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第1章

「イイコト?」※

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 ――――……あ。


 すげえ今、イイコト思いついた。
 ……こいつ、狼狽えさせるには、きっと十分。

 ただ、それをやるには、なんか、こう……。
 男としての色んなもの、捨てるような気もするような……。


「……早よ着けてや。 な、雅己、ちょお腰上げて? 中、慣らす」

 くっそ、ムカつく。

 何かほんと自分だけ余裕で、オレにこんな恥ずかしい事、要求して。
 もう、頭きた。


 ……やってやる。



「――――……っ……」

 意を決して、ぱく、とそれを口に含んだ。

 啓介がオレにそれをやった何回かは、オレが超抵抗するからか、いつも、すごい勢いで一気に快感高められて――――……なんか、あれは、あっという間に頭真っ白にさせられて、正直どうやってるのかよく分からないけど。


「ちょっ――――……雅己……っ?」


 珍しく焦った 声で、呼ばれる。


 ははーん。ざまーみろ。


 と、心の中で悪態はつくけれど。

 ――――……さて、くわえてみたけれど、こっからどうしたら?
 頭によぎるのは、過去に見たことのある、AVの映像のみ。

 えっと……吸う? 舐める?
 ……とりあえず、舌で――――……??

 口の中のそれを、舌で、ぐる、と舐めてみた。

「――――……ん……?」

 なんか、変な味。
 ――――……うまくはない。

 でも、吐き出したいほど、嫌悪は無い、のが、何故なのか不思議だけれど。


「……ん、……っ」

 ……苦しいなこれ。
 啓介がやる時、どうやって……。

 口から出して、つ、と舐めてみる。

 うわ、なんか、ますます硬くなってきた気がする。

「……雅己……」

 なんかすごく艶かしい声に呼ばれて、口に入れたまま、啓介を見上げる。


 ――――……どんな顔、してるんだろ。

 ……うわ。
 見た瞬間、すぐ、後悔して、俯いた。

 すっごい、気持ちよさそう。
 こんな、へたくそ、だろうに……オレ。

 その顔見たら、腰から背筋から、何だかぞくぞくが上がってきてしまう。



「っん、ふ……」

 自分が好きだと思うやり方で、してみる事にした。
 手で触れながら、舌でも触れて、少し吸ってみたり。

 何が正しいのか分からないけれど、啓介が震える。 
 感じると、ビクビク、するな、これ……。

 ……吸われるの、好きそう――――……。
 思った途端。


「――――……っの、あほ……」

 急に、頭を持たれて、無理無理抜かれた。吸い付いてたのが抜けた衝撃か、口の中に少し出されて。けほけほ、と咳込む。

「……っ……言ってから動かせよ……っ」

 口をぐい、と拭って、言った瞬間。
 脇から手が入って持ち上げられ、ベッドに背を沈められた。


 ん?

 ――――……んん??


 背中をベッドに沈められて。さっきまで纏っていた布団は床に置き去りなので、完全に包まれていた所から一転、全裸にされた。上に、啓介がまたがってくる。


「――――……どんだけや、お前……」

 なんか、すごく、切羽詰まったような、声。

 顔を見上げて、ドキ、と胸が弾む。

 めちゃくちゃ、欲情、してそうな、顔。
 色気ありすぎて、オレにまで、その感情がうつって、しまいそうな位。


「……っ」


 やばい。 なんか……。
 オレ、すごく余計なこと、した、かも……。

 
「――――……啓介……あの……」


 ……ちょっと……ていうか、かなり、怖い。

 そりゃ普段だって、こういう時の啓介は、オレが心の中で「ケダモノ」呼ばわりしてる位、エロくて、やらしくて、普段とは違うのだけれど。

 なんか、それどころじゃ、ない。

 オレに、つけさせようとしてたゴムを手早くつけたのを見て、このまま入れられるのかと、焦る。思わず後ろ手をついて、上に逃れようとしたのだけれど、足首を持たれて引き戻された。

「……や……」
「――――……痛くはせえへんから、じっとしとけや」

 その声も、熱い息とともに、焦れったそうに言われて。
 脚の間にいる啓介には何もできず、シーツを手繰り寄せた。

 明るいから嫌だとか、とても、言える雰囲気ではない。


「――――……っ……」

 啓介の手に垂らされたローションが、中に性急に埋め込まれて刺激される。さっきも、ずいぶん慣らされていたからか、痛みがまるで無くて。
 ぞくぞくした快感だけが、一気に、高められる。


「――――……っふ……っ……ん、あ……っ」

 中の指が増やされて、その激しさに、顔を背けて、唇をかみしめた。
 その首筋を、啓介の舌が、べろ、と舐める。


「……んぅ……っ……や……っ……」
「――――……も入れるで」

 ぐる、と回転させて中を擦ったあと、指を抜かれた。焦る間もなく。
 啓介のを押し付けらたと思った瞬間、ぐい、と、いきなり奥まで、突き上げられた。

「ひ、あっ……――――……っ……!!

 奥まで突かれたたけで、イッてしまいそうだったのに、すぐに抜かれて、また突かれる。

「……ん、あ……っ……ぁっ……」
「――――……どこがええ?」

 ……そんな質問、答えられる訳、ない。
 噛みしめても、すぐに喘ぎで 唇が解かれる。


「……は、あ……ンっ……」
「……こっち?」

 言いながら、いつも指で擦られると感じすぎて怖くなる箇所を、何度も何度も突いてくる。頭の中が、真っ白になっていく。


「……んっ……あっ……んんぅ…」

 ひっきりなしに喘ぐ唇を、啓介が激しいキスで塞ぐ。

「……ん……っ……」
「――――……やっぱり奥がええか、どっち?」

「……ひ、あっ……!」

 深く深く突き入れられて、仰け反る。

「……やだ……や……っあ、あ……っん……」

 ぶる、と震えて、イッてしまった。息もまともに、できない。



「――――……奥のがええみたいやな…」

 体がビクビク震えっぱなしなのに、啓介は、オレの右足を更に抱えあげた。


「……っ……ん……っ」

 奥を突かれる湿った音が、はっきりと聞こえるような気がして。
 羞恥に、視界が、滲む。

「……やだ……は……っ……あっ…ンァっ……」

 ぐぐ、と奥まで挿し入れられて、どうしようもない快感に、仰け反る。
 のけ反った胸に、啓介が舌を這わせてきて。噛まれて、震える。


「……ンあ…っ……やだ…っ……や……っ!」
「―――……やだやだ言うなや……」


「……あっ……ンン……!」


 ――――……もうオレ……イったのに……。
 だめだ、なんかもう……体、何されても、気持ちよくて。



 オレを、見つめる、啓介の、激しい欲情をまとった視線に。



 頭、おかしく、なる。




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