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第1章
「スイッチ」4 ※
しおりを挟むもう、あれからどれくらい、経ったっけ。
「……んっ……ん、あ……あぅ……!」
体の奥底に捻じ込まれた欲望は、圧倒的な快感をたたき込んでくる。
抜かれて、ぞわりと震えてる中を、もう遠慮はなく、一気に奥まで突き入れられる。
何度も繰り返されて、突き入れられる度に、軽くイくような感覚。
「……あぅ……っ……は、あ……」
中の感じる部分を、的確に刺激されて、腰が、知らず揺れる。
痛くなくて、気持ち良すぎるっていうのが、意味が分からない。
「……けい、すけ……っ……んっ……あ……っ」
脚をぐい、と持ち上げられて、折り曲げられる。
「……んう… …ぅ……ひ、あ……っ」
「……っ雅己……」
一番奥を突き上げられて、そこを小刻みに刺激される。
「……っあ……ぁん……っ」
喘いで開いた唇に、熱い舌が捻じ込まれて。
舌が激しく絡む。
「ん……っ……んっ、ふ……」
もう、頭、へんになる。
「雅己……気持ち、ええ?」
「――――……っ」
「言うて――――……約束したやろ……」
限界まで抜かれて、突き上げられる。
感じすぎて仰け反って。体が震える。声も出ない。
「……ッ……っ」
突き上げられて、感じてしまう部分を、啓介は簡単に暴く。
もう、「うん」と、頷いてしまう。
どこを突くと弱いのか乱れるのか、もう分かってると言いたげに、そこだけを狙って、突き上げてくる。
オレは、男なのに。
まるで、女みたいに、こんなに風に抱かれて。
啓介の思うままに、感じさせられるのが、嫌なのに。
「――――……っ雅己……」
オレの上で息が荒くなる、啓介。
――――……なんか、こいつも、オレで、気持ちいいんだなと思うと。
体の奥で、何かがゾクリと震える。
触れられて、刺激されて、突き上げられて、圧倒的に感じさせられる快感も強いのだけれど。
それよりも、気持ちよさそうにしてる、啓介の顔を見た時の方が。
――――……感じるって……ほんと、なんだろ……。
ほんとに、オレ、
自分が、よく分からない。
「……けぃすけ……」
「――――……うん?」
「……も、オレ――――……気持ち、よくて、死ぬから……っ」
「――――……」
「も、イかせて……」
「ん、ええよ」
クスっと笑って。ちゅ、と頬にキスされる。
「そしたら、あと少し頑張れや」
すぐ、体勢を変えられて。
片足を抱えあげられて、奥を、深く、突き上げられた。
「……っあ!……んん……あ……!」
そこから、激しく、なる。
肌がぶつかり合う音と、中を犯す音。
自分の荒い息と、喘ぎ声。 啓介の、荒くなる、息遣い。
音で、耳からも、犯されてるみたいで――――……。
「……っ……あ……っ……けい、すけ……っ」
ぎゅ、とシーツを握り締める。
「……あっ……んっ……あっ……」
意識が朦朧としてくる。
声がひっきりなしに上がる。
「……っああ……っ!」
奥で止まって。
啓介が、また体勢を変えて、仰向けにされる。
正常位、好き、だなほんと――――……。
全部見られるから、恥ずかしいんだけど……。
シーツを握り締めていた手をそっと取られて、顔の横で、手を繋ぐように握られた。なんかもうほんとに、恋人同士しかしなそうな体勢で、上から、見つめられて。
ほんと、恥ずかしい。
「……っ……うっ……んんっ……」
「――――……雅己」
「……っ?」
「……ほんまに、好きやで……」
「――――……っ」
真正面から言われて。深くキスされる。
「……雅己は? ――――……オレのこと、少しは好き?」
「――――……」
少しは、って――――……。
――――……なに、その聞き方。
「……けいすけ」
「ん?」
「――――……嫌いなら、させて、ねーし……」
「ん……そか」
啓介が、荒い息の中で、くす、と笑う。
すぐに、唇が深く重なってきて。めちゃくちゃキスされる。
もうそこからは。
激しすぎる行為に翻弄されて。
キスに息も奪われて。完全に朦朧とする中。
意識を失うまで、揺すられ続けた、のだけ、覚えてる。
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