【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇ライブ準備

「全部大事」*優月

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 結局オレと玲央も、蒼くんのすぐあとで希生さんの家からは帰ることになって、荷物を用意。玄関に行く途中、お手伝いさんたちに会って「お世話になりました」とあいさつ。荷物を持って、希生さんと先生とお別れした。

「――――……」

 車で門を出て、道路を走りだす。
 何だか、ほ、と息をついて、すぐに言葉が出てこない。

 別に緊張してたつもりは無かったんだけど、なんとなく力が抜けた、というか。昨日、希生さんちに入ってから、今まで、なんだか、盛沢山すぎて、ほんとなんか濃密だったなあ……と、ぼんやり思い出す。

「どうだった?」
「ん?」
「じいちゃんの家。何が一番残ってる?」

 そんな風に聞かれて、んー、と考えて。

「――――玲央の鯉?」
 笑ってしまいながら言うと、「ああ」と、玲央もクスクス笑う。

「綺麗だったなー、金色の鯉……」

 ふふ、と笑ってそう言ってから、少し黙って、玲央に視線を向ける。

「んー……あのね、玲央……なんかね。何が特別ってことは、ないかも」

 そう言うと、玲央がちらっとオレに視線を向けてから前を向いた。口角を少し上げて、微笑んでくれるから、多分、言いたいことは、分かってるくれてる気はするけど。

「全部。なんか、大事だった」

 そう、短く口にすると。

「――――ん。そっか」

 優月らしい。
 そう言って、玲央が、笑う。
 オレらしいかな? と思いながらも。

「すごく、楽しかった。……連れてってくれて、ありがと」
「――ああ。つか……」

 信号で止まると、玲央はオレの腕を引いた。近づくと、重なってくる唇。
 すぐに、少しだけ離れて、見つめ合う。

「……こっちこそありがと、来てくれて」
 玲央の瞳が優しく細められて、口元が綻ぶ。

「――うん」
 嬉しくなって笑うと、すり、と頬を撫でられる。

 ……この撫で方、ほんとに、好き。
 そう思ってると、オレをじっと見てた玲央が、よしよしと頭を撫でてから離れて、前を向いた。

「――――……なんか昨日から、生殺し気分が、半端ないんだよな……」
「え」

「……早くついたら、ホテル行く?」
「え……」

 まだ赤なので、玲央はハンドルを握ったまま、オレを見つめる。

 え。本気?? 冗談???
 答えに困ってると、玲央は、ふ、と吹き出して、また前を向く。

「か、からかわないでね……」

 ほんとにオレ、どっちか分かんないんだから。
 と、むー、と眉を顰めながら言ったら。

「からかってないよ」

 と、玲央。
 そこで信号が青になってしまって、車、発進。

「……からかってないの??」

 ……ん? からかってないってどういう意味??
 と考えていると。

「本気で言った、ホテル行く? って」
「――――」

 こんな、明るい、日曜の午前中。
 玲央が言ってることがなんか、あてはまらないんだけど。

 本気で行くって。ホテル。……って、オレと、そういうこと、したいってこと、なのかな?? 
 と、思うと。
 かぁぁっと、顔が熱くなる。

「……あんまりゆっくりはできないけど。繋がれたらいいなーと思っちまっただけ」
「――――……っっ」

 繋がる、とか。
 普通の言葉なのに、そんな風に使われると、恥ずかしくて無理かも……。

「……優月?」
 今はこっちを見れないみたいで、玲央が、オレを呼ぶ。

「何思ってる?」

 そう聞かれて。
 ……何を思ってるって。えーと……。


「……玲央が言ってることが、恥ずかしい……」

 顔、熱い。
 そう言ったら、玲央ってば、めちゃくちゃ楽しそうにクスクス笑って、「ごめん」と言ってくる。


 笑った顔、ほんと。キラキラしてて。なんかこんな人と、こんな会話をしてて、こんな風に二人で居られること、まだなんか、不思議感はいっぱいなんだよね、と、ぽー、と玲央を見つめてしまう。





(2024/6/15)


ちょっと質問。どっちがいいかな…。
🌸ふたりきりデートと、🌸バンドの皆合流か。
どっちにしようかずっと迷ってて、多数決というよりは参考に……。
マシュマロ(これに関しては返信しません)でもコメでも、なんでもいいので。
✽(*>ω<人)よろしくお願いします♡

あ、どっちでもいい方はお任せください(っ´ω`c)

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