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◇同居までのetc

「大好きってこと」*優月

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 しばらくソファでほこほこと幸せに浸った後、シャワーを浴びた。

 ここでお風呂入るのも、もう何日目だっけ……。
 最初、違和感しかなかったこの広いお風呂も、玲央と一緒に入ることも。
 なんかもう全部ドキドキだったし。

 でも、少しずつ、慣れてきた。
 玲央と同じ香りの、シャンプーも、ボディソープも。
 ――――……寝る前の玲央の、くっつくと香るくらいの優しい匂い。

 バスタオルで体を拭いて、部屋着を着る。

 最初に行ったマンションにはバスローブが置いてあったけど、この家には無かったのは、この家にそういう相手を連れてこなかったから、みたいだけど……。オレがここに来てから、すぐベッド行く時はバスローブの方が楽とか言って、玲央が買ったんだけど……楽なのはなんか、すごく分かる気もするのだけど……。恥ずかしいんだよね。バスローブ着ると。すぐ、するのかなあ……って。ドキドキも止まらなくなっちゃうし。

 ――――……玲央は、色んな人と経験あるから、経験値みたいなのは、絶対おいつくことはないんだろうなあと思うし。
 でもあれだよね、すっごく上手な人としてるから、オレもその内、上手に………………ならないかな?? してもらってばっかりな気が。

 …………むむ。

「――――……」

 ドライヤーで髪を乾かし始める。
 玲央と入るといつも乾かしてくれる。優しい手つきで、なんだか大事そうにしてくれるから、本当にその時間が大好きだなあと、日々思う。

 ……ちょっと、寂しいかも。
 自分でやってた当たり前のことなのに。

 でも、なんだか玲央がしてくれることが多すぎて、いいのかなあと思うことが多いから、昨日や今日みたいに、色々してあげられたのは、なんだかとっても良くて楽しかったかも。
 ご飯も、玲央が作るものってなんか、すごい上手というか。

 ほんと、何でも出来る人だよなぁ……。カッコいいな……。
 ってオレは、今何を考えてたんだっけ……。
 考え事の出だしがさっぱり分からなくなって、ぼんやり、鏡を見ながら髪を乾かす。

 オレが玲央を大好きってこと……??
 ……だったかな?

 まあ結局何を考えてても、そうなんだけど。
 そんなことを思っていたら、ふと、苦笑いが浮かぶ。

 ……こんなことばっかりいつも思ってて、もしかして自然と大好きって顔で玲央のこと見てるから、樹里にまで、あんなこと言われるのかな。樹里があれってことは、やっぱり母さんは、もうほぼ、確信……かな。

 カチ、とドライヤーを止めて片付ける。
 バスルームを出て、キッチンでお水を飲んで、これからどうしようかなと考えていたら、玲央がやってきた。

「あ。シャワー浴びちゃった?」
「うん。今出た」

「一緒に浴びようと思ったのになー」

 言いながら、近づいてきて、そっと頬に触れる。

「ほこほこしてる……」
 クスクス笑う玲央に、すり、と撫でられる。

「今日はもう終わり。ほぼ出来たから、皆に聞かせてから、仕上げる」
「あ、終わったんだ。お疲れさま」

 嬉しくなって、ついついめちゃくちゃ笑顔になってしまうと。

「すげー嬉しそう」
「――――……」

 あ。つい。
 ……嬉しそうすぎた??

「ごめんな、寂しかった?」
「全然大丈夫だよ、謝んないで?」
「ん、でも……今めちゃくちゃ嬉しそうだったから」

 クックッと笑いながら、玲央はオレの髪を撫でて、少しかがんで唇を重ねてくる。

「――――……」

 唇、合わせるだけのキス。

「――――……聞く? 曲。一番に」

 触れそうな位近くで見つめられて、そんな風に言われる。


 聞く聞く!
 めっちゃくちゃ、うんうん頷くと、玲央が、おかしそうに笑いながら、オレの手を引いた。


 


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