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◇同居までのetc
■番外編■クリスマス🎄4
しおりを挟むそれぞれが買ってきてくれた食べ物や飲み物をテーブルに並べて座った。
クリスマスソングをかけて、とりあえず食べちゃおうってことになって、食事開始。
お酒は誰も飲んでないのに、すっごく皆楽しそうで。まあでっかい声を出してるのは、稔と勇紀だけど、それに皆も笑うから、とっても賑やか。
大分食べ終わった頃、「あっ! しまった!」と言って勇紀が立ち上がった。
「忘れてたー! まぁいっか、今からでも」
「なんだ??」
玲央が聞くと、ちょっと待ってて、と荷物のところに行って、何かの入った袋を持ってきて、テーブル脇で立ち止まる。
「どれが誰に似合うかなあ……とりあえず稔はこれね」
「げげ」
受け取ってそんな声を出しながらも、稔は、すぐにそれを頭につけた。
スノーマンが万歳してるカチューシャ。
「嘘みたいに似合うな、お前。……ていうか、どれがって、まさか」
甲斐が引きつってると、「全員分あるよー」と、勇紀が笑う。
「オレはこれにしよ」
そう言って、勇紀がつけたのは、クリスマスツリー。しかもスイッチ入れて、ぴかぴか光ってるし。
もう、おかしくて笑ってしまう。
「え、オレいらねえけど」
颯也がそう言うと。
「つまらねえこと言うなよ。ほれほれ。甲斐と颯也でどっちか選んでいいよ」
二人に渡したのは、トナカイとサンタのカチューシャ。
すっごく嫌そうな顔をしながら、でも甲斐が渋々トナカイを選んだ。
「つかオレこれ……?」
すごく嫌そうに颯也がサンタをつけさせられているのを見ながら、オレと玲央は何かなあとちょっとわくわく。
ふと玲央に視線を向けると、見るからにうんざりしてて、笑ってしまう。
出てきたのは、意外と普通な。
サンタの帽子二つ。ふわふわのついたもこもこした手触りの。受け取って、隣の玲央に渡そうか迷う。……だって、顔が嫌がってるんだもん。
笑ってしまいながら止まっていると。
「優月ひとつ貸して。おいで?」
「うん?」
玲央の手に帽子を一つ渡すと、玲央がかぶるところを少し広げて、オレの頭にすぽ、とかぶせた。
かぶせたオレを見た瞬間、玲央がクスッと笑う。
つけた帽子やオレの髪とか整えながら。
な……なんか玲央、可愛いとか言いそうな顔してるけど……皆居るけど……。少しドキドキしてると。
「待て待て、お前、めちゃくちゃ可愛いって顔で、優月を見てんな」
「……ん?」
稔の言葉に、玲央がチラッとそっちを見やる。
無言の視線に、稔が苦笑い。
「……何その、思ってるけど何が悪いんだ的な空気は……」
「つか、可愛いだろ、優月」
言いながら、玲央がオレに視線を向けなおして、優しく微笑む。
「――――……」
やっぱり言った、玲央……。
……なんか、恥ずかしい。
玲央は可愛いって思ってくれてるみたいって、最近ちょっと思うのだけど。……ひたすら言ってくれるから。
……でも、別にオレそんな可愛いわけじゃないし、ほんと人の前で言われるほど可愛くないよーと、思ってしまう。
顔、熱い……。
思わず俯くと。
「お前、なんかもう、溶けてんな……」
「溶けてるよね。ていうか優月、こんなのにひたすらどろどろ甘やかされてたら……」
稔の言葉に答えて、勇紀がそこまで言って止まって、クスクス笑いだす。
「……もっと可愛くなるかもね」
何言ってんの、勇紀。
そんな風に思いながら勇紀を見つめると、
「可愛いって言われて育つと可愛くなるって言うじゃん。玲央みたいなやつにずーっと可愛い言われ続けてたらさ」
「ていうか、そういや優月、会った頃より絶対そうなってる気がする」
勇紀の声に稔も言い出し、「それはあるかもな」と颯也と甲斐迄頷きだしてオレを見てくると、めちゃくちゃ恥ずかしいのに、玲央は。
「つか、変な目で優月見るな」
とか意味の分からないことを言って、オレの頭を抱えて、隠す。
皆が多分固まってるのが、雰囲気で、分かる。
そのすぐ後、皆が笑って玲央に一斉にツッコんだ。
(2022/12/27)
……また過ぎてる。いや気のせい
……じゃない。
もう少しお付き合いください(^^;♡
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