【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

悠里

文字の大きさ
上 下
16 / 249
第1章

「翻弄される」※

しおりを挟む


 

 一昨日泊まった時は、何もされなかった。

 抱き締められて。キスはされたけど、それだけ。 
 あとは一緒に眠っただけ、だった。

 今日は、夕飯食べた後で、お腹がいっぱいで動けないオレを置いて、先に啓介が風呂入って。
 んで、その後、オレも風呂から出てきて……。

 と、風呂上がりのオレに近づいてきた啓介に、手首を掴まれて引かれて、寝室に連れ込まれた。


「え?」

 え。……まさか、だよな? だって、まだ、20時だし。 
 こんな早い時間から始めたり、しねえよな??

 そう思ってる内に、何だか易々とベッドに押し倒されて。 
 せっかく着たばかりの服を脱がされて。


「ちょっ……こんな、時間から何す……」

 オレを組み敷いてる啓介の腕を掴んで何とか一時制止して、そう言うと。
 啓介は、クスクス笑った。

「……時間、関係ある?」
「――――……っ」

「……オレ、いつでも、お前、抱きたいて思うてるし。昼間でも、朝でもいーけど……?」

 言われた言葉に、不覚にも赤くなったと、思う。

 だから何でオレはここで、赤くなるんだ。意味が分からない。


 啓介はふ、と笑うと。 啓介の腕に触れてたオレの手首を掴んで、頭の横に押しつけた。

 そのまま、唇が重なってきて――――……深くキスされる。


「…………っ……」

 舌が差し込まれて――――……きつく瞳を伏せてしまう。


「……ぅ、……ん……っ……」

 最近、本当に、強気で。

 ……優しいのは変わらないけど、強引な感じには輪がかかってきた気がする。 そして、何でだか分からないけれど、オレには、啓介のその強引なのを遮る力が、無い、みたいで。


「……ん……ふ」

 深く深く舌が絡み合って――――……そうかと思うと、ついばむように、優しく降ってくる、キス。

 首筋や頬を唇でなぞられて、動く事すら、出来ない。


 キスが延々と続いて――――……。
 そのうち、指が、体を撫でるように動き始める。

 いつも。
 啓介の、この行為は最初、いつも、同じ。

 キスだけなのに、熱くなっていく体を、自分が持て余した頃に。
 全部分かってるみたいに、触れてきて。


 嫌になる位、優しい。



「……雅己?」
「――――……」


 じ、と見上げると。
 ふ、と笑われた。


「――――……どぉした……?」
「……何で、オレにすんの?」

「何でって――――……好きやから」
「――――……」


「……可愛くて。――――……泣かせたいから?」


 クスクス笑った啓介に、再び、唇を重ねられた。



◇ ◇ ◇ ◇




 もう何回こうして、抱かれたんだろう。
 ――――……オレを、好きだという、啓介に。


 あまりに快感ばかりが強い、啓介の愛撫は。
 いつも、貫かれる時すらも――――……自分でも納得行かない位、痛みを感じない。


「……っ……ん、う……っ!」

 シーツを握りしめて、耐えていたオレは。
 開かされた脚の間で、啓介が軽く動いた瞬間。声をあげた。

 痛かったんじゃ、ない。
 ――――……背筋を走り抜けた感覚に、驚いて。 


「…………んっ……! っん……ぁ……!」

 その後も、同じ所を幾度か突かれて、そのヤバい感覚に、怖くなって、ぶる、と首を振って、唇を噛みしめる。


「……ここ。えぇんやろ?」

 耳元で、低く笑う啓介。
 その囁きにすら、ぞくぞく感じてしまう。

「……ん、う……ッ……」

 こんな感覚、人に叩き込んどいて、
 笑うな、ばかばかばかばか……!!


 ちゃんと言葉に出来れば、それだったはず、なんだけど……。

 だけど――――…… 言葉がまとまりを成してくれない。


「……ん、っあ……は……!」


 お前と。 こんな風にならなければ。 
 こんな感覚を感じる事は、絶対、なかった。
 こんな――――……訳わからず翻弄される事も。


 前じゃなくて、後ろで、
 なんて、考えた事も、なかった。


「けい、すけ……」
「――――……」


 呼んだオレを、ふと見下ろして。

「イイ顔――――……可愛え、雅己」


 頬に手をかけられて、深く口づけられる。


「――――……雅己、好き」

「ん、あっ……」

 深く突き上げられて、舌、奪われて。
 ゾクゾクしすぎて、後ろを締め付ける。


「は。……そんな、締めんなや……」
「――――……っふ……」

「……雅己、気持ちええ?」
「……っ……ん……」

 悔しいけど――――……もう良すぎて。
 真っ白な快感の中、小さく、頷くと、啓介が、ふと笑う。


「……オレも―――……めっちゃ気持ちええ」
「――――……っ」

「……可愛え。――――……ほんま、好き、雅己」
「……っも、それ、言うなよ……っ」


「何で。 可愛えもん――――好きやし……」
「……っ……っ」


 ああ、もう、なんかもう――――……。


「大好き、雅己」

 耳元で囁かれて、ぶる、と、震える。


「も、やだ、言うなら、やめて……」
 
 本気で押しのけようと藻掻くけれど、すぐに突き上げられて。
 もう、啓介に縋るように、しがみついてしまう。


 激しく突き上げられる度に、意識が朦朧としてくる。
 熱くて、涙が目尻を伝うと、啓介がすぐ舐めとる。

「んっ!……ふ、あ……っ……んぁ……」

 深く中へ入れられると、自然と体が上に逃げようとするのだけれど、啓介はそれを許してくれない。腰を掴まれて、引き戻される。


「……っ……んん、あっ……」

 啓介の思うまま。
 中で受け入れて。

 啓介に抱きつく。

 また深く口づけられて。
 全身が強張って――――……その瞬間を迎えた。



 

しおりを挟む
****
読んでくださってありがとうございます♡
気に入って下さったら、お気に入り登録 & 感想など聞かせて頂けると、嬉しいです(^^)

感想 71

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...