異世界転生BL。騎士×転生者の王子。
フィアリス王国の第3王子であるエドワードは、王宮で開かれていた舞踏会で前世の推しである騎士と出会い、前世で好きだった恋愛ファンタジー小説の世界に転生していたことに気づく。小説の通りに推しが非業の死を遂げないよう、奮闘するエドワードであったが……。
攻め:カイン・ド・アルベール(騎士/20才)
受け:エドワード・リーヴェンス・グランディエール(第3王子/転生者/18才)
※ こちらはBLoveさんの短編コンテストに応募した作品を加筆修正したものです。後半は大幅に内容を変えているので、BLoveさんで既読の方にも楽しんでいただけたらいいなと思います。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。


ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる