【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇同居までのetc

「拝む?」*優月

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「優月、コーヒー。こっち置く? 今飲む?」
「飲むー」

 こぼしちゃうと困るから、アルバムを脇によけて、玲央からコーヒーを受け取る。

「ありがと」
「ん。……どこまで見た?」
「まだ赤ちゃん。三ヶ月くらい。笑ってる写真が出てきて、可愛いよー」

 言いながら、コーヒーを一口。

「美味しい」
「ん」
「赤ちゃん玲央の写真、いっぱいだね」
「アルバムの写真撮ったの、ほとんどじいちゃんらしいよ」
「え、そうなの?」

「うち、両親ほんと忙しい人達だったから、育児は親じゃなかったし」
「そうなんだ」
「じいちゃんは、色々やってはいたけど割と家で仕事しててさ」
「……だから、玲央は、希生さんと仲良しなんだね」
「仲良いって感じじゃないけど」
 玲央が苦笑いを浮かべるげと、オレは、ふふ、と笑ってしまう。

「仲良しだよ。なんか似てるし」 
「あんま嬉しくはないんだよな、それ」

 クスクス笑いながらそんな風に言うけど。
 玲央が希生さん好きなのは分かるから、そんな玲央が好きだなあと思う。

「希生さん、写真上手だね。もともと写真撮るのとかも好きだから、蒼くんの写真とかも買ってた感じなのかな」
「絵とか写真、好きだと思う。じいちゃん家、すごい飾ってあるから、今度行った時、見てみな?」
「うん。楽しみ」

 そうだ。週末、希生さんのところに行くんだ。希生さんに会うのは楽しみだし。写真や絵を見れるのも楽しみだけど。
 こないだの感じだと、すごく優しくて。認めてくれそうな、そんな感じ、だったけど。

 うーん……。玲央みたいな赤ちゃん。
 希生さんにとったら、ひ孫……。ほんとはほしいんだろうなあと。
 またちょっと思ってしまうけど……。
 でも、これを考えても仕方ないんだって、すぐに思おうとするオレも、居るのだけれど。

「――――……」

 なんだか、どうしようもないことを、ぐるぐる考えてしまっていたその時、ちょうど、ぴこんぴこん、とテーブルのスマホが音を立てて、何度か震えた。
 続けての着信に、マグカップとともに立ち上がってスマホを見ると。家族のトーク画面に、母さんからだった。

 開くと、見覚えのある、産毛の頃の、オレの写真……。

「あ、写真……」
 思わず、笑ってしまいながら言うと、すぐに玲央が立ち上がって、オレの所に歩いてきた。

「見せて?」
 玲央はクスクス笑いながら。

「そんなに見たい?」
 オレも、ぷぷ、と笑ってしまいながら。

「はい」
 差し出すと玲央はすぐに覗き込んでから。

 ふ、と顔をめちゃくちゃ緩めた。

「……何これ」
「ん?」

「拝みたくなるんだけど。……天使なの?」
「――――……」

 いや、オレも。玲央の写真見てそう思ったけど……。

 天使なのって聞かれても。
 思った瞬間、ぷはっと笑ってしまった。

「拝まないでよ……」
「他のも見せて」

 クスクス笑ってしまってると、楽しそうな玲央に、スマホを奪われた。



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