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◇同居までのetc

「勝手に決意」*優月

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 今日は最後、寝落ち、しなかった。
 玲央とほっぺ触り合ったりしてから、寝ることにして。
 しばらく目を閉じていたら、玲央の寝息が聞こえてきた。

 ……オレ、なんか今日はちょっと目が冴えているのかも。
 変に興奮してた??かな?
 玲央が先に寝ちゃうとか、ほとんどないような。

 そっと目を開けて、動かないように気を付けつつ、玲央を見つめる。

「――――……」

 わー。
 なんか。
 ……ほんと綺麗。玲央の瞳が好きだけど、閉じててもカッコイイよね。何度見ても、ほんと見惚れる。
 寝顔も描きたい……。

 動くと玲央が起きちゃうので、じっとしたまま、ひたすら玲央を見つめる。
 なんかますます目が冴えてくる。

 んー。そうだなぁ……。
 玲央は、もともと男女はあんまり関係ないみたいだから、男のオレと居るのも可能性ありだったのかもしれないけど……。オレは、男の人に抱き締められて寝る日がくるなんてことは、思ったこと無かったよなあ。改めて考えても、不思議だなあって思う。

 玲央が居なかった時、オレは何を一番に考えていたんだっけ。

 今は、大体玲央がずっと居て。玲央と離れてどこかに行っても、玲央のことが頭にあって、帰ったら玲央がまたずっと居る。
 玲央が一番で、ずっと玲央とのこと、考えてて。もちろん、お互い色々してはいるけど、なんか……生活のどまんなかに、玲央がずっと、居る。

 うーん。でも、玲央だけになっちゃってもダメだよね。ちゃんといろんなこと考えて、いろんなこともちゃんとしないと、とも思うんだけど……。

 玲央が大好きすぎて、玲央のとこに帰るまで頑張ろう、みたいな感じになってる気がする。

 夢中になりすぎかなあとも、思うんだけど。

 …………やっぱり大好き。
 
 目、つむってる玲央。
 ……オレを見つめてる時の、優しい瞳が、頭に浮かぶと、もうなんか。
 すごく好きって、ただ思ってしまう。

 結構笑い上戸なところも。肩震わせて笑いをかみ殺してたりするのも。
 めちゃくちゃ色っぽくてカッコよすぎるとこも。
 一生懸命、曲作ってたり。真剣な顔も。
 ……料理、一緒に、作ってくれるのも。
 迎えにきてくれたり、一緒に居たいって言ってくれるのも。


 出会ってから今までの、色んな玲央が、頭をよぎってく。

 ……なんか、全部、好きすぎて。
 困っちゃうなぁ。

 こんなに好きな人が、できるなんて、思わなかった。
 しかも。男、だなんて。思いつきもしなかったし。


 ……ここに引っ越してきたら、オレの帰る場所が、ここになる。
 すっごい不思議。

 いつか遠い未来、誰かと恋をして、一緒に暮らすとかするかもとか、漠然としたものはあったけど、結婚する時とか、働いてからかなとか、すごく先だと思っていたもんね。

 いいのかなぁ。ほんとに。 
 玲央の家に入っちゃって。一緒に暮らしたいとか、言っちゃったけど。
 ほんとに、いいのかなぁ……?

 むむむーん。何だか自然と眉が寄ってしまう。
 ……じー、と玲央を見つめていると。

「……ん」

 玲央が少し、声を出して。何だか、どきっと、心臓が弾む。
 もぞ、と動いた玲央に、何だかむぎゅ、と抱き寄せられて、すっぽりと腕の中にはまってしまった。

「…………っ」

 わーわー。近……。
 裸の胸と密着して、玲央の腕の中。


「……ゆ、づき……」
「――――……!」

 寝ぼけ声で呼んだ後、また、すう、と眠り始めた。
 

「――――……」
 

 あ。もう。
 ……幸せ。


 すやすや寝てるのに、ぎゅーと抱き締めてくれるとか。
 名前呼んでくれるとか。
 
 …………。
 もう何も考えずに、玲央の家に入れてもらってしまおう……。



 何かまずいことが今後あるなら。
 それはその時になって、また考えよう。

 ……玲央と一緒に。
 考えれば、きっと、それでいいや。


 なんて。
 すやすや寝てる玲央の横で、勝手に決意して、すり、と玲央にすり寄った。





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