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第1章

「スイッチ」3 ※

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「――――……っ……ぁ」

 ゆるく、突かれても、少しは気持ちいいのだけれど……。
 いつも、激しいのに慣れてしまったのか、もう、物足りなさ過ぎて。

 入れられたままの、啓介のを、ぎゅ、と締め付ける。

「っ……そんな締めるなや」
「――――……っおまえ、ほんとにこのまま、いるつもり……っ?」
「そうやて言うてるし」

「……バカ、なのかよ、んとに……っ しろよ、早く……」
「――――……」

「しないなら、抜け、よ……っ! ほんと、ぃやだ……!」


 言ったオレに、啓介は、む、と口を閉ざした。


「じゃあ約束してや」
「――――……やく、そく……?」

「……今から、嫌とかやめろ、言わないで」
「――――……」

「……あと、気持ちええ時は、そう言うて」

「っ――――……もう……わかった、から……」


「――――……絶対、約束やからな」

 耳元で、くす、と笑われて。なんだか嫌な感じがして、啓介を見上げる。


「絶対やで、雅己。破ったら、罰ゲームやからな」
「――――……っ……なに、罰げー……っ」

 言いかけた唇を、深く、塞がれる。


「……っん……っ……」

 ――――……あーもう、なんか、……すげえやな感じ。
 なんだよ、罰ゲームって……ろくな事じゃなさそう……。

 ……っ……嫌とか、やめろ、言わなきゃ良いんだよな。
 歯、くいしばっといてやる……っ。

 ふ、と啓介の唇を振りほどいて、そのまま、ぎゅ、と唇をかみしめる。

「――――……お前、分かっとる? 気持ちええ時は、そう言うんやからな。 言わんでイッたら、アウトな」
「…………っ……」

 もう、なんか、もう、こいつ――――……。


 やっぱり、嫌い……!

 啓介が、オレの睨みつけた視線に、くっと笑った。


「――――……雅己……」

 ちゅ、と頬にキスされて、まっすぐに見つめられる。
 何だか急に雰囲気の違う、熱い瞳に、どき、と心臓が鳴る。


「……っ……んっ……」

 キスが、すごく熱っぽくて激しくて。
 息、できない。
 
 舌を絡め取られている間に、なんだか、余計に下が疼いてくる。


「……ふっ……あ……っ」

 飲み込み切れない唾液が口から零れる。それを、啓介が舐め取りながら、首筋に舌を這わせてくる。

「……っ……あ……や――――……」

 ぴく、と啓介が動きを止めた。
 ――――……オレは、そこで、言葉を止めた。

 やめろ、ていうのが、口癖に、なってる。
 唇を噛みしめる。


「――――……っ……」


 もう早く、やって、早く、終わらせてくれ。
 もうやだ、こんなの。

 またキスされて、溶けそう、なんて思う。
 息が出来ないから、朦朧としてきて、余計。

「……んン……ぅ……」
「――――……可愛ぇな、雅己」

 唇の間で言われて、またすぐキスされる。
 啓介の手が、胸をなぞって、脇腹を滑って、回ってきた手が、反応してるそれに、絡んでくる。

「……っ……っんぁ……っ」

 強く握られて、刺激される。

「……ん……は……」

 先端を弄られて、びくん、と体が震える。

「……ん、ふ……っ……」

 キスは、激しいし。
 前は、もう、イきそうなのに、最後まではしてくれず。
 繋がってる中は、さっきよりも熱くて硬い啓介が、ゆるゆると中を擦りあげてくる。
 どこに意識を集中させれば良いのか、分からない。
 

「……んん……ぅ……っ……」

 先走りに濡れてるそれを、強く扱かれる。
 のけ反った顎を、舐められて、その舌が、耳に入ってくる。


「……んあ……っ……」

 頭の中に、ぐちゅ、と音が、響く。
 涙が浮かんでは、零れていく。

 ……だめだ、もう、むり……。


「……けい、すけ……っ……」
「ん?」

「……もっと――――……突い、て……ちゃん、と……」
「……っ」


 涙いっぱいなのは分かっていたけれど、それに構わず、啓介を見上げて、そう言った瞬間。
 抱き付いてた啓介の体が、一気に熱くなった。 
 

「……っ……ずるいなぁ、まさみ……」
「……っ?」


「……もっと、死ぬほど焦らそうと、思てたのに――――……」
「――――……っ……」


 啓介に太腿の裏に手を置かれて、ぐい、とさらに脚を割られて持ち上げられた。

 まっすぐ視線を合わせられて、深くキスされる。


「――――……雅己……やめろは、無しな?」

 強い瞳に、ゾク、と煽られて。

 ――――……やっと、ちゃんとしてくれるんだ。
 そう思ってしまう。


 啓介の肩に、ぎゅ、と、しがみついた。






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