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◇希生さんちへ

「食べられる?」*優月

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「そ……うくん、あの……おはよ」
「はよ」

 嫌々振り返ったオレを見て、ふ、と笑いながら近づいてくる。

「良かったなー、オレが迎えで」

 笑みを含んだ声で、蒼くんが言うけど。

 良かったんだろうか。
 ……いや良くない。
 希生さんじゃなくて良かったけど。いやでも蒼くん……。

「お前らって、いつもそんな甘々?」
「……っ」

 ぼぼぼ。
 どこから見てたんだろ。っても蒼くんが、黙って近づいてくるとは思わないから、多分、今キスしたとこで、見えるとこに来たって感じだと思うけど……。


「えーと……ここから中に入ったらしないです」
「別にしててもいいけど」

 玲央が言った一言に、ぷ、と笑いながら、蒼くんが言う。

「気が済んだなら行こうぜ。済まないなら向こうで待っててやろうか?」

 クスクス笑う蒼くんに、ぷるぷる首を振って、「行くってば……」と足を踏み出す。

 玲央は、全然平気そうで、なんだかすごく面白そうにオレを見てるし。
 蒼くんは、真っ赤になってるオレと、なんだかへっちゃらな感じの玲央を見比べて、とっても楽しそう。……に、見える。ちーん……。

 しょっぱなから、やってしまった……。
 ってオレがしたんじゃないけど。

 なんで今キスされたんだっけ……。何か喋ってただけのような。
 なんか可愛いって言ってくれてたけど。

 蒼くんショックで、もはや何を話していたか、思い出せない。


 玲央と蒼くんが並んで、何か話してるけど。
 ちょっとなにも聞こえない……。はああと、息をつきながらふと周囲を見渡すと。
 んん。なんか奥の方に、すごいでっかい池みたいなのが見える。


「玲央、あれって、池??」
「ん? ああ、そう。池」

「すっごいでっかいね」
「でっかーい鯉がいるぞ。見る?」

「えっ見ていい?? あっでも希生さんのとこ、先がいいかな」
「別に鯉見るくらい、いいんじゃねーの?」
「ちょっと寄ってきたら。二人には言っとく。見たいんだろ。玲央、荷物置いとく。貸せよ」

 蒼くんが笑いながらそう言って、玲央からお土産の紙袋を受け取って、希生さんのお家の方に歩いていく。


「いいよ行こ」

 玲央に言われて、一緒に池に向かって歩き出す。


「……うっわーーー、なにこれ、こんなでっかい鯉いるの?」
「うん。でかいよな、ここの鯉。なんか食われそうって思う」
「えっ玲央が?」

「餌とかやると、ほんと、しまいにはオレに食いついてくんじゃねえかと、子供の頃は思ってた」
「うわー そうなんだー」

 ……ていうか、子供の頃の、玲央、可愛い。

 そんなこと、思ってたんだ。ふふ。めちゃくちゃ可愛いんですけど。











(2023/11/7)
◇ ◇ ◇ ◇

12位スタートから7位とかで今も8位。
3年目の大賞参加。
なんとなくいつも10位前後とかにおいといてもらえております( ノД`)ありがとうです。

ていうか、3年目なんですよ……
よく続いてるな~よく皆さま、よんでくださってるなあ……となんだか不思議気分でいっぱい(笑)です(´∀`*)
ありがとうございます……。

私の子たちの中では恋なんかじゃない&秘密のすづくりが上の方で頑張ってるます♡
よろしかったら、私にとかでなく、玲央と優月やキャラ達に、応援投票ぽちっと頂けたら嬉しいです(*´艸`*)💕 と言うだけ言っておきます…♡


秘密のすづくり😻
ラブラブオメガバース💖 未読でしたらぜひ💗
https://www.alphapolis.co.jp/novel/551897599/177799793

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