【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇同居までのetc

「熱くなるって」*優月

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 なんだか困ったような顔をしてた玲央は。ふ、と笑い出して。

「とりあえずオレは、終わらせてくる」

 と言って、オレをいったん離して、食事に向き直った。

「……ねね、玲央?」
「ん?」

「写真てさ、バンドの皆では撮らないの?」
「活動として、てこと?」
「そぅ、バンドの宣伝とか?」
「撮るよ」

「それは、嫌じゃないの?」

 そう聞くと、そうだなあ、と玲央が言って。

「化粧もするし、ちょっと、自分じゃないみたいな感じかな……」
「そうなんだ」

「普通にしてる時に、急にカメラ向けられたり、笑ってとか言われるのが嫌だった感じ」
「なるほど、そうかー」

 あ、でもなぁ。高校生の時とか、スマホを学校に持ってきても良くなった頃とかは、皆、写真撮りまくってたような気がするけど……。でもきっと皆で撮ろう、ていうのと、玲央と撮らせてっていうのは、きっと違うんだろうなぁ、と勝手に予想したりする。

「どした?」
「いや……なんか、カッコ良すぎてモテちゃうのも、ほんとに大変だねぇ、と思ってさ」
「――――……何考えてたんだよ?」

 苦笑いの玲央がオレを見て、そんな風に聞いてくる。

「うーん、なんか想像してた、写真撮ろうーって皆に言われてる玲央を」
「まあでもオレ、優月と撮る写真は全然嫌じゃないから。撮ろうな」
「うんうん、撮ろうね」

 ふふ。嬉しい。
 ……は。でもな……。

 と、少し考えているところで、玲央が笑う。

「今度は何?」

 すぐ突っ込まれる。思わず苦笑いが浮かんでしまうけど。
 いっつも悟ってくれるのも、嬉しい気もする。
 
「んー……でも、オレも、玲央が居ないところで写真見て、玲央のこと、見ちゃうかもしれないと思って……ていうか見ちゃうと思うんだけど」

「――――……」

 玲央は呆れたようにオレを見て、ぶに、と頬をつまんだ。

「オレが、優月に見られてるのも嫌だっていうと思ってるなら……もうほんとに、アホだけどな」

 クスクス笑って、玲央が言う。

「……ない、かな?」
「聞くなよ」

 ふ、と玲央が笑う。
 そのまま頬から手を離して、ごちそうさま、と言った。

「おいしかった。ありがと」
「うん、良かった。あ、片付けるから、続きしに行っていいよ」
「――――……ん、終わらせてくる。ありがと」

 ナデナデされて、うん、と頷くと、玲央が、戻っていった。


「――――……」

 撫でられて嬉しいとか。
 ……オレ撫でられやすい傾向はあって、まあ、玲央じゃなくても、撫でてくる人はたまに居るのだけれど。

 ……でもやっぱりよく考えれば、ちょっとは、どうして撫でるのかなあって、思う時もあったような。
 女の子に、「きゃー、優月くん、かわいー」とか言われて撫でられると。
 ええなんで??と思うことはあったし。
 女の子に、可愛いって言われるって、だって、基本、絶対女の子の方が可愛いのに。なのに可愛いって言われると、なんかものすごく恥ずかしいし。

 とにかく今までわりと撫でられることも多くて。
 まあ多いからそんなに気にしないようにしてたというか。

「――――……」

 玲央に頭撫でられて、見つめられるのは。

 なんかもう素直に、嬉しくて。
 ……もっと撫でてって思っちゃうんだよね。

 

 ……キスも。
 触れるのも。
 その先も。

 全部全部、玲央が初めてで。玲央とするから、好きで。


 …………いっこずつ好きなの言ったら、全部してくれる、だって。
 さっきの玲央の言葉を思い出すと。

 また勝手に、熱くなる。玲央に見られてるわけでもないのに。


 オレ、これ、赤くならなくなる日、くるかな……と思う。




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