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◇同居までのetc
番外編◆クリスマス🎄2
しおりを挟む「雪積もるかな?」
玲央が言うので、空を見上げるけど。
「積もらなそうかな。フワフワしてるもんね」
「まあ、そうだな。積もらないか」
「うん」
「んじゃあさ、優月」
「ん?」
「今度、雪がいっぱい積もってるとこ、行く?」
「うん、行く。どこ?」
「どっか温泉とか?」
「行く行く」
「あいつらも誘うか」
「勇紀たち?」
「ん。まあ部屋は別だけど」
クスクス玲央が笑う。
「皆で雪合戦とかして、かまくらの中で鍋出来るとこ行ってー」
「雪ダルマ作りたい」
オレが言うと、玲央はふ、とオレを見て笑う。
「優月は、雪ウサギ作って。すごい似合うから。可愛いやつ」
「いっぱい作って、並べる―」
「似合いすぎる……」
何を想像したのか、玲央はおかしそうに笑いながら、オレを見てる。
「じゃあ約束な?」
「うん。約束」
「いつ行こうか。大学休みになったら行く?」
「うん。オレはいつでも。今週とかでも全然」
ていうか、もうすぐにでも行きたい。
と思ってから、あ、と気づいた。
「年賀状書かなきゃいけないから今週は無理だった」
そう言うと、玲央は「年賀状書くの?」とオレを見る。
「書かないの?」
聞くと、玲央は「書くと思う?」と聞いてくる。
「……書かない、かな?」
「書かない」
顔を見合わせて、ぷ、と笑ってしまう。
玲央らしい気がする。
「あーじゃあ、優月には書こうかな」
「年賀状?」
「うん」
「いいの? 嬉しい」
「貴重だよ、マジで」
うんうん、そんな気がすると思ってコクコク頷いてると。
「手渡し??」
と聞かれて、少し考える。
「……なんとなく、届いた方が嬉しいような……送って?」
言ったら、そうだよなと、玲央が悪戯っぽく笑う。
そんな話をしている間に、どんどん人が増えてきた。
青いイルミネーションが見えてくる。
「玲央、綺麗だよ」
「ん」
早く行こうと手を引くと、玲央はクスクス笑う。
「あ、そうだ。後でデパート行こ」
「ん?」
「勇紀たちとクリスマスパーティしようってさっき言っててさ」
「うん」
「プレゼント交換しようって話になったから。優月、そういうの好きそうって、勇紀が言いだしてさ」
「好きー!」
わーい。なんだかめちゃくちゃテンションがあがって、そう言ったら、あ、やっぱり? と玲央が笑う。
「じゃあ、あとで買いに行こ」
「うんうんうん」
めちゃくちゃ頷いてると、玲央がふ、と笑って。一瞬、手が解かれたと思ったら。玲央の手がオレの頭をよしよし撫でてきて。
「ほんとかわいーな」
と、囁かれる。
いきなり間近で言われると。
いつまで経っても慣れないオレは。また、顔、多分一気に真っ赤。
「さっきまで冷たかったのになー?」
気づいた玲央がクスクス笑いながら頬にスリスリ触れてくる。
今度は玲央の手がちょっと冷たく感じるから不思議。
「なんか色々楽しみだよな」
また手を繋いで歩きながら玲央が言うので。
「楽しみだね」
と答えると。
玲央が少し手を強く握ってくれて。
なんかほんとに幸せだなあ。
と。思った。
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