【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇同居までのetc

「いつから」*優月

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 五限までの授業が終わって、皆と別れる。
 正門まで急いでいくと、玲央が立ってるのが遠くに見えた。

 あ、早い、玲央。
 
 立ってスマホをいじってる玲央を、女の子たちが見て、楽しそうにしてる。
 芸能人みたい、なんて思って、あ、そか、芸能人だった、と思い直した。

 玲央は、そんな視線は、全然気にしないんだよね。
 見られるのに慣れてるんだろうけど。
 そういえばオレの友達とかにもめちゃくちゃ見られても、いつも跳ね返してるもんなあ……。

 そんなことを考えながら、立ってるだけで目立つ人に駆け寄った。

「優月」
 玲央が、オレを見て笑いかけてくれた顔を見て、玲央を見ていた女子たちが、きゃきゃと喜んでるのが目の端に映る。

 …………分かる。
 玲央の、嬉しそうな笑顔とか。なんか。
 ……強烈だもんね。

「どっか食べに行くか?」
「玲央は、どうしたい?」
「オレは……家でいいかな。買い物して帰る?」
「うん」

 一緒に歩き出して、隣の玲央を見上げる。

「玲央、作った曲、聴いてもらった?」
「ああ、そう。言おうと思ってたんだ。……朝、聴いてもらったよ」
「なんて言ってた?」

 わくわくして聞くと、玲央はオレを見て微笑んだ。

「良いってさ。……まあオレらしくない音、らしいけど」
「そうなの?」
「まあ、そうだな。珍しい音かも」

「そうだ、玲央の歌、全部聞きたい。じゃないと、珍しいかどうかも分かんないし。……ていうか、ただ聞きたいだけだけど」

 ふふ、と笑うと、玲央は頷いた。

「ん、CDあるよ。あとで聞く?」
「うん」
「あぁ。ライブの映像もある」
「見たい!」
「ん」

 嬉しくて勢いつけて言うと、頭を撫でられた。

「皆カッコいいよね、ライブ」
「そうか?」
「うん。なんか、普通に食堂とかで会う時もカッコいいんだけどね。なんか、ライブだと、特別キラキラしてる感じ」
「キラキラ? ……スポットライトじゃないか?」

 ふざけて言いながらオレを斜めに見つめる玲央に、「違うよ」と笑い返す。

「明るいからじゃないよー」
「そう?」
「そうだよ」

 なら良いけど、なんて言って、玲央が笑ってる。

「あ、玲央ってアルバム持ってる? 小さい頃のとか……」
「アルバム?……あるかな……なんか収納の奥に、それっぽいのが入ってるとこがあったような……」
「見たことない?」

 玲央が、自分の小さい頃の写真を見てる光景が全く浮かばないなあと思ってると、案の定。

「うちにあるとしたら、母親が引っ越しの時に置いて行ったままだな。開いたこともないな」
「じゃあ、ご飯食べたら、見てみたい。今日早いから時間あるし。いい?」
「いいけど。……つか、オレの方が見たいけどな、優月の小さい頃」
「え。見たい??」
「見たい」

 めっちゃくちゃ、即答された。

「オレのは、マンションに行けばあるよ。でも、自分のアルバム見たことはないね……」
「優月でも見ないなら、オレなんか絶対見ねえな」

 玲央はそんな風に言って可笑しそうに笑う。

「オレね」
「ん?」
「玲央が、いつからカッコいいのか見たいんだ」
「……いつからって?」
「赤ちゃんの時は絶対可愛いでしょ? 幼稚園とか、低学年くらいまでは可愛いよね?」

 言いながら玲央を見上げると、可愛いかな? と玲央が笑う。

「どこからカッコいいのかなーと思って、それで見てみたくて」
「そんな見方?」

「そんな見方。あと、可愛い玲央も、見たい」

「良いけど……可愛いかどうかはわかんないけどな? 変な写真あったら没収な?」




  えー、と玲央を見上げると、面白そうに見つめられる。




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