【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

悠里

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第1章

「いま、むり」※

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「――――……雅己……」

 髪や顔に何度もキスされて。
 くすぐったくて、目をぎゅ、とつむる。

「……啓介、あの……それ、やめて」
「……無理」

「……っ」


 ……無理は、こっちだっつーの……。
 嫌だ、こんなの、ずっと続くなんて。


「啓介、ちょっと、今、やめよ。オレ、無理……」
「――――……は?」

「……また後にしよ、今ちょっとほんとに、無理――――……」

 啓介の胸に手をついて軽く押しながら、体を起こして、ベッドから降りようとして――――……。

「そんなん聞くと、思うてる?」
「……っ」

 ……聞いてもらえないと、ドキドキで、死ぬかもしれないけど。

 思うけど言えないまま、手をとられ、背をまたベッドに沈められて。
 また頬にキスされた。

「何で今、嫌なん?」

「――――……っなんか……恥ずかしくて、死にそうだから今は……」
「――――………っ」

 啓介が、ちょっとびっくりした顔をして。 
 それから、かあっと、赤くなった。

「……は??」

 啓介が、赤面するとか。そんなありえない光景を見たら、余計にもっと、恥ずかしくなって、耳まで熱くなる。


「ちょ、おまえ、ふざけんなっ」

 ぐい、と押しのける。

「何でお前まで、そんな顔するんだよっ」
「……っつか、お前、今更恥ずかしいとか可愛ぇ事、そんな赤い顔して言われたら――――……」
「……っ」

「そりゃ照れるやろが。……これ、オレのせいやないわ」

 ……っ何言ってんの、こいつ、もう、恥ずかしいなっ。
 もう、マジで、無理無理無理。

 今すぐ猛ダッシュで、ここの家から出ていきたい。


「っっっ バカ!! あ、もうマジで無理。 今、したら、絶対死ぬからっ」

 顔見てんのも無理。
 そう思って、オレは、うつぶせになって、枕に突っ伏した。

 ぎゅう、と枕を抱いて、もう1ミリも動く気はない。


「――――……」

 はあ、と後ろでため息の気配。
 そんな嫌味なおっきなため息つかれたって、もう、今はもう、絶対、動かないから。


「……訳わからんようになるまで、そうしててもええよ」
「……え?」

 ……何それ、どういう意味。


 ぎし、とベッドが軋んで。
 上からぎゅ、と抱き締められて。後頭部に口づけられる気配。

 優しい手に頭から撫でられて、そこから、首筋を、なぞる。
 背中にまわった手が――――……背筋の真ん中をす、となぞった。

 びくん!と、震えた自分に驚く。


 ――――………え、まさか、オレ、このままにして……。
 そのまま、やる気……?



「――――……っ」

 Tシャツの裾から手が入ってきて、脇腹なぞって、胸へと滑ってくる。


「っ……ん……」

 完全に、本気でやるつもりだと、その触り方で、分かる。


 あ、もう。
 ――――……無理……。

 
 服をめくられて、背中にキスされて、舌で、なぞられる。

 枕をただぎゅっと抱き締めて、耐えるけれど。
 息が、上がって、声が漏れそうになる。枕にしがみつく、のみ。

 そのうち、脚を持たれて膝を曲げられて、少し腰を浮かされた。

 下着を、ずらされて。
 少しして、冷たい液体が垂らされて。
 啓介の指が、後ろをつついた。

「……っ」

 何かむしろ、これって、この体勢って、
 オレが、何も見えてないってだけで、啓介には、すべて完全に、丸見えなのではないだろうか。ってむしろ、よけい、恥ずかしいんじゃ……。
 

「……けいすけ、まっ――」

 啓介を振り返って顔を上げようとした瞬間、後ろに指を入れられて、また枕に突っ伏した。


「……あ……っ」

 遠慮のない、指の動きに、ともすれば、仰け反りそうになる。その内、前にも指が絡んできた。

 ぞくぞくして、震える背を、啓介が舌でなぞって、時たま、ちゅ、と吸う。


「……やっ……」

 背後で、次、何をされるか分からないって――――……。
 

 ほんとに、やば、い。





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